ゴールディ・ポンドからウィリアム・ミネルヴァの立場や目的を検討・考察

週刊少年ジャンプ 2017年52号
約束のネバーランド 65話 シークレット・ガーデン より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



エマの連れ去られた場所がゴールディ・ポンドで、

そこは金持ちの鬼が人間を狩る場所であることが判明。

しかしこうなると、ミネルヴァの立場や目的が不明。

なぜ子供を危険な場所へ行くように仕向けたのか?

今回はそこについて考えてみる。



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現状の確認


まずは、ゴールディ・ポンドについて、

明らかになっている情報をまとめていく。


気になるのは以下の点。


1.GPは金持ちの人食いが本能を満たす場である

2.エマは密猟者(=知性鬼)によって連れ去られた

3.絵本の中のような場所

4.ミネルヴァが来るように言った

5.他の子供もいて、ペンのことを知っている



それぞれ簡単に見ていく。


1.GPは金持ちの人食いが本能を満たす場である





週刊少年ジャンプ 2017年52号
約束のネバーランド 65話 シークレット・ガーデン より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



ゴールディ・ポンドは、

金持ち人食いの「約束以前のように人を狩りたい」、「新鮮な人間を食べたい」、

という欲求を満たすため、子供を放し飼いにしている狩場。

音楽で人食いの襲来を伝え、逃げ惑わせる。

そしてそれを人食いが狩る……という場。



実際にゴールディ・ポンドへ到達し、

何が起こるのかを体験している男が言っているため、

これはほぼ間違いないと見ていい。




2.エマは密猟者(=知性鬼)によって連れ去られた




週刊少年ジャンプ 2017年52号
約束のネバーランド 65話 シークレット・ガーデン より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「エマは鬼に捕まったのか?」

「そうだ」

「密猟者?」

「ああ……正確にはその一派」

という、男とレイの一連のやりとりより。



ここから少なくとも、ゴールディ・ポンドの運営に、

知性鬼が関わっていることは間違いない。


そしてこのゴールディ・ポンドで行われていることは、

「密猟」、それに準ずることである
と考えられる。




3.絵本の中のような場所




週刊少年ジャンプ 2017年52号
約束のネバーランド 65話 シークレット・ガーデン より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



カラフルな家、ピエロの飾り、

WELCOMEの看板や家、大きな屋敷などがある。

植物なども、鬼の世界とはかけ離れた外見。



4.ミネルヴァが来るように言った




週刊少年ジャンプ 2017年43号
約束のネバーランド 56話 取り引き① より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



そして、「安住の先を目指すなら ペンを持ってこの場所へ」と、

ミネルヴァは子供たちをゴールディ・ポンドへ行くように仕向けた。

この際、子供たちにどんな場所かは一切伝えていない。




5.他の子供もいて、ペンのことを知っている


エマだけではなく、他に少なくとも7人の子供が存在する。

そして中には、エマの手に「USE YOUR PEN」と書いた子供もいる。



週刊少年ジャンプ 2017年52号
約束のネバーランド 65話 シークレット・ガーデン より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



なので、少なくとも、

ミネルヴァのペンについて把握している子供がいるのは確実である。




◆◆所感◆◆


というわけで、現在分かっている情報を認識した。

素直に見るなら、

「ミネルヴァが敵で、彼に騙された」

というのが第一感。

とはいえそれだと、納得の行かない部分がある。

なのでじっくりと、彼の立場や目的について検討していく。








ミネルヴァの立場や目的


ウィリアム・ミネルヴァの立場や目的について考えていく。

要は、子供たちの味方なのか、それとも敵なのか。

それぞれどんな目的があってその立場なのかを考え、

どれが一番妥当かを検討する。

立場として考えられるパターンは3つ。


1.子供たちの敵(=鬼の味方)

2.子供たちの味方(=鬼の敵)

3.中立



それぞれ詳しく考えてみる。




1.子供たちの敵(=鬼の味方)


素直に行くなら、ミネルヴァは子供を騙したということになる。

この場合、農園に本やペンを紛れ込ませ、

子供たちの逃走を誘発。

シェルターからゴールディ・ポンドへと行かせる
というのが彼の役割。

危険があるにもかかわらず、

詳細を伏せて誘導したことが根拠
となる。



そして、目的として真っ先に思いつくのは金銭。

金持ちの人食いに向けて供給しているということなので、

リターンはかなり大きいものと考えられる。



しかし、公式サイトのミネルヴァからのメッセージを見るに、

彼の最終目標は「諸君に再び人間の世を」「ネバーランドを終わらせる」こと。

農園を脱走できるほどの子供をわざわざ逃し、

危険な場所へと誘導することは、その目的と直接結びつかない。




なぜなら「再び諸君に人間の世を」というのは、

「鬼の世界にいる人間を救い出す」という意味である可能性が高い。

人間の世界は、約束で既に安全なはずだからだ。再びもなにもない。

となると、ゴールディ・ポンドで狩りのために人間を確保する、というのは矛盾する。



金銭が目的なら、

人間の世を取り戻すための資金を得ている可能性はある。

しかし、鬼の世界での金銭は基本人間の世界では使えないはず。

そもそも行き来ができないのだから。



ただし、人間の世界で換金できる、

鬼の世界の貴重なもの(例えば金など)

を受け取っている、という可能性はある。


それをもとに兵器などの開発を行えば、

鬼から世界を取り戻すことができる、という見方もできる。

しかし、これもやはり、鬼の世界にいる子供の安全は保証できない。

鬼の世界にいる人間を救い出す」という目的を達成することには繋がりづらいだろう。



また、この場合、シェルターを用意する必要がない。

そこに留まられてしまう可能性があるからだ。

武器がないとたどり着けないから用意した、とも見れるが、

それなら武器庫を隠す必要がない。

やっていることがちぐはぐで、イマイチ筋が通らない。





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2.子供たちの味方(=鬼の敵)


当初考えられていた、

子供たちの味方であるというパターン。



これの根拠としては、

わざわざ鬼の出ない荒野に、大掛かりなシェルターを作り、

しかも生活基盤や鬼についての資料を残している
ことがある。



しかし、これは今のところ揺らいでいる。

なぜなら、完全な味方なら、

詳細を伏せて、危険な場所へと連れて行くようなことはしない。


少なくとも、どんな危険があるのかを話すべきだし、

武器庫の存在や、無闇に鬼を撃つな、ということを伝えるべき。

なので、基本的には考えづらい。



ただし、例外もある。

それは、状況が途中で変化した場合。

考えられるのは、以下の2つのパターン。


a.ゴールディ・ポンドの用途が変化した

ミネルヴァがメッセージを残した頃は、

人間にメリットのある場所だった。

しかし、ある時点で子供を狩る場所として使われ始めた、というパターン。


b.別の人間が関わり始めた

ミネルヴァは純粋に、シェルターへ子供たちを呼んで、

そこから鬼に反旗を翻す予定だった。


しかし子供たちが来る前に、ミネルヴァが死ぬなどして、

ミネルヴァのポストに別の人間が就任。


結果、ミネルヴァの名前を利用し、

金儲けに走るという方針に転換した
、という説。




個人的にはb寄り。

なぜなら、あんなおおっぴらに人間側の場所を作るのは、

農園の運営を助けるなどの条件がないと無理。

しかし、現在はむしろ、農園に知られてはいけない秘密の狩場となっている。

なぜなら、子供を逃されてるわけだから。

というわけで、この方向転換は考えづらいため、

他の人間が金儲けなどのために、

ゴールディ・ポンドを作り、ミネルヴァの名前を使って誘導した


という方がありそうかなと。


2015年からミネルヴァの本の供給が止まっていることも、

この説の根拠となる。

更には、直接ゴールディ・ポンドへは呼ばず、

安全なシェルターが用意されていたことにも説明がつく。




というわけで、

ミネルヴァは味方で、2015年までは生きていた

しかし、ミネルヴァが死ぬなどで、彼のポストに別の人間が就任。

結果「人間の世を取り戻す」という目的を果たそうとするものがいなくなり、

逃がした子供を金儲けなどに利用する人間が現れた

というのが現状の説明として有力そうだ。




3.中立


そして最後に、どっちつかずの中立であるという説。

ゴールディ・ポンドに来てくれれば対価を得て、懐が潤う。

一方で、シェルターでおとなしくしていてくれるなら、

それはそれで後々鬼と戦う力となる
、という言い分。



しかし、これは考えづらい。

完全な中立はほぼありえない。

「再び人間の世を」という発言と合致しないからだ。

鬼側の行いを良しとしているわけはない、と考えられるため、基本なし。



結論


ゴールディ・ポンドの状態から、

ミネルヴァの立場や目的について考えてみた。


結論としては、以下の通り。


ミネルヴァは味方で、2015年からいなくなった。

結果、引き継いだ人間はゴールディ・ポンドを作り、

金持ちの鬼から対価をもらうようになった。


そして、ゴールディ・ポンドへ誘導するために、ミネルヴァのペンやシェルターを利用していた。



……という状態かなと考えている。



まとめ


ゴールディ・ポンドの描写から、

ミネルヴァの立場や目的について考えてみた。

結果としては、ミネルヴァ自体は味方。

しかし途中でいなくなってしまい、

シェルターやペンのシステムを、

ゴールディ・ポンドへの誘導へと利用されている、と考えられた。



2015年以降の本がないことや、

狩りのために逃されたにしてはシェルターがあるなど、

不自然だったところに説明がつくので、けっこうありかなと思っている。



考察生放送もした。ログはこちら。

65話考察配信ログ(2017年11月27日放送)






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