週刊少年ジャンプ 2018年10号
約束のネバーランド 73話 決起より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
今週はかなり時間が取れそうなので、
今まで書けなかった考察や、
同人誌リクエストでいただいた疑問などについて書いていこうと思う。
まずは、未だに書けていなかった、七つの壁について。
配信では出る度に話していたが、
ちゃんと1つの考察としてはまとまってなかったので、
この機会にじっくり考えてみた。
現在分かっている情報
まずは今判明している情報を整理していく。
重要なのは以下の点。
1.その先にエマたちの望む未来がある
2.戦争を起こすわけではない
3.少人数で逃げるという未来でもない
4.ジェイムズからのペンで、七つの壁について理解できる
それぞれ簡単に見ていく。
1.その先にエマたちの望む未来がある

週刊少年ジャンプ 2017年38号
約束のネバーランド 51話 B06-32①より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
別れ際のムジカのセリフより。
その前のエマとムジカの会話から、
「家族全員を人間の世界へ連れて行く」
というのを少なくとも満たした未来と考えられる。
2.戦争を起こすわけではない

週刊少年ジャンプ 2017年38号
約束のネバーランド 51話 B06-32①より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
その上で、ソンジュの望む「約束を壊して人間を狩れるようになる」
という未来ではない、とムジカは否定している。
更に、ジェイムズも電話にて、
「約束を壊して全面戦争」ではない道として、
七つの壁を探すことを提示している。
そのため、戦争が起きるような約束違反を侵すようなものではなく、
結果としてそうなることもない、という可能性が高い。
3.少人数で逃げるという未来でもない

週刊少年ジャンプ 2018年9号
約束のネバーランド 72話 CALLより引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
こちらもジェイムズの電話より。
「秘密裏に人間世界へ逃げたければ、何人か支援者を向かわせる」
という選択肢とも、また違った行動として示された。
気づかれないレベルの人数で、という意味ならば、
この七つの壁を探せば、大勢の子供が人間の世界へ行ける、
あるいは安全が確保されるといえる。
4.ジェイムズからのペンで、七つの壁について理解できる

週刊少年ジャンプ 2018年10号
約束のネバーランド 73話 決起より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、ジェイムズが託したペンのメモリチップに、
この七つの壁について理解できる情報がある。
これにより、2031年5月時点で存在することになる。
また、「”七つの壁”ってそういうことだったんだ……」
というセリフより、イメージとは違った、という推測もできる。
物理的な壁ではない、という可能性も十分考えられるだろう。
5.別の約束と関わりがある?

週刊少年ジャンプ 2017年38号
約束のネバーランド 51話 B06-32①より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、ムジカの
「頑張って勝ち取って あなたたちならできるわ
そうよ 約束は1つじゃない」というモノローグより、
エマたちの望む未来を勝ち取るのに、
別の約束が関わっている可能性がある。
◆◆所感◆◆
とりあえず、整理してみてわかったのは、
今のところ一番はっきりしているのが、「第3の選択肢になる」ということ。
「見つけると最終的にどうなるのか」は明確にできそうなので、
それを考えつつ、「その未来を実現するというのはどういうものなのか」、
というところを考えていく。
七つの壁とは何が起きる、どんなものなのか
というわけで、
まずは七つの壁を見つけるとどうなるのかを明確にしてみる。
上で整理した条件をまとめると、
戦争をせず、大勢の子供が助かる未来が手に入る、
というのが今のところ得られる未来。
これがどういった状態なのか、
それを実現する七つの壁は何なのかを、具体的に考えてみる。
思いついたのは以下の通り。
1.人間の世界でも鬼の世界でもない世界へ行く
2.農園から全ての子供を逃し、人間の世界への道を断つ
3.鬼同士の内乱を引き起こし、そのスキに逃げる
4.他の約束に抵触するようにする
5.人間の代わりとなる食品を作り、農園を不要にする
それぞれ詳しく見ていく。
1.人間の世界でも鬼の世界でもない世界へ行く
まず初めに、じゃあどちらでもない世界に行ってみよう、
という説を考えてみる。
「壁」という言葉より、その向こうに別の世界が広がっている、
というのはそれなりに自然な流れだろう。
実際、大勢の子供を連れて行くことさえできれば、
みんな鬼に食べられずに過ごすことができる。
しかし、その大勢の子供を連れていく難易度が高いし、
ほぼ確実に戦争の引き金となる。
少なくともエマはGFの子供全員を連れて行くつもりなわけで、
その時点でかなり喧嘩をふっかけている。
もっと多くの子供を助けようとすると、
少なくとも鬼は食料を失うわけなので、
人間の世界を襲う、という択をとるのはほぼ確実。
2世界間の戦争が起こる可能性が高いため、
ムジカとジェイムズ、どちらの言葉とも矛盾する。
なので、可能性は低いと考えられる。
2.農園から全ての子供を逃し、人間の世界への道を断つ
鬼の世界と人間の世界が完全に分断できれば、
戦争なんて起こりようがないよね、という説。
1との違いは、行く場所と、人間の世界も襲われなくなる、ということ。
実現できれば文句がない。
この場合、壁は道を塞ぐためのもの、ということだと考えられる。
実際、世界をつなぐ道を閉じることはどうやら可能。
ピーターが、ゴールディ・ポンドのエレベーターを塞いでいるからだ。

週刊少年ジャンプ 2018年9号
約束のネバーランド 72話 CALLより引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
しかし、これはラートリー家が干渉できる、ということも意味するため、
完全に閉じきるには、彼らを説得する必要がある。
基本的にピーターは戦争を起こさないことを重視しているため、
リスクのある行動は取らないだろう。
3.鬼同士の内乱を引き起こし、そのスキに逃げる
続いて、鬼同士のいざこざが起これば、
人間の世界は被害を受けないのでは?というもの。
例えば、農園を嫌う集団がいれば、
そいつらを上手いこと乗せて、農園を襲わせるとか、
あるいは人間を食べない、穏健派のような鬼がトップに立つようにするとか。
この場合、壁は「約束に反対した(妨げになった)7匹の鬼」といった感じ。
ジェイムズもムジカも、その存在について知りながら、
「探せ」という表現を使っているため、
移動するもの、と考えるとありえなくはないかなと。
しかし残念ながら、そこまで都合よく乗ってくる、
あるいは協力する鬼はいないだろう。
まず、農園を嫌う、というのは=人を食べないではなく、
ソンジュのように狩らなきゃ食べれない、というパターンがある。
そして、約束に反対していたような鬼は、
約束がまかり通ってる時点で少数派だし、権力者にいたとしても殺されているだろう。
更に言うなら、トップに立っても下がついてくるかは全くの別問題。
さすがに厳しい要素が多そうだ。
4.他の約束に抵触するようにする
ムジカの「約束は1つじゃない」、というところからのアプローチ。
すなわち、「世界を棲み分ける」以外の約束で、
農園という施設を封じることができるのではないか、という仮説。
この場合、「他の七つの約束が、農園を妨げる」という意味での
七つの壁ではないかと。
実際、「世界を棲み分ける」というだけでなく、
細かく農園についてや、破ったときの制裁など、
法律のように厳しく決まっているだろう。
そのへんを上手くかいくぐって逃げるなり、農園を封じるなり。
しかし、そういうことができるなら、
ジェイムズ自身が上手いことやるだろうし、
普通にもっと分かりやすい選択肢として提示するだろう。
というわけで、ちょっと考えづらい。
5.人間の代わりとなる食品を作り、農園を不要にする
農園が完全に不要になれば文句ないのでは、という仮説。
人間と同質、あるいはそれよりも良い食品があれば、そっちに行くだろうし、
生産が人間より楽ならばより便利でWin-Win。
納得の上なら戦争も起きない。
この場合、壁の意味は、壁の向こうに原料があるとか、
人間の代わりになるためには、7つの要素がいる(味や効能など)とかが考えられる。
正直なところ、今のところこれが一番有力そう。
エマが望む未来となると、
最終的にGFだけでなく、GPもオジサンも助けるだろうし、
他の農園にも手を伸ばしかねない。
とすると、いよいよこの農園・食用児を根本的になくす必要がある。
それを戦争を起こさずにやるとなると、こういった方向しかないかなと。
ただし、やはりレウウィスのように狩りや戦いを望む鬼もいるわけで、
完全に人間を食べるというのをやめさせるのは難しい。
また、開発に時間がかかるし、更に2世界を説得する、
というのは時間がかかりすぎる、という2点が反論。
正直どれも否定要素があるが、
一番「望む未来」に近いのは、
人間の代わりとなる食品を作り、農園を不要にする
という方向が有力そう。
結論
七つの壁について現在分かっている情報をまとめたところ、
結局何が起きるのか、というところが一番わかりやすかった。
その条件をまとめたところ、
七つの壁の先には、戦争をせず、大勢の子供が助かる未来が待っている。
という可能性が高そうかなと。
それは具体的にどんな未来で、壁とはどう関係するのか、
というところを考えてみた。
1.人間の世界でも鬼の世界でもない世界へ行く
(新しい世界との壁)
2.農園から全ての子供を逃し、人間の世界への道を断つ
(2世界間の道を塞ぐ壁)
3.鬼同士の内乱を引き起こし、そのスキに逃げる
(約束に反対していた・妨げとなった鬼を壁と表現した)
4.他の約束に抵触するようにする
(他の約束が、農園の妨げになる、という意味での壁)
5.人間の代わりとなる食品を作り、農園を不要にする
(壁の向こうに原料がある、人間の代わりとなるための障壁が7つある、など)
という5パターンの仮説を考えたが、どれもイマイチ。
その中で、今のところ有力そうなのは、
人間の代わりとなる食べ物を作る、というもの。
一番根本的な解決となっていて、エマたちの望む未来に近いかなと。
おわりに
なんか結構前も、似たような結論になった気がする。
まだまだ深く考えられそうなので、そのうち追記する予定。
待ってました!七つの壁についての考察
いろいろな側面から考えられていて、すごく面白かったです!
ところであらためてコマを見ると、ムジカもジェイムズも『七つの壁を探しなさい』って、ずいぶんサラっと言ってますね。
このセリフから、「今まで七つの壁を探して命を落とした者は数知れずいる」というような深刻な背景はあまり感じられません。『七つの壁』の存在を知っている者もそれなりにいそうです。
今まで七つの壁を探そうとした人間はいなかったのでしょうか。
七つの壁は鬼の世界にあり、鬼の世界にいる人間は食用児かチップを埋められた人間で動き回ることができない、動けるのはラートリー家関係者だけなので、七つの壁を探す立場の人がいなかった、という感じなのでしょうか。
それとも、既に七つの壁を探し当て、自分たちの望む未来を実現させた人々が、どこか別の世界にいると思いますか?
管理人さんが5つ目にあげられている
>農園が完全に不要になれば文句ないのでは、という仮説。
>人間と同質、あるいはそれよりも良い食品があれば、そっちに行くだろうし、
>生産が人間より楽ならばより便利でWin-Win。
>納得の上なら戦争も起きない。
の状況が人間・鬼両者にとって一番幸せそうですね。
>ただし、やはりレウウィスのように狩りや戦いを望む鬼もいるわけで、
>完全に人間を食べるというのをやめさせるのは難しい。
>また、開発に時間がかかるし、更に2世界を説得する、
>というのは時間がかかりすぎる、という2点が反論。
この問題を何とかするためにはどうしたらよいか考えてみました。
鬼たちって、決まった約束に関しては律儀そう。
レウウィス大公にしても狩りや戦いがどうしてもできない状況になれば、頭脳を使ったスポーツとかで紛らすことができるのではないでしょうか。
また代替食品の開発に時間がかかっても、鬼は急いで人間を食べなくてもソンジュのように生きてはいられるので、待つことも可能と思われます。
今の状況は「千年前の約束」にずっと従っているから続いているわけですよね。
ムジカは「頑張って勝ち取って」と心の中で応援しています。何を勝ち取るのか?
”約束の内容を変更する権利”はないでしょうか。
で、『七つの壁』の先にあるものは、この権限という可能性もあるかな?と思いました。
>シナモンさん
いつもコメントありがとうございます。
◆◆他にも探した人はいるのか?◆◆
たしかに、危険がある、という感じの言い方ではないですね。
その視点はなかったです。
「戦争を起こさず多くの人間が逃げる」
という未来をもう実現した人間がいたとすると、
さすがに鬼の世界で知れ渡っていそう。
となると、ソンジュは知っていたけど伏せた。
それを見て、ムジカはソンジュに気づかれないように伝えた、
というやりとりだった可能性はあるかもしれませんね。
ただ、この場合農園も対策を打っていそうな感じはします。
再び実現するのは難しいかも。
あと、七つの壁の先が、農園や約束を根本から解決する、
というものだとすると、さすがにまだ誰も見つけてなさそうですね。
◆◆代替食品普及を実現するには◆◆
なるほど、約束の拘束力を利用する、という感じですね。
たしかにあるかもしれません。
GPでも音楽が鳴り止んだら去っていくあたり、ルールというのは重要な要素かも。
権利を勝ち取る、もありそうですね。
何らかの実績などを残して、約束に干渉できるような影響力を手にしていく、みたいな。
逃げている身で、どう権力を手にするのか、というのは難しいですが、
なくはないと思います。