週刊少年ジャンプ 2017年51号
約束のネバーランド 64話 もしもの私 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
64話では、男との決着がメインかと思いきや、
エマが何者かに連れ去られる急展開。
男からもいろいろ情報が出てきて、考察しがいのある回だった。
今回は、やっぱり最も気になる、
エマがどこへ連れ去られたのか。
これについて考えていく。
現状の確認
まずは、何が起きたのかを、改めて確認していく。
簡単にまとめると、以下の4点。
1.エマがワイヤーで何者かに連れ去られた
2.拘束はなく、起きると見知らぬ街にいた
3.そこはオランダ風の家が立ち並んでいる
4.街には風車、舗装された道路、鳥小屋がある
それぞれ簡単に見ていく。
1.エマがワイヤーで何者かに連れ去られた
男がエマの説得で揺れ、
「今すぐ引き返せ ゴールディ・ポンドには入るな」
「あそこはダメだ あの場所は……」
「今すぐだ 明朝にでも”奴ら”が――」と言った次の瞬間。
何者かが上側からワイヤーのようなもので
エマを絡めとり、連れ去っていった。
2.拘束はなく、起きると見知らぬ街にいた
エマは拘束されず、見知らぬ街で倒れていた。
彼女を助けようとしたレイの声と表情以外、
特に記憶は残っていない。
3.そこは装飾されたオランダ風の家が立ち並んでいる
その街は、オランダ風の家が並んでいた。
確認できるだけで10軒ほど。
ガーランド(旗)、風船などで装飾されている。
4.街には風車、舗装された道路、鳥小屋がある
家以外には、風車や鳥小屋のようなもの、舗装された道路がある。
また、木のような自然もあり、木の実などもなっている
(木の実は、何らかの装飾の可能性もある)。
◆◆所感◆◆
これまでの森の中と違い、
かなり文化的に発展している。
装飾などを施していることから、
かなり余裕のある、豊かな生活をしていることが伺える。
この街はどんな場所か?
続いて、実際どんな場所なのかを考えていく。
この街の状態で気になるのは以下の点。
1.発展した街並み
2.装飾
3.家のサイズ
4.風車
それぞれ詳しく見ていく。
1.発展した街並み
まずは単純に、かなり発展している街並みであることが気になる。
今まで通ってきた森や荒野とは、文化レベルが違いすぎる。
近場にしろ、遠くに連れられてきたにしろ、以下のパターンは2つ。
a.知性鬼の拠点
知性鬼は野良鬼と違って、
人間のような街で生活しているというパターン。
知能があるなら、雨風をしのぐ場所があったほうがいいし、
道は歩きやすい方がいい。
それに、電力だったあったほうがいいに決まっている。
b.人間側の拠点
続いて、鬼の世界の人間の拠点、
あるいは、もう人間の世界に来てしまった、というパターン。
こちらもないとは言えない。
野良鬼のような知性のない存在は、
この街並みを維持できないだろうし、
他にこのレベルの知性体も、鬼と人で世界を二分している以上考えづらい。
そのため、この2パターンかなと。
発展具合だけで見るなら、まだ特定は難しい。
他の視点でも考えてみる。
2.装飾
知性鬼か、人間かを考えるにあたって、街の装飾を見てみる。
この視点で見ると、知性鬼の拠点である可能性は低そう。
理由としては、鬼の指。
どういうことかというと、今のところ知性鬼の指は、爪が長すぎる。
人間をつまんだりはできるようだが、
風船やフラッグガーランドの糸を、掴むことは難しいだろう。
そのため、人間側の拠点、という可能性が高い。
また、前述したように、装飾を施す余裕があることから、
ここに住む存在は、豊かな生活をしているだろう。
3.家のサイズ
また、人間側の拠点であるという、
追加の根拠として、家のサイズがある。
高低差があるため断言はできないが、
ドアのサイズが小さく、鬼が入ることは難しいように見える。
4.風車
そして、風車の用途として考えられるのは、
発電や干拓(水が上がってくることを防ぐ)などが考えられる。
風車による干拓は、オランダで行われていた。
建物がオランダ風であることから、似た環境であり、
同じ干拓の用途で使われている可能性が考えられる。
エマの状態から考える
更に、エマの状態から何か見えてこないかを考えてみる。
気になるのは以下の点。
1.男がGPについて話そうとしたときに捕まった
2.エマだけを狙った
3.拘束されていなかった
それぞれ詳しく見ていく。
1.男がGPについて話そうとしたときに捕まった
「男がGPには入るな」と忠告したタイミングで、
エマが捕まった。
GPには入ってはいけない、ということを知られてはいけなかったか、
あるいはその前に話していた、
「GF農園の子供を全て連れて、人間の世界へ戻る」
というのが好都合、あるいは不都合だったから連れてきた、
という可能性が考えられる。
2.エマだけを狙った
そして、ワイヤーが狙ったのはエマだけ。
もちろんその後エマ以外も捕らえた可能性はあるが、
エマが最初に狙われ、
彼女だけが街に連れられたということに、何か意味があると考えられる。
3.拘束されていなかった
目が覚めた頃には拘束されていなかった。
鬼ならば基本食べるだろうし、
農園に突き出すにしても拘束は必須。
ここからも、街が鬼の拠点というのは考えづらいかなと。
人間の拠点だとすると、どんな場所か?
ここまでを見ると、
人間の拠点である可能性がかなり高いと考えられる。
その上で、人間側の場所だとするなら、
具体的にどのような場所なのかを考えてみる。
パターンは2つ。
1.ゴールディ・ポンド
2.人間の世界
それぞれ詳しく考えてみる。
1.ゴールディ・ポンド
ここがゴールディ・ポンドであるパターン。
鬼の世界に人間の拠点があるとしたら、
今のところゴールディ・ポンドが最も有力だからだ。
その根拠としては、やはりミネルヴァが絡んでいること。
彼は農園に本を寄贈していることから、
世界を行き来している可能性があるため、
鬼の世界に、彼のいる人間の拠点があるのは確実。
彼がゴールディ・ポンドに来い、といったことから、
彼が絡んでいることも、ほぼ間違いないだろう。
また、ここがゴールディ・ポンドだとすると、
地図の地形と一致する。

週刊少年ジャンプ 2017年51号
約束のネバーランド 64話 もしもの私 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか

週刊少年ジャンプ 2017年47号
約束のネバーランド 60話 ゴールディ・ポンド より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
地図では、ゴールディ・ポンドと書かれた位置の近くに、
木が2本と小屋の絵。更に、北東方向に道が広がっている。
エマから見た視点でも、
右側に木が2つ、鳥小屋があって、そこから右前方に道が広がっている。
偶然にしてはけっこう一致しているため、十分有力な根拠かなと。
更に右にある2本の木や、鬼のイラストなどがあるが、
これは開拓などで変化した、というのは十分あるんじゃないかなと。
この場合、男の発言が気になる。
「GPには入るな」という忠告。
人間の拠点と考えているのに、何かしらの危険がある。
これは、ミネルヴァが子供を危険にさらす、
ということではないかなと。
どういうことかというと、
ミネルヴァはゴールディ・ポンドで、子供を助けるつもりはないのではないかと。
あくまで「助けが要るならおいで」と言ったのは、B06-32シェルターまで。
ゴールディ・ポンドは「安住の先」とは言ったが、助けるとは言っていない。
そして、ミネルヴァの目的は、「人の世を取り戻す」こと。
鬼と戦争をして取り戻す、という意味ならば、
優秀な人材を教育したり、選別したりするのは自然そう。
「勉強とは本来楽しいもの」とも語っているから、
そんなことをしない、という可能性も十分ある。
が、最終的にそれを解消するために動いているのであって、
本にメッセージを隠すなど、かなりのリスクを背負っているわけだから、
ミネルヴァとしては中途半端なこともしづらいのではないかと。
2.人間の世界
もう1つは、ここが人間の世界であるというパターン。
どれだけ時間が経過したか不明なため、
かなり離れた場所へと連れて行かれた可能性はある。
そこそこ奥行きがあって広いことから、
森や荒野だらけの鬼の世界ではないというのは十分考えられるし。
この場合、強引にエマだけを連れてきたのは何故か。
考えられるのは、
エマの発言を聞いて、その理念が良いものだったため、彼女を連れてきた。
しかし、人間の世界への渡り方がレイや男、
そしてエマ自身に知られては不都合があるため、連れ去る形となった。
こうして見ると、特に否定する材料は、今のところない。
◆◆所感◆◆
どっちもありえる、というのが現状。
ただ、ゴールディ・ポンド説はちょっと無茶が多くて、
人間の世界説の方が筋は通ってそうに見えるかな。
結論
エマが連れ去られた場所について考えた結果、
人間の拠点である可能性が高いと判断した。
その場合、この街は、
・人間の世界
・ゴールディ・ポンド
の2択と考えられるが、ここは絞り難い。
どちらかと言うと、人間の世界説の方が有力に見える。
まとめ
というわけで、エマが連れ去られた場所は、
人間の世界である可能性が高そう。
もっと深く考えられそうだし粗もあるけど、
パソコンが壊れて心が折れたので、今回はここまで。
昨夜もとても楽しかったです。
ありがとうございました。
ところで最後にエマがいる場所なのですが、私には人間の世界にはどうしても見えなくて。
左端が魚眼レンズを通したように歪んでいるせいかもしれませんが・・・
人間が住むための場所には見えます。でも人が住んでいるようには見えません。
生活感がなさすぎというか・・・人影もないし車もない、窓辺のグリーンとかきちんと手入れされているのに、余計なものが一切ない。作り物のように見えます。
人影がないのは、読者に「ここはどこだろう」と考えさせるためかもしれませんが。
あと「鬼の世界」から「人間の世界」に連れてきたなら、外に転がしっぱなしにはしておかない気がします。
ということで私はゴールディポンドか、そこから通じている人間の世界の手前の場所ではないかと感じました。
・・・イヤどう見てもエマが幻覚を見ている
(薬とかを使って見せられている)としか思えない。
エマの心の中にある、平和で幸せな理想の人間の社会だろう。
作り物のように見えるのはエマが実際に暮らしたことのない場所だからだし、
人間がいないのは、エマが他の人間(大人)を見たことがないため。
もし、理由があって人間の世界に連れてこられたのなら
最低限、怪我がないかチェックされてベッドに寝かされている。
その上で監視されているよ。
街の外にほっぽりだされているはずがない。
「今すぐ引き返せ ゴールディ・ポンドには入るな」
「あそこはダメだ あの場所は……」
「今すぐだ 明朝にでも”奴ら”が――」
おっさんには嘘をつく理由も余裕もなかったはず。
ストーリーの展開からして、エマを捕まえたのは“奴ら”だろう。
つまり“密猟者”。
13年前、おっさんの家族は皆殺しにされている。
ソンジュの話(「世界はずっとそのままだ」)からして
それから状況が変わっているとは思えない。
エマの理想の世界だとすると、
死んだはずのノーマンも出てくるかもしれない・・・。
レイは引き返すはずがない。
必ずエマを助けようとする。
おっさんはエマの言葉で気持ちが揺らいでいるし
一人は連れて帰らなきゃならないから、付き合うはめになる。
でもって、最後はおっさんがかっこ良くエマを助けて死ぬという展開を予想。
「俺だけが生き残れた。何のために?」というセリフがフラグ。
もちろんエマを助けるためだ。
おっさん、名前は最後におしえてくれると思うよ。
「行け! ●●!!」と名前は伏せ字になっていたけど。
おそらく“ホープ(希望)”とか“フィチャー(未来)”
という感じのネーミングだと思う。
・・・と勝手に予想。
もちろん予想の上を行く展開を期待。^^
シナモンさん、カズちゃんさん、コメントありがとうございます。
◆◆作り物感◆◆
たしかに、人影が見えなかったりするのは気になりますね。
人が維持しないと、あの状態をキープするのも難しそうです。
◆◆外に転がしっぱなし◆◆
おっしゃるとおりですね。
人間の世界やゴールディ・ポンドでも、
鬼が捕らえたにしても、密猟者にしても、
こうなってる理由ってなかなかない。
ちょっと考えてみたんですが、
エマがどう動くのかをチェックしている、
というのがマシそうかなと。
拘束されていないのは、そこを見たいわけではないから。
見知らぬ街へと1人で降り立った状態で、
どうやって動くのか、適性のようなものを見られている、みたいな。
リアルで監視されてるのか
幻覚・シミュレータでやってるのかは難しいですが、
人間側の場所ならありそうかなと思いました。
◆◆幻覚説◆◆
シナモンさんもおっしゃっていた説ですね。
時間・気力の都合で検討しきれませんでした……。
人影がないのに、あの街並みが維持されていないというあたり、
かなり検討の余地がありますよね。
個人的には、理想の街というよりも、
エマの想像する一般的な人間の世界、というほうがしっくりきますね。
理想を見せられているのだとしたら、
レイや他の子供たちがいそうですから。
>見知らぬ街へと1人で降り立った状態で、
>どうやって動くのか、適性のようなものを見られている、みたいな
適正試験、面白そうですね。
リアルで準備された場所に監視カメラや試験管が見張っているというのもありそうだけど、エマ本体は研究所のようなところで寝かされて、頭に電極を流されたりしながら、街にいる幻覚を見せられているつつ、何に対してどう同処理していくのか、脳の働きを観察されるというのもありそう。2046年の科学技術が進んでいれば、後者の方が簡易な気もします。
自分の危機的状況には冷静に動けるエマが、ワイヤーで捕まってそのまま後の記憶がないというのもちょっと不自然な気がします。薬を使われたというのもありそうな気がします。
寝不足もたたっているとは思いますが。
>シナモンさん
◆◆適性試験◆◆
脳の働きを見る、というのは面白いですし、ありそうですよね。
人間側の場所じゃなく、密猟者側の場所だった場合でも、
「どの程度のランクか」を見れるので、やってもおかしくなさそうです。
◆◆記憶◆◆
言われてみるとそうですね。
薬を使われたか、あるいはすぐに気絶させられてしまったか、
このどちらかかなと思います。
こんにちは。パソコンの状態はいかがですか?
ソフトやデータの復旧、その他いろいろ大変かとお察しします。
今週の約ネバはまさに新展開でワクワクしましたね。
今までの謎の解答と新たな謎が散りばめられていて何話分もあったような気がしました。
ぽすか先生ファンとしては、建物の絵がたくさん見られるのも贅沢感ありまくりです。
ツイッターときどき覗いて見ています。
また可能になった時に・・・と、管理人さんの考察をゆっくり楽しみにしています。
>シナモンさん
いつもコメントありがとうございます。
ご心配をおかけしてます。
なんとか持ち直したので、今日も22時より放送予定です。
◆◆新展開◆◆
65話、すごかったですよね!
男の下準備とか、言われてみれば超納得ですし、
農園で事足りるとはいえ、本能は満たせないから狩場に需要がある、
っていうのもめちゃくちゃ論理的で、とても感動しました。
新しい謎として気になるのは、
やっぱりミネルヴァの目的や、
ここからのエマ、そしてレイたちの動きでしょうか。
そのへんについて今いろいろ考えてますが、すごく楽しいです。
パソコン大丈夫そうでよかったです。
今夜の放送楽しみにしています。
ところで、レイが”鬼”と言った時のおじさんの反応、クローネと似た感じでしたね。
ソンジュは『かつてそう(鬼)呼ばれていたこともあった』と言っていましたが、今は一般的な呼び名ではないのかな?エマたちがハウスで鬼ごっこやかくれんぼをしていたから、鬼という発想に結びつきやすかったのかもしれませんね。
で疑問に思ったのですが、GFで鬼ごっこが流行っていたのって自然発生的なのかな?・・・って。敷地が広いし肉も美味しくなる良い遊びだと思いますが、誰かが意図的に流行らせたということもありえませんか?
初登場の少年も気になりますね。別な高級農園から来た子でしょうか?
あの感じだと何日か前からゴールディポンドにいて生き残っていそう。
音楽が鳴ると狩りが始まるっていうことは、決まった時間まで生き残ればその日の狩りは終了して、美味しい食事にありつけるのかなとか想像してしまいます。
ペンを持っていたエマが捕まったのも偶然ではなさそうですね。
use your pen を書いたのが誰かはわかりませんが、ペンの新しい使用法も見られそうで楽しみです。
上のコメントについて追加です。
「鬼ごっこを流行らせた」というのは、ミネルヴァさんの蔵書に鬼ごっこが魅力的に描かれている絵本があったとか、農園がときどき生きたまま子供をゴールディポンドに売ることがあって、上層部からイザベラに逃げるのが得意な子供を育てるようにお達しがあったとか…ってことです。後者は脱獄されては元も子もないですが。
それから決まった時間まで生き残れば美味しい食事というのは、金持ち鬼が最高の状態で人肉を食べる為には、いけすの中の人間に美味しい餌とある程度の休息を与えることも必要かと思ったからです。
>シナモンさん
◆◆「鬼」という呼称◆◆
そうですね。
今は一般的な呼ばれ方ではないようです。
◆◆鬼ごっこ◆◆
たしかに、やらせるように仕向けられていた可能性はあるかもですね。
実際、知能の発達にも身体の発達にも良いですし。
そういう面だけ見ると、農園側の意向、という可能性が高いかな、って気がしますね。
◆◆初登場の子◆◆
他にいた子供たちよりも、だいぶ落ち着いてましたよね。
エマに忠告する余裕があるくらいですから、
かなり優秀そうです。
◆◆生き残れば褒美◆◆
おー、全然発想になかったですが、ありそうですね。
自殺されるのが、鬼側から見ると一番寒いでしょうし、
おっしゃるように良い状態で食べたいでしょうから。
もう少しで1つ考察をあげれそうなので、
ぜひそちらも読んでいただければと思います!