約束のネバーランド 3巻収録のストーリー・カバー下などの解説・伏線・謎・考察まとめ

今回は、単行本3巻についてまとめていく。

3巻まで読んだ人が謎や伏線について知ったり、

考察を楽しんでもらえたらと思う。



3巻をまだ読んでないならぜひこちらから。

約束のネバーランド 3巻




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ストーリー解説と、その時点での考察



収録話のあらすじを紹介し、解説していく

また、その話が連載された時点で書いた考察があれば、

合わせて紹介していくので、興味があれば見てほしい。


17話:秘密の部屋とW・ミネルヴァ②


エマ、ノーマン、レイの3人はウィリアム・ミネルヴァの本を見る。

ミネルヴァは蔵書票のフクロウの周りに、モールス符号でメッセージを残しているという。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「RUN(逃げろ)」「DOUBT(疑え)」「DANGER(危険)」「TRUTH(真実)」

「HARVEST(収穫)」「MONSTER(怪物)」「FARM(農園)」
……

どれも農園とその危険を知らせるメッセージだ。

これが残っているということは、少なくとも鬼や農園による罠ではない。

秘密を自ら知らせるようなことはするはずがないからだ。

つまり、外に事情を知っていて、食用児を助けようとしている人間はいる。



しかし、分からないことも多い。

ミネルヴァは果たして今も生きているのか?

そして、神話の本にあった、モールスのない蔵書票と、

冒険小説の蔵書票に書かれた「PROMISE(約束)」というモールスの意味とは?




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



分からないことはあるが、夕食の時間となったため、エマたちは引き上げる。



そのころ、ドンとギルダはイザベラのいる部屋へと忍び込む。

そこで、かつての家族のおもちゃを見てしまう。

子供たちが連れて行かれたことが事実だと認識するが、同時に疑問も生まれる。

なぜ、エマたちは「悪い人に売られた」と知っているのか。

レイの言っていた、「バレたらアウト」とはどういう意味なのか。

考える間もなく、イザベラが部屋へと戻ってくる――。



感想と解説


初の味方キャラクターが登場。

17話連載段階でも蔵書票とモールスは描かれているが、1つだけなので気付くのは難しい。

しかし今の段階では謎が多い。


レイが生きていることを期待しないほうがいいと最悪の想定をするのが、この漫画のいいところ。

エマの「勘」という発言に対する反応も素晴らしい。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



18話:覚悟


上手くイザベラに見つからずに部屋を抜け出したドンとギルダ。

しかし、レイたちは彼らが秘密の部屋へ行ったことに気付き、

夜の目立たない時間に彼らを呼び出す。


軽率な行動を咎めるレイに対し、

ドンはコニーたちは殺されているのではないかと詰め寄る。

誤魔化しが効かなくなったことを悟り、エマたちは真実を話す。


エマたちは農園のこと、鬼のこと、コニーたちのことを話した。

ドンはノーマンとレイに殴りかかる。

「そんなに俺達は荷物なのか」「守ってあげないといけない雑魚なのか」と。

エマはそれを聞いて、「農園から全員で逃げ出す方法」を思いつくのだった。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



そして、クローネがその会話を聞いていた――。



感想と解説


ドンやギルダと意見が衝突する回。

基本的に言うことはないが、これがエマに作戦を思いつかせた。

この全員で逃げ出す方法については、下で考察している。


19話:アウト


ドンとギルダに謝り、2人の協力を得たエマたち。

エマは考えたという「全員で農園から逃げ出す方法」をノーマンに相談する。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



それは、イザベラの隙を突けて、全員で逃げるためにはこれ以外考えられないという。

そして、その方法を聞いたノーマンは、レイをも欺けるかもしれないと考えるのだった。


エマたちの次の狙いは下見

そのためにイザベラにコンパクトを確認させないように画策する。

除草剤や洗剤を盗み、暗殺を企てているように動く。

レイがそれを報告し、暗殺に対処しているうちに下見を行うという計画だ。


レイが暗殺を企てていることをイザベラに伝えたあと、彼女は言う。

「次の出荷が決まったわ 来月の定例出荷はない」

それ聞いてレイは言う。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「……次の出荷はいよいよ俺か」



その頃、森で計画を立てていたエマたち5人にクローネが接触する。

即出荷――かと思いきや、

「私と組まない?」

と提案してくるのだった。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか





感想と解説


ドンやギルダとの和解、下見の準備、レイの出荷疑惑、クローネの接触など盛りだくさんな回。

全員で逃げ出す方法次第ではあるが、

現状は障害の方が大きく、依然として状況は苦しい。





20話:”共闘”


クローネは疑うエマたちにその目的を語る。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



イザベラを引きずり落とし、このハウスのママになりたい、と。


彼女はこの農園のシステムについて語る。

一定以上の成績を出し12歳まで生き残った女子は、

飼育監の推薦があれば、飼育監を目指すことを選ぶことができる。

しかし、その道を選べば、農園の外へと出ることが出来ない。

心臓にチップを埋められ、外へ出ると心臓が止まる仕組みだ。


だからせめて、ママとして偽りでも幸せな暮らしをしたい。

そのためにイザベラを引きずり落とすと。


「逃げなさい 私は邪魔をしない」

そう言うが、ノーマンだけはその真意に気づいていた。

邪魔をしないのではなく、できないのだ。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



証拠も、権限も、鬼からの信頼も、クローネにはないからだ。

そもそも、助けるつもりならば今接触する必要もない。

その行動から、クローネは証拠を掴めば必ず自分たちを出荷すると、

ノーマンは確信していた。


しかし、協力を拒否すれば邪魔をされるだけ。

そう判断し、ノーマンは彼女を利用することを決意し、表面上の協力関係を結ぶ。

エマは裏切りを警戒するが、レイの存在によってそれはできない。

クローネが裏切ればレイがイザベラに報告する。

逆に、エマたちが裏切れば、レイが寝返ったことをクローネがイザベラに報告できるからだ。


その夜、ノーマンとエマは情報を探り出すため、

クローネの部屋へと向かうのだった。



感想と解説


表面上は友好的なクローネとの読み合いが面白い回。

特にクローネの背景などが不透明な子供たち側からは彼女の狙いは読みづらいはずだが、

彼女の具体的な行動や状況、彼女の取れる選択肢などから読み切るのは流石ノーマン。




21話:見え透いた罠


クローネの狙いは、「情報を与え、信用させて脱獄の証拠を掴む」こと。

それを把握した上で、「信用はせず、証拠も掴ませず、情報だけを掴む」

ことを目標とし、エマとノーマンはクローネと会話する。


何でも聞いて、というクローネに、ノーマンは聞く。


約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「大人が子供たちを殺す気持ちでも?」と。

「ええ、あなたたちが知りたいことならなんでも」と、クローネは答える。


手始めに、発信機が埋められている場所を聞く。

これは既に把握しているが、クローネがどの程度本当のことを話すか試している。

「耳よ 左耳 このあたり」とあっさりと真実を答える。

壊すと本部に通達がいくことと、

麻酔を使い医療用のメスで切り落とし、抗生剤を使うことで問題なく解決すると、

クローネは解決策まで提示する。


次に、クローネの年齢や出身を聞く。

クローネは26歳で、GF農園出身だと言う。

そして、イザベラは31歳。

本のある2015年より前、2014年生まれにも関わらず、イザベラもGF農園出身だと言う。


そして、次の質問は「外は?見たことあるんですか?」。

それには「ないわ」

「でも『外』には人間がいる」と答える。

子どもたちの食糧は農園と大人で作っているが、

服や道具――本やテスト機材などは、外から人間が持ってきているというのだ。

更に、彼女は本部で人間を見たという。

「彼ら 奴らと対等だった」

「食われない人間も『外』にはいる そこに紛れなさい」
と。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか




農園のセキュリティについても聞くと、

「発信機に頼り切りで、周辺には巡回すらいない」という。

しかし、そんなに甘いはずはないと疑い、信用しない。


――それだけ聞いて、エマとノーマンは帰ろうとする。

しかし、クローネは笑う。

「発信機の場所も壊し方も既に突き止めてたの やるじゃない!」と。

発信機の場所を掴んでいることは口にしていないのに、何故。


「言葉だけじゃないのよ 情報は」

クローネは指摘する。

発信機の場所が分かったにも関わらず、耳を触らない。

解決策が分かったのに、喜ばない。

その態度から、情報を悟られてしまったのだ。


って知ってる?」

クローネは謎の単語を口にする。

「知らないわよね 知りたいでしょ」

それについては次来たときに、とエマたちを帰すのだった。



証拠は掴まれていない。

しかし、情報を与えてしまった。

クローネもまた、GFで生き残ってきた大人なのだと認識する。


そして11月2日の0時。脱獄決行まであと6日。

「そろそろ頃合いかしら」

と、イザベラが部屋でつぶやくのだった。



感想と解説


初の大人との直接対決。

エマたち側から見ると、ある程度情報を引き出すことができたが、真偽を確かめるすべがなく、

子供たち側の状況を伝える結果となってしまった。


ネタキャラのような扱いのクローネだが、

彼女なりに目的のために考えて動いているのが好ましい。




22話:餌


11月2日の昼、エマたちは下見を決行しようとする。

昼食の後、レイがイザベラをひきつけ、ノーマンとエマが塀に登って下見。

そして、ドンとギルダが何か起きた場合中止を伝える役目だ。


作戦会議のあと、ノーマンはレイに昨夜のことを話す。

クローネに発信機を壊せることを悟られた、と。

そのため決行日を早めることを伝え、壊す手段はもうできているのかを聞く。

レイはインスタントカメラを取り出す。イザベラからの「ご褒美」だ。

このインスタントカメラによって、発信機を壊す手段が完成する。


しかし、この発信機を壊す手段は、脱獄の証拠となってしまう。

なんとしても、クローネに見つかるわけにはいかない。

そのためレイは「シスターはシスターで手を打とう」と、別の餌を仕込む。


当然、クローネは昨夜の会話で、発信機を壊す算段がついていることを悟っている。

そのため、子どもたちの部屋を漁る。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



そこで、レイの仕込んだ餌を見つける。それは1つのメモ。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



(もし本当ならイザベラは――ってことになる

このメモを見せてグランマに直訴できれば、イザベラの信用をガタ落ちさせられる)


何かの資料を漁り、それが真実であることを知る。

イザベラの2つ目の弱みを手に入れた、と歓喜する。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



(しかし、なぜレイがこれを知っているの?

イザベラが教えたの? いや違う、イザベラだって本来は知らないはず)



――疑問に思っていると、部屋へイザベラがやってくる。

クローネに本部からの手紙を渡すイザベラ。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「残念だけどそういうことね さようなら」



感想と解説


クローネが入手したイザベラの弱みが最大の謎。

レイが知っていて、かつイザベラを引きずり下ろす材料となり、クローネが裏を取れるというもの。

詳しくは下で考察しているが、なかなか難しい。



そして、弱みを入手したタイミングでイザベラがクローネに干渉。

あまりにタイミングがよすぎるが、前日夜に頃合いね、とも言っているため、

基本的には子供たちやクローネの動きを察知していたというよりも、

出荷の時期などを考慮し、イザベラが動き始めたタイミングが良かった、という可能性の方が高いだろう。




23話:ブチ壊せ!!


本部からの手紙の内容は、クローネを第4プラントのママにする、というもの。

門へグランマが来ているからと、そこへ行くように言われる。


(これは罠だ)

できすぎた状況に警戒するクローネ。

しかし、この手紙が本部からのものであるのは事実だ。

――イザベラが書かせたものである可能性は高いが、

手紙のとおりに動く必要があり、避けることはできない。

状況は変化したが、クローネはイチかバチかグランマへの直訴を決行する。


クローネは門へやってきた。

手に入れたメモと、子どもたちが逃げようとしている事実をグランマへと伝える。

しかし、グランマが口にしたのは――



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「でも制御はできているのでしょう?

制御できているなら問題ありません かつての私のように」


と、イザベラのミスを容認するものだった。


「特別なのです イザベラも、イザベラのプラントも」

「儀祭に最上の一皿を 農園に最大の利益を」

「イザベラは私に必要な駒なのです あなたに代わりは務まらない」

――そしてクローネは、鬼の手にかかる。


(大人しく死んでやるものか

ガキ共を逃し イザベラ お前だけでも引きずり落とす!!)


――罠を、死を悟っていたクローネは門を訪れる前に、あるペンを子どもたちへ残していた。

それは、以前本部で人間が落としたペン。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



(あのペンは普通のペンじゃない)

(心の底から不本意だけど あんたたちにくれてやるわ)

そして、クローネは命を落とすのだった。



感想と解説


グランマが本格的に登場し、クローネは死亡。

グランマも自らの目的のため、イザベラたちを利用していたのだった。

現状それについては明かされていないため、下で考察している。


そして、クローネは謎のペンを子供たちに残している。

彼女でも「普通じゃない」と分かる代物であるため、特殊な機能がついていることが予想される。

これについても、下で考察している。


24話:下見①


11月2日13時。下見を決行する。

外を見て、逃げ道と持ち物を確認するのが狙いだ。


イザベラに、薬剤をすり替えようと提案するレイ。

しかし、クローネの姿が見当たらない。

「排除したの シスタークローネは排除した」

そう言うイザベラに、レイはクローネの部屋を確認する。


「あなたもよ

今この時をもって”取り引き”はおしまい」


イザベラはレイの裏切りも悟っていた。

しかしレイは反抗する。

レイさえ使えれば一切問題はないはずだ、と。


イザベラは事情が変わったという。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「ここからは私一人で制御する」

レイをクローネの部屋へ閉じ込め、そういうのだった。


そして、エマとノーマンの目の前にイザベラが現れる……。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか




感想と解説


ついにイザベラたちが子供たちに牙を剥く回。

「事情が変わった」というのは次の出荷が決まったことによるものだろう。

それまでには逃げられるわけにはいかないから、

可能な限り信用のできない要素を切る
、という判断だと考えられる。

すなわち、次の出荷はよほど重要なものだといえる。



25話:下見②


目の前に現れたイザベラに困惑するエマとノーマン。

「10年一緒に暮らしたけれど お芝居抜きでお話しするのはこれが初めてね」

「初めましてエマ 初めましてノーマン」

「今ここではただの食用児と飼育監」

イザベラはついに本性を顕にする。


「でも誤解しないでね 私はあなたたちを愛している」

「だからこそ諦めてほしくてここへ来たのよ」


ーー諦める、とは何か。

大人になることか、脱走か、命か。

「抗うことを」

と、イザベラは続ける。


大好きだから苦しんでほしくない、

農園での暮らしのどこが不幸なのか。

だから、「決められた時間、最期まで あなた達5人にも幸せでいてほしいの」と。

それを受けて、エマとノーマンは気付く。

(これ……”即出荷”じゃない!!)


ノーマンは考える。

即出荷はしない。まだ制御が目的。

……しかし、今までとやり口が違う。レイを介していない。

だとするとこの先は、イザベラによる直接支配。

ここで下見を強行すれば、制御できないと判断され、即出荷か?

しかし、下見のチャンスは今しかない。



そこで彼は気付く。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



イザベラが「あなた達5人にも幸せでいてほしい」と言ったことに。

つまり、ドンとギルダを引き込んだことは既にバレている。

そしておそらくレイの裏切りにも感づいている。

にもかかわらず、未だに”制御”しようとしている。

つまり、ノーマンたちは迂闊に摘めない高級品……!


ノーマンは視線でエマに、イザベラの足止めをするように伝える。

エマがコンパクトを奪うためにイザベラに向かって走る。

そのスキに、ノーマンが下見をするーー



イザベラはエマの足を折り、ノーマンは動きを止める。




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「ノーマンもよく気づいたわね」

「そうよ 私はあくまで”制御”する

あなた達はそれほどまでに特別なのよ

特別な方しか食べられない 特別な食用児」

「だからこそ守らねばならない 何としてでも」

そうイザベラは語る。


そしてその後、イザベラは続ける。

これで無事に明日を迎えられる、と。



約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



「本部から通達があった

おめでとうノーマン あなたの出荷が決まったわ」



感想と解説


次の日にノーマンの出荷されることが告げられる衝撃的な回。

19話のレイとイザベラの会話では次の出荷について、

レイが「次の自分の誕生日に、自分が出荷される」と勝手に納得しただけで、

イザベラは「次の定例出荷はない」としか言っていない。

つまり、イザベラは嘘をつかずにレイを騙していた。



そして、ノーマンが出ていくことを農園の子どもたちに隠す訳にはいかない。不審に思われるからだ。

しかし、伝えてしまうと不穏分子が結託して脱走する可能性がある。

だからこそ、イザベラは自らが制御することを選択したのだと考えられる。


下見は失敗し、次の日にはノーマンが出荷されてしまうということで、

子供たち側はほぼ詰み寸前まできているといえるだろう。




伏線・謎


この巻で登場した謎や伏線についてまとめていく。


「約束」とモールスがない蔵書票の意味




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



ウィリアム・ミネルヴァの本の蔵書票に、

モールス符号でメッセージが書かれていた。

基本的には農園の危険性と脱走を促すメッセージ。


しかし、冒険小説の「PROMISE(約束)」と、

神話の本にあるモールスのない蔵書票に関しては現状意味がわからない。


これについてそれぞれ考えていく。


PROMISE(約束)の意味


まずは約束、というモールスについて。

「誰と誰の約束か」「何を約束したのか」という2点がポイント。


誰と誰の約束か

最も新しい本で2015年で、この冒険小説はそれよりも前のもの。

となると、30年ほど経った今、少なくとも特定の食用児が絡んでいる可能性は低い。

一方で、メッセージの差出人であるミネルヴァ、

あるいは本部にいたその味方が関わっている可能性は高そうだ。




何を約束したのか

そして、何を約束したのかという点。

食用児に伝える目的でメッセージを出しているので、

「伝えることに意味がある」ものと考えられる。



となると、考えられるのは以下のパターン。

1.助けることを「約束」している

まずは素直に、ミネルヴァが食用児を助けることを約束しているパターン。

ないとはいえないが、「約束」という回りくどいワードを使うことが違和感。

モールスを組み合わせて「助けに行く」という旨を伝えたほうがいいだろう。


2.「約束(=特定の条件など)」によって手出しができない

続いて、何らかの約束によってミネルヴァが手出しをできないというパターン。

このような施設が容認されているということは、

何らかの規約によって動きが制限されている可能性はある。



しかし、それを伝えたところで基本的に意味はない。

ミネルヴァと農園などの関係を伝えるなどの効果も考えられるが、

やはりそれ自体に大きな意味はないだろう。


3.「約束」を果たせば農園から解放される

そして、何らかの約束を果たすことによって、農園から解放される、

といった可能性を示唆しているパターン。

しかしこれは「逃げろ」と言っていることから、いずれ解放される可能性は低いため考えづらい。


現状、「約束」というモールスに関してはピンとくる解釈は難しい。


モールスがない蔵書票の意味


続いて、神話の本のモールスがない蔵書票について。

これの意味としては、以下の2パターンが考えられる。


1.1つの長音である可能性

まずは、モールスがないのではなく、1つの長音であるという説。

-のみだと、Tが値する。が、当然これだけで意味が伝わるわけがない。

なので、他の本と組み合わせて文章や単語がある可能性は考えられる。


しかし、一文字ずつ伝える意味はほぼない。

他のモールスのように単語を記録したほうが、

他の本と組み合わせてより有益な情報を伝えることができるからだ。



2.蔵書票自体に意味はない

続いて、蔵書票に意味がないという説。

つまり、ミネルヴァの本であるということを証明する、というだけの目的。

この場合考えられるのは、内容を読むように示唆するという狙いだろう。


どういうことか。

ミネルヴァが残した本でありながら、モールスがない。

既にモールスを見つけた子供としては、何の意味もないとは考えづらいため、

内容を探るのは自然な流れだろう。


しかし、レイが実際に読んでいて、

内容について「よくわかんねぇ神話の本」と答えている。

すなわち現段階では、特にヒントは得られていない可能性が高い。



とはいえ、レイはイザベラのスパイであることや、

全員脱出に反対しているなど、エマとノーマンたちとは目的が異なっている。

なので、ここで得た情報を伏せている可能性は十分考えられる。



エマが考えた「全員で逃げる方法」




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



続いて、エマが思いついたという、「全員で逃げる方法」について。

これがどんなものかを考えていく。

条件としては以下の通り。


1.ドンたちと喧嘩したときに分かった


まず、ドンたちと喧嘩した際に思いついた方法である。

その際の要点としては、「ドンたちを信じること」。

信じる覚悟が足りなかった、と謝っているため、

「仲間を信じる」ということが鍵となるだろう。


2.全員で逃げることが可能となる


全員で逃げるための方法としているため、

走ることが出来ない小さな子供なども含め、

計38人全員で逃げることが可能となる方法である。


3.イザベラのスキをつくことができる


そして、エマはイザベラのスキをつくことも可能と考えていて、

ノーマンもそれについて否定していない。

そのため、イザベラの監視や発信機などを乗り越える要素がある。


4.レイを欺くことが可能となる


更に、レイに対し、「全員で逃げる」ということを悟らせずに、

実際に逃げる事が可能になる
とノーマンは考えている。


5.無茶でリスクが高い


その上で、エマも無茶だと考えていて、ノーマンもそのように判断している。

そのため、成功率が低い、あるいはリスクが高いといったものである可能性が高い。



ドンたちを信用しなかったことでの失敗は、

「嘘をついたことで、彼らが反抗してしまったこと」。

その上で、エマの言動からすると、

今後はドンたちを信用した上ですべてを伝える、というのが今後の方針となるだろう。


そして、全員で逃げるのであれば、全員に「真実」を伝えることが必要となる。

つまり、エマが考えた「全員で逃げる方法」は、

「子供たち全員に真実を伝えて逃げる」ことではないだろうか。


年少の子供たちはイザベラを信用していて、そこからバレる可能性がある。

しかし、そのリスクはエマたちが「無茶」だと判断しているため十分考えられるし、

全員が伏兵となれば、イザベラやレイを欺くことが可能となるだろう。



当時の考察はこちら。

【約束のネバーランド】エマの考えた全員で逃げる方法を考察!【18話・19話】


読めない文字





儀祭で最上物を捧げる存在について、その名前をクローネは知っていた。

また、イザベラもノーマンたちを「特別なお方しか食べられない特別な食用児」と称している。

ここから、少なくともまだ飼育監ではないクローネですら、

その存在について教育されていることが伺える。




クローネの知ったイザベラの秘密




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



レイがクローネに対して与えた別の餌について。これが一体何なのかを考える。

イザベラが失脚する要素になりつつ、

本来イザベラやレイも知らない情報で、クローネが裏を取れる情報
、というのが条件。

考えられるパターンは以下の通り。


1.子供たちの病気などを放置している


イザベラが知らず、レイが知っている情報として考えられるのは、

子供の病気を放置しているという可能性。

ただ、基本的には体調が悪いことをイザベラに隠す理由はなく、

もしそうだとしても隠し通せるものではない
だろう。

品質管理などは必要だろうから、健康診断などは定期的に行っているだろうから、基本的には考えづらい。


2.子供たちのデータの改ざん


なにか不正があって、子供たちのスコアが不当に上がっているというパターン。

イザベラがやっていた場合、本来イザベラも知らないという前提条件を満たさない。

しかし、テストを受けた子供が自発的にスコアを上げるような行為をしていた場合、

イザベラも知りえないというパターンは考えられる。


そしてこれは十分イザベラの弱みとなりうるだろう。


この場合、子供が不正をする動機としては「出荷」だろう。

年長組はレイを除き、コニー出荷によって知ったため、

それ以外の子供が不正をしている、という可能性が高い。


しかし、否定要素もそれなりに多い。

まず不正に点数を上げるということが難しいこと。

機材によって管理されているし、当然イザベラによる監視もあるだろうから、カンニングのようなことは難しい。


そして、仮に偽装が成功したとしても、急激な点数上昇は不審ですぐに気付かれる。

クローネが書類などで気づけたのだとすると、普段の挙動を見た上で点数を見ているイザベラが気付くのは容易だろう。

そして、不正によって点数が上がっただけならば、

後でクレームが来る可能性が高く、即出荷を選ぶだろう。


とはいえ、高級品を出すことが利益となるならば、

スコアの偽装に気付きながらもスルーしている可能性はありうるため、ないとは言い切れない
だろう。


当時の考察はこちら。

【約束のネバーランド】22話のママの弱みとは何か考察してみた!




グランマの目的・利益とは


グランマはクローネの密告に対し、

「イザベラは私の目的に必要な駒である」と返している。

その後の発言より、農園の利益を上げることが狙いであることが分かるが、

それによって一体どのようなリターンがあるのか。



少なくとも、外へ出るというリターンである可能性はとても低い。

鬼の世界だった場合は外へ出てもしょうがないし、

人間が外に存在する場合は、農園について熟知した優秀な人間を外に出すということは危険。

そのため、外へ脱出する権利が与えられる、というのは考えづらい。



イザベラたち飼育監と違い、本部での業務をしていることから、

「子供に見つかって困るもの」でも問題なく手に入れられる、

というのがポイントだろうか。



クローネの託したペンの意味とは




約束のネバーランド 3巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



そして、クローネが門へ行く前に、子供たちの部屋へ置いていたペン。

これについても考えていく。

現在分かっている情報は以下の通り。


1.ただのペンではない


クローネいわく、「ただのペンではない」。

心の底から不本意とも考えているため、基本的には脱走のヒント、手助けとなるものだろう。


2.本部にいた人間が落としたもの


クローネは本部にいた人間が落としたペンを拾った。

偶然落とした可能性も当然あるが、

脱走の手助けであるものならば、敵地での扱いは相当気をつかうはず。

そのため、人間が意図的に落としたものである可能性が高い。


3.B06-32というメッセージが書かれている


ペンの軸には、

B
06-32
という文字列が書かれている。

2巻のカバー下に書かれていた「promised B06-3」とほぼ一致する。

ただ、この文字列が何を意味するかは不明。


これだけでは「ただのペンではない」とは言えないため、

他に何かしら仕掛けやメッセージが隠されている可能性が高い。


当時の考察はこちら。

【約束のネバーランド】23話のペンや「B 06-32」の意味を考察してみた!



カバー下やおまけ漫画についての考察など


カバー下のイラストやおまけ漫画について、

考えられることをまとめていく。


カバー下


表紙の門と思われる場所に、謎の女性が佇んでいるイラスト。

髪型や服装からグランマである可能性が高いが、現状不明。


床には天井が反射し、女性の足元には波紋があることから、

床が水浸しになっていると考えられる。


コニーを収穫した際も水が出ていたことから、

儀程などによって水が出た可能性がある。



また、散らばっている紙や誰かが収穫された可能性があること、

女性がグランマと似ていることから、クローネを処分したあとの光景だと考えられる。



おまけページ


そして、本編外のおまけ漫画や付属の資料などについて考えられることをまとめていく。


GFハウスのスケジュール


GFハウスのタイムスケジュールが載せられている。

自由に動ける時間は13時~17時ごろ、20時以降の自由時間と睡眠時間。

夜動きすぎて寝不足になると不審がられるため、

実質自由時間の5~6時間といったところだろうか。



GFハウスの食事


食事は基本的にレトルト。

生の果物は珍しいが、決まった時期に出るようだ。

外の世界では果物が貴重であることが考えられる。


それでも決まった時期に出るということは、

収穫や儀祭などの際に何か宗教的な意味合いがあって出される、という可能性がありそうだ。



他の巻についてのまとめ


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