週刊少年ジャンプ 2017年36・37合併号
約束のネバーランド 第50話 友達 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
ムジカいわく、「鬼はここ1000年で無秩序な姿になってしまった」。
そして、ソンジュも「約束によって種族の姿が歪んだ」、と言っている。
しかし、「無秩序」というのがどういうことか、約束がどう影響しているのか、
ということが一切判明していなかった。
そんな中、120話にて、鬼が食べた生物の遺伝子を手に入れ姿が変化するという情報や、
農園の人肉は低質で形質を保持しづらいということが明らかになった。
これを踏まえて、「無秩序な姿」とは何か、そうなった原因は何か、ということを考えていく。
ヒントになりそうな情報
まずは現在分かっている情報から、
無秩序な姿について、ヒントになりそうな情報をまとめていく。
重要そうなのは以下の点。
1.鬼はここ1000年で無秩序な姿になった
2.約束によって種族の姿が歪んだ
3.鬼は様々な生き物の形質を得ることができるが、食べ続ける必要がある
4.量産肉を食べ続けていることで、形質保持能力が弱まっている
1.鬼はここ1000年で無秩序な姿になった

週刊少年ジャンプ 2017年36・37合併号
約束のネバーランド 第50話 友達 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
「鬼って姿だけでも色々」とこぼしたエマに対し、
ムジカは「我々はここ1000年で無秩序な姿になってしまった」と発言している。
つまり、1000年以上前は、鬼の姿に整然とした秩序があったが、
それがなくなってしまった、ということ。
1000年前の大きな変化といえば世界を住み分ける約束が交わされ、鬼の食事事情が変化した。
それは姿の変革に大きく関わるため、約束によって鬼の進化が変化した、
という意味合いの発言である可能性が非常に高い。
2.約束によって種族の姿が歪んだ

週刊少年ジャンプ 2017年38号
約束のネバーランド 第51話 B06-32① より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、ソンジュもムジカに対し、
「約束によって種族の姿が歪んだ」と発言している。
これは前述のムジカの発言と、時期(約束=1000年前)と現象(鬼の姿の変化)が一致するため、
同じ事象を指している可能性が高いと考えられる。
つまり、約束によって本来とは違う進化を辿った、
あるいは姿が変化していった、ということのようだ。
しかし、実際にどんな姿になったのか、ということについては語られていない。
3.鬼は様々な生き物の形質を得ることができるが、食べ続ける必要がある


週刊少年ジャンプ 2019年9号
約束のネバーランド 第120話 形のない怪物 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、最近明らかになった情報として、
鬼は様々な生物を食べることで、その形質を取り込む。
それによって、色んな生物の姿形へと変化している。
虫のような姿や魚のような姿に進化し、そのうちにヒトを食べるようになった。
それによって知能を得て、約束を結ぶまでに至っている。
また、欠点として、食べた生き物を食べ続けなければ、その形質を維持することができない。
ここからわかるのは、「様々な姿」になること自体は約束以前から起こっていることである、ということ。
つまり、「いろんな生き物の姿になる」ということが、
「無秩序な姿になった」ということではない。
「無秩序な姿」とは、様々な形態に進化することを指しているわけではなく、
人間のような姿を得て、約束を結んだ後に鬼の生態に変化が現れた、ということになる。
約束以後の鬼としては、
虫のような野良鬼や、馬のような鬼、パルウゥスのような猿の鬼、
人型の知性鬼や、その中でも肺の優れた鬼や、嗅覚の優れた犬のような知性鬼……
など、様々な特徴の鬼が存在する。
しかし、これは約束以前の鬼との差異が判明していないため、
正当な摂食進化の結果なのか、それとも「約束による無秩序な姿への変化」なのかは判断しかねる。
4.量産肉を食べ続けていることで、形質保持能力が弱まっている

週刊少年ジャンプ 2019年9号
約束のネバーランド 第120話 形のない怪物 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
その上で、約束による大きな変化といえるのは、農園が作られたこと。
下級鬼の食事としては、粗悪な量産型農園の肉が供給されているが、
それでは形質保持能力が弱まり、姿や知能を維持することが困難とされている。
ここまでをふまえて、「無秩序な姿」とは結局何なのか、
何故そんな現象が起きたのか、ということを考えていく。
無秩序な姿とは何か?何故そうなったのか?
それでは、ムジカの言う「無秩序な姿」について考えていく。
前述のとおり、約束以後の変化であるため、様々な生物の姿になるということではない。
その上で、約束による大きな変化はやはり、人工的な人肉が供給され、形質保持能力が下がっていることだろう。
その変化によって「無秩序な姿」になったのだとすると、
「農園の肉により、人間の姿を維持しづらくなり、他の生物の形質が混ざりやすくなった」
という仮説が有力だと考えている。
どういうことか。
約束後、量産肉によって人間の形質が維持しづらくなっている。
そのため、別の生き物を食べた際、相対的にその生物の形質に強く影響を受けるのではないか、という仮説だ。
実際、野良鬼(虫)やパルウゥス(猿)、ソンジュの馬鬼のように、
知性を持たない鬼(=人間を食べていない鬼)は1つの動物の特徴を持つだけの個体が多い。
それに対し追手鬼のように、人工物を食べている鬼は
人の特徴を持ちながら犬や猿など、別の鬼の特徴を持つ鬼が存在する。
つまり、本来は複数の生物の形質を得づらいはずが、
人間の形質が維持しづらくなったことにより、他の動物の特徴も合わせて出るようになった。
これが「無秩序な姿になった」ということではないだろうか。
これならば、約束が原因(=農園の肉によって形質維持がしづらくなっている)で、
「元々様々な形態が存在する鬼が、約束後、更に『無秩序な姿』と形容される」ことに説明がつく。
そのため、現状は農園の肉で人間の形質を維持しづらくなったせいで、
他に食べた動物の形質、特徴も現れやすくなった、というのが有力と考えている。
以下に結論をまとめた。
結論
ムジカの言う、ここ1000年で鬼が無秩序な姿になった、ということについて考えた。
約束以後に鬼の姿が歪んだというのは間違いない。
しかし、多種多様な動物の姿になるのは最初からなので、
「無秩序」というのはそれを指しているわけではないようだ。
その上で、農園の肉によって人間の形質を維持することが難しくなっている、
ということをふまえると、農園の人間を食べた知性鬼は、
他に食べた動物の形質が色濃く出るなど、混ざりものが生まれやすくなったことが、
無秩序な姿になった、ということではないかと考えている。
現状、知性を持たない鬼は単一の特徴を持つ鬼ばかりなのに対し、
知性鬼は様々な特徴を持っていることや、
約束によって、本来と違う秩序の姿になる、ということについて、
現状最も説明が付きやすく、それなりに有力だと考えている。
おわりに
本日も配信をした。
ノーマンの計画や、七つの壁の条件やリスクについて考えたので、ぜひ見てほしい。
→121話伏線・考察まとめ配信ログ(2019年2月4日放送)