今回は、単行本2巻についてまとめていく。
2巻時点での情報のみで、その先のネタバレは一切なく謎や伏線をまとめ、
2巻時点のつもりで考察した。
ここまで読んだ人やアニメ勢が謎や伏線について知ったり、
考察を楽しんでもらえたらと思う。
2巻をまだ読んでないならぜひこちらから。
→約束のネバーランド 2巻
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ストーリー解説と、その時点での考察
収録話のあらすじを紹介し、解説していく。
また、その話が連載された時点で書いた考察があれば、
合わせて紹介していくので、興味があれば見てほしい。
8話:考えがある
発信機の場所を特定したエマたち。
しかしその機能について考えると、壊れたときに通知される可能性がある。
そのため、発信機の壊し方についても検討する必要がある。
壊し方についてはレイに心当たりがあるというので、2人はレイに任せることにした。
そして、もう1つの課題である「全員で逃げ出す方法」。
能力不足で連れ出すことが難しい。
――そんなときエマが考えたのは本気の鬼ごっこをして、
「遊んでいる」と偽装しつつ、脱走の訓練をすることだった。
経過は順調。しかし、クローネが鬼ごっこに参戦する。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
解説と感想
全員を連れ出す方法として、本気の鬼ごっこをするという回。
小さな子供たちも鬼から逃げられなければいけないというのは事実だが、
正直なところ、そこを解決しても様々な問題がある。
ノーマンが指摘したようにイザベラを信じきっている上、
安定した生活を望めないであろう外で生き残れるのかなど。
事情を伝えた上で逃げるのはイザベラに気づかれるだろうし、
伝えずに逃げれば、過酷な生活に連れ出された子どもたちからは反感を買うだろう。
客観的に見るとレイの言う通り、置いて行くというのが冷静だろう。
9話:鬼ごっこしましょう
クローネが鬼ごっこに混ざってきた。
子供たちの実力を見ること、そして脱走を企てる”標的”を見極めることが目的だ。
彼女は子供たちの実力を見て、真っ向勝負を仕掛けることに決める。
クローネの実力は圧倒的だった。
無尽蔵の体力、そして子供たちの気を引き捕まえる知略。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
あっという間に子供たちを捕まえていく。
エマも子供たちをかばいながら逃げていくが、追い詰められて捕まってしまう。
残るはレイとノーマン。
クローネは全力で追いかけるが――ついにタイムリミットまで、2人を捕まえることができなかった。
ノーマンとレイは言う。
「シスターを殺すことは不可能じゃない」と。
解説と感想
ネタキャラとばかり思われていたクローネの実力がお披露目される。
その見た目からは考えられないほど強キャラ。
知略ばかりが目立つこの作品の中で、
頭脳レベルが高い上で肉体スペックの高さまで兼ね備えているのは脅威。
しかしそんなクローネから逃げ切り、背後を取ったレイとノーマンははっきり言って異常だろう。
この2人だけなら軽々と脱獄をこなしそうである。
10話:コントロール
シスターとの鬼ごっこを終え、大人の力量をしたエマたち。
全員で逃げるためには、チームで隊列を組んで効率的に逃げる必要があると判断する。
そのために、年長組であるドンとギルダを計画に引き入れることを決める。
また、シスターの殺すこと自体は可能だが、殺した後のことも考える。
子どもたちを発信機で管理している以上、
飼育監も何らかの方法で管理されている可能性が高い。
そのため、ノーマンたちはイザベラたちを「拘束」した上で脱獄することにする。
そして3人はイザベラの動きについて考察する。
イザベラは脱走犯を既に特定していると、ノーマンは言う。
以前は探りを入れていたにもかかわらず、今はそんな様子を一切見せないからだ。
それが可能だとすると、子どもたちの中に内通者――つまりスパイや、
イザベラに悪意なく情報を伝える「情報源」がいることになる。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
ノーマンはその情報源を計画に引き入れ、
ドンとギルダも味方につけるという方針をエマとレイに話す。
そして、脱獄決行を今から10日後、11月8日へと設定するのだった。
解説と感想
飼育監が管理されているという視点はこれまで一切なかったが、言われてみるとその通り。
更に、イザベラが特定する動きをやめていることから、
スパイが存在すると判断するのは当時全く思いつかなかった。
このように「最悪の想定」を自然にやってくれるのがこの作品の魅力だと感じている。
ここまで入念に計画を立てていく作品はなかなかない。
11話:内通者①
ノーマンが脱獄決行を10日後に設定する。
その目的は、イザベラの裏をかくこと。
「イザベラは制御しようとしているから、時間がある」――
自分たちにそう見えているということは、イザベラもそう見えているはずだからだ。
10日後に脱獄をする。
そのためには、ドンとギルダを引き入れて成功率を高める必要がある。
しかし、実際に信じてもらえるかという問題がある。
そのために、エマとノーマンは「真実を話さずに味方に引き入れる」という判断をした。
真実を知らなければ、失敗したときにドンとギルダは生き延びれるかもしれない。
彼らを危険にさらさない、という狙いのもとだ。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
「GFの子供は人身売買されている」とドンとギルダに伝える。
コニーたちが死んだことを隠し、
「ここから逃げてコニーたちを助けに行こう」と伝え、
ドンとギルダを引き入れることに成功した。
ドンとギルダを引き入れたのはいいが、彼らがスパイである可能性もある。
それを判断するために、ノーマンは罠を張る。
彼ら2人に、それぞれ別のダミーのロープの場所を教える。
それがなくなれば、どちらがスパイか判断できるのだ。
その後、夜。
ギルダが起きてクローネの部屋へ行くところをエマは目撃するのだった。
解説と感想
脱獄の勢力を拡大するための回。
ドンとギルダに嘘をついて引き入れたのは、はっきり言って悪手。
鬼のことについて隠すということは、外に出てから円滑に逃げることはできないし、
嘘をついていたという不信感から離脱まで考えられる。
外へ出てからのことを考えるとどう考えてもやるべきではない。
客観的に見て、情によって判断を誤った、といえるだろう。
とはいえ、仲間に引き入れてから情報を与え、
イザベラのスパイじゃないかと確認する手腕は見事。
ただ、スパイ側から見るとすぐにロープの場所をイザベラに教えるべきではないようにも見える。
仲間に引き入れられてすぐにロープが消えると、疑われるのは間違いないからだ。
そう考えると、ノーマンはすぐに特定できるとは考えておらず、
引っかかればラッキーくらいの感覚だったのかもしれない。
と、この段階では考えていた。
12話:内通者②
クローネは脱獄者の情報を引き出すため、
思いつめた様子のギルダに目をつけていた。
部屋へ呼び出し、変わったことはないかと聞き出そうとする。
しかしギルダは「悩みごとはありません」とはっきりという。
それを見たクローネは「全て知ってしまったのね?」と詰め寄る。
ギルダは動揺するが、知っていることを隠してクローネの部屋を離脱するのだった。
ノーマンは、ドンとギルダに伝えたというロープの場所を探る。
ドンに伝えたはずのベッドの下から、ロープが消えている。
つまりドンが内通者だとレイが言おうとするが、ノーマンはレイに向かって言う。
「情報源……いや内通者は君だったんだね レイ」

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
解説と感想
当時衝撃的だった回。この頃は考察していなかったので素直に驚いた。
上に書いたように、内通者がすぐにイザベラに情報を渡すのは難しい(ノーマンにバレるため)と考えたが、
レイは内通者疑惑をなすりつけるために動いているため、
むしろドンやギルダを疑わせるために、このタイミングで動いたのだろう。
13話:内通者③
ノーマンはなぜレイが内通者だと判断したのか。
彼はドンとギルダだけではなく、レイにも罠を張っていたのだ。
エマとレイの前では「ベッドの下、トイレの天井裏」と伝えたが、
実際には別の場所を教えていた。
――つまり、ベッドの下にロープがあると知っていたのはエマとレイのみだったのだ。
レイは自らが内通者であることを認める。
いつから疑っていたのかとノーマンに聞くと、「シスターが来た日から」と答える。
実際、レイが内通者であれば、イザベラから見て、あらゆる意味で理想的。
最もエマとノーマンとの距離が近く、作戦に口出しして思うように誘導することができるからだ。
更に、ノーマンはずっと前からレイがイザベラのスパイだったことを指摘する。
イザベラがその場ですぐ信用するわけがないからだ。
それに対し、レイは「ずっと前から」イザベラの味方だったことを告げる。
鬼に出荷されていることを知って、監視や商品の質の向上に一役買っていたのだ。
ノーマンはレイに取引を持ちかける。
1.今までどおり動いて、エマとノーマンの安全を確保する
2.レイの持っている情報を全て開示する
3.寝返る
レイのスパイ行動がバレたことをイザベラに伏せる代わりに、この3つの条件を提示した。
本来ならばノーマンは取引などせず、知ったことすらも明かさずにレイを利用するべき。
しかし、エマの「全員助ける」という言葉と、レイの行動への違和感からそうしなかった。
レイは本物のロープの在り処をイザベラに伝えていない。
それに、完全にイザベラの味方であるなら門へ行かせるようなことは絶対にしないはずなのだ。
ノーマンは聞く。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
「レイはどうしてママの牧羊犬をしているの?」
解説と感想
ノーマンはレイを最初から疑っていたという。
つまりノーマンは、上の解説で書いた
「レイがドンやギルダにスパイ疑惑をなすりつけるために、すぐにロープの場所を伝える」
という動きすらも読んで、この罠を張ったのだと考えられる。
これは素直に読んでいるだけだと気付きづらいだろう。
そして、レイがスパイだと疑っていた理由や、
これまでずっとスパイをしていたと疑う理由、
そして完全にイザベラの味方ではないという推論も合理的で面白い。
14話:切り札
ノーマンの質問に、レイは「自ら売り込んで内通者になった」と答える。
その目的は、「脱獄の準備」。
イザベラという敵を知ること。脱獄のために必要なものを集めること。
それらを全てこなすのには、懐へ入り込むのが最良。
そして、自らの価値を知っている彼は、即出荷の可能性は低いと見て取引をした。
レイは即出荷を避け、結果を出せば報酬をもらう、という条件で、
イザベラの牧羊犬となったのだ。
報酬で外の世界のものを取り寄せてもらい、外の世界を探る。
そして、発信機の現物を見て、壊す実験もしている。
レイは脱獄において最強のカードといえる。
彼はこれまでのすべての行動の目的を告げる。
「全てはお前ら二人を殺させないためだよ」と。
しかし、全てがノーマンたちにとって都合が良いわけではない。
レイは寝返ることに条件を出す。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
それは「エマを騙し、年長組以外の子供を切り捨てる」こと。
そう言うとレイは部屋から去っていった。
解説と感想
レイがスパイをしていた理由は、エマやレイを助けるため。
そのために、「現実的に脱獄の成功率を上げる」ことをし続けていた。
エマのような具体性を一切伴わない理想論に対し、
実現可能なラインを考えて、そのために全力で動くという姿勢がとても好き。
15話:二度としないで
ノーマンは考える。
どうすれば、レイに悟られないように全員を救い出せるのかを。
敵はイザベラ/クローネ/レイの3人。
上手くやらなければ、どれかに刺されて失敗してしまう。
エマはレイに内通者のことを聞くが、
レイはあっさりと「俺が内通者です」と白状し、
表面上「全員で脱走」に賛成するのだった。
そして、エマから報告がある。
「ママは毎晩8時に消える。
このハウスには子供達の知らない秘密の部屋がある」と。
解説と感想
特に言うことはない。
16話:秘密の部屋とW(ウィリアム)・ミネルヴァ①
エマはイザベラの部屋の隣に秘密の部屋があるという。
レイはその部屋の目的について、「定時連絡」だと。
ドンはその部屋に潜入しようとするが、
リスクが大きすぎるとレイに止められる。
その後、エマたち3人は今後の計画を立てる。
彼らは今探るべきは「外」だと考える。
塀は越えられる。しかしそれで終わりではない。
1.脱獄(塀を越える)
2.逃走(無事に離れる)
3.自立(安定した生活を築く)
この脱獄は上の3ステップをクリアする必要がある。
そのため、次はハウスから離脱することを考え始める。
つまり、周囲の状況の把握。下見を近いうちに行うことを決める。
そして、エマは「紹介したい人がいます」と図書室へと呼び出す。
エマは本の蔵書票を見せ、「この人です」とノーマンに伝える。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
「ウィリアム・ミネルヴァさん・・・?」
生きているかどうかは分からない。何者かも分からない。
しかし、彼は本を通してメッセージを残しているというのだ。
一方、ドンはイザベラからハウスのマスターキーを盗み出す。
ギルダとともに、秘密の部屋へと入ろうとするのだった。
解説と感想
脱獄だけではなく、その先のことも見据えている。
今わかる範囲で具体的なステップまで組み立てられているというのが有能。
しかし、そこまで見えていたのなら、
やはりドンとギルダに嘘をつくべきではなかった。
逃走・自立の時点で足を引っ張る可能性が非常に高いからだ。
現に、変にぼかしたせいで、隠し部屋を覗こうとするなど、既に意思統一ができていない。
伏線・謎
この巻で登場した謎や伏線についてまとめていく。
神――

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
クローネが言っていた、「奴らの求める 神――」とは一体何か。
今のところ、優れた子供を求める理由は、

に最上物を捧げるということだけ。
現状、この最上物、特別な御膳を「神~」と呼ぶという可能性が高い。
レイ

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
今回、イザベラの内通者として動いていることが分かった。
彼について分かっていることと不明点をまとめていく。
分かっていること
1.イザベラに自分を売り込み、スパイとなった
レイいわく、「ずっと前から」「自らを売り込んで」スパイとなった。
「6年かけた計画」というセリフより、5歳のころから秘密を知り、
詳細に事情を把握していたことになる。
2.スパイの報酬として物をもらっている

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
また報酬として双眼鏡やゲーム、人形などを、
イザベラから取り寄せてもらっている。
双眼鏡のような脱走に使いうるものも要求しているため、
イザベラには完全に信用されているとは考えづらい。
3.他の子供達を切るように要求している
そして、ノーマンに協力する条件として、
「全員で逃げる」ことを放棄することを要求している。
それを守れなかった場合、レイはノーマンを裏切ることを示唆した。
内通者として両サイドの動きを制限・誘導していた描写
これまで内通者として動いていた描写を改めて確認してみる。
1.コニー出荷時

約束のネバーランド 1巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
まずはコニーの出荷時。
リトルバーニーをコニーのもとから離し、エマたちへ届けさせた。
門の灯りがついていることを伝え、出荷の現場へと向かわせた。
2.夕飯準備できたよ

約束のネバーランド 1巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
3話にて、エマがイザベラに探りを入れられていたシーンにて。
ボロを出しそうになったタイミングで、「夕飯準備できたよ」と介入してきた。
かなりギリギリだったため、タイミングを見計らっていたものと考えられる。
3.人数・外の世界を意識させた(主にエマへ)

約束のネバーランド 1巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
4話でエマとノーマンが、レイへ秘密を打ち明けたシーン。
「全員を助けることの難しさ」「外の世界が鬼の世界である可能性」
などについて即座に指摘した。
エマの認識の甘さを認識させ、計画をより洗練させようと誘導する言動といえる。
4.イザベラの狙いの示唆

約束のネバーランド 1巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
6話にて、クローネがやってきたことに衝撃を受けているノーマンに対して、
「怯ませることもママの狙いでは?」と指摘。
その上で「情報が増えたこと」を意識させ、ノーマンたちの次の行動を促した。
疑問点
そして、現状のレイに関する疑問点について考えていく。
1.なぜレイは農園のシステムについて知っていたのか

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
まず、レイが何故農園のシステムについて知っているのか。
「ハウスの正体」「出荷(ころす)順番は検討がついてる」というセリフより、
少なくとも子供が殺されていること、
点数によって出荷されていること、
農園自体が出荷のためのものであるということを数年前の時点で把握している。
考えられるパターンは3つ。
a.門に行って出荷現場を目撃した
単純に考えると最も有力。
直接現場を見ないと、「殺されていること」と「イザベラが関与していること」
などを把握することは難しいからだ。
しかし、レイのみが門に行っているということは考えづらい。
基本的に出荷時に門へ行くということは、何者かの誘導がない限りできないから。
その上、出荷時は鍵がかかっていて、本来外に出られない。
そのため、レイだけ外に出るということは非常に目立つ。
しかしノーマンはそのことについて一切触れないため、知らない可能性が高いのだ。
b.イザベラがボロを出した
イザベラがボロを出したことによってバレたという可能性。
定時連絡や秘密の部屋を目撃した、など。
これが気付くきっかけとなり、ハウスの事情を調べ始めたということは考えられる。
しかし、集団生活をしている中でレイだけが気付くということは考えづらいし、
殺していることがバレるほどのボロは、出そうと思っても出せないだろう。
c.鬼の痕跡がハウスにあった
鬼が人を殺していることに気付く要素がハウスにあったという説。
しかし、鬼は門以外に訪れることはないだろうし、
それだけで殺されていることを把握することは出来ないだろう。
今のところ、門で直接出荷現場を見たというのが最も有力。
しかし、レイだけが気付くきっかけは常識的に考えるとほぼ存在しない。
現状ではまだ情報が足りないと考えられる。
2.本当に目的は二人を助けることなのか

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、もう1つの疑問はレイの本当の目的。
ノーマンに対し「お前ら二人を殺させないため」と言っていたが、
本当にそうなのか?レイ自身のことはカウントされていないのか?
というところについて考えてみる。
レイの目的として考えられるのは以下のパターン。
a.イザベラによる罠
完全にイザベラ側のスパイとして動いていて、
バレたから「二人を助けるためだった」と伝えているパターン。
これは基本的にありえないと言っていいだろう。
理由としては、コニー出荷当日にエマたちを門へ誘導したこと。
こればかりは、完全なイザベラの味方であれば絶対にしないからだ。
b.レイだけが助かることを狙っている
続いて、イザベラとノーマンたち両方を制御して、
自分だけが助かろうとしているという説。
可能かどうかで言えば十分可能。
イザベラの視点をエマとノーマンに固定することで、
レイ自身が脱走の準備をしやすくなる。
しかし、レイはモノローグにて

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
「ノーマンにもエマにも 死へ続く道は選ばせない!」
と語っているため、これもありえない。
c.二人だけ、あるいは自分を含めた三人で助かろうとしている
というわけで、基本的に子供たち側の味方になろうとしているのは間違いない。
その上で、言葉通り二人だけを助けようとしているのか、三人で助かろうとしているのか。
この点に関しては、現状判断が難しい。
「二人を助けるため」という表現は
「自分は助かるから二人も一緒に助ける」とも、
「二人を助けるために全力で動いている」とも、どちらとも取れるからだ。
というわけで、レイの目的はエマやノーマンを救うことであるのは、ほぼ間違いない。
しかし、その中に自分が含まれているのかは、今の段階では判断できない。
ドンとギルダにどう真実を伝えるのか?
また、ドンとギルダは今のところ鬼のことや、コニーが死んだことを知らない。
脱走まではまだしも、外の世界では誤魔化しが効くか不明で、
後から伝えると仲間割れも考えられる危険な状態といえる。
何が起こるか分からない外界で意思統一ができていないのは危険で、これは明確に伝えるべきである。
脱走後の想定なども考えると、可能な限り早めに言う必要があるが、
一度騙しているということ、そして言ったことを翻すという不信感を拭うことは難しい。
とはいえ、ここに関しては策を弄するほど不信感が募るだけなので、
早い段階で正直に全てを伝えて謝るのが最善だろう。
イザベラの目的(利益)とは

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
レイが「あの女は規則より利益だ」と言っていた。
そのため、「生き残るため」以外の動機があって農園に従事しているようだ。
フルスコアのような優秀な子供を排出することによって、何らかのメリットがあるものと考えられる。
しかし、基本的には常に農園に付きっきりなので、
イザベラが得られるメリットというのはあまりない。
というわけで、イザベラの求めるメリットを考えていく。
1.金銭・望むもの
まずは金銭や、欲しいものが支給されるという説。
しかし、農園内では金銭をもらったところで使いようがない。
また、望むものを得たところで子どもたちの目について困るものは得られないだろうし、結局の所制限が多い。
そのためにフルスコアを作り上げるという労力をかけるかというと、そこまでのリターンとは言い難い。
2.外への脱出
続いて、農園への寄与が大きければ大きいほど、
外へ出ることが可能になるのではないか?という説。
フルスコアを出すという難易度の高さに見合うリターンといえる。
しかし、鬼の世界だった場合は外へ出てもしょうがない。
また、人間が存在した場合は、
農園について熟知した優秀な人間を外に出すということは危険。
そのため、外へ脱出する権利が与えられる、というのも考えづらいだろう。
3.グランマへの昇進
最後に、グランマへの昇進。
現状グランマの描写が少ないため、具体的にどんなメリットかは不明。
考えられるのは、「農園での世話をしなくてよくなる」「高齢まで生き残れる」など。
イザベラが本部に連絡した際にグランマが出ているため、
少なくともプラントを離れて本部へ行けることは間違いない。
本部での業務については現状不明なので、これがどの程度大きなメリットなのかは不明。
その上で、グランマの口元の皺などを見ると、高齢である可能性が高い。
ただし、飼育監がどの程度まで生きられるのかは不明なので、これが動機だとは言えない。
とはいえ、現状1と2は否定要素が多く、
3のグランマへの昇進がメリットとして大きなものであると考えられる。
ウィリアム・ミネルヴァとは?

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、最後に登場したウィリアム・ミネルヴァについて。
現状謎が多いため、この人物について考えていく。
分かっていること
まずは、ウィリアム・ミネルヴァについて分かっていることをまとめていく。
1.本を通してメッセージを残している

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
ウィリアム・ミネルヴァがGFハウスへ本を寄贈したと考えられる本に、
何らかのメッセージが残っているようだ。
1冊ではなく、複数残していることが分かっている。
彼の寄贈した本には、フクロウのイラストが書かれた蔵書票がついている。
ここから、少なくとも農園へと本を寄贈する人間がいることが分かる。
ただし、農園の内情を知っているかは不明。
2.食用児の味方である可能性が高い

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
エマいわく、「食用児の味方かもしれない人」。
上記のメッセージにて、食用児にとって有益な情報を与えていると考えられる。
つまり、上の段階では農園の内情を知っている可能性は低かったが、
「食用児にとって有益なメッセージを伝えている」ということは、
GFがただの孤児院ではなく、「農園」であることを知っている存在だと考えられる。
疑問点
1.どんなメッセージなのか?
まず、エマは「メッセージを隠している」と言っているが、
一体どのようなメッセージを伝えているのか?
要素としては以下の通り。
a.味方であることが分かる要素がある
まず、「味方」とエマが判断していることから、
何かしら農園や鬼に関わることを伝えている可能性が高い。
b.全てを伝えている、あるいはエマたちが全て読み取れているわけではない
しかし同時に、「味方”かもしれない”」という曖昧な表現を使っている。
これは敵か味方か判断がつかないということではないだろう。
敵の場合、基本的には子供の目につく場所に置く必要はないからだ。
飼育監に向けたものだとしても、やはり子供が気づきうる場所へ置き続ける必要がない。
そのため、「味方かもしれない」という表現を使っているのは、
非常に断片的な情報だからである可能性が高い。
それは全てを伝えていないか、あるいは読み取れていないかのどちらかだろう。
情報の種類としては、以下の2パターンが考えられる。
a.鬼についての情報
まず1つは、鬼についての情報。
しかし、この場合メッセージに気づいた場合、
すぐに「味方」だと断定できるだろう。
また、いきなり「鬼」などの情報を与えたところで、子どもたちは信じないからだ。
ただし、危機感を持たせなければ聞き流されてしまうのも事実なので、
「殺される」など、農園に関しての脅威を伝えている可能性はある。
b.外の世界についての情報
もう1つは、外の世界についての情報。
こちらの方が可能性は高いと考えられる。
味方だとすると、外の世界への行き方などを示唆することで、
興味をもたせるというのは自然な流れ。
また、外の世界の情報についてならば、エマたちが読み取りづらいため、
「味方かもしれない」という表現にもなりやすいかなと。
2.どのように伝えているのか?
「メッセージを隠している」ということで、直接的なメッセージではないことが明らか。
味方であるならば、鬼や飼育監に見つかってはならないから当然。
問題はどのように隠しているのか。
飼育監にバレずにメッセージを伝えるということで、
内容で察せられるものではないだろう。
飼育監が小さい子供に読み聞かせるパターンも考えられるからだ。
となると、複数の本を組み合わせるとメッセージになるという方法が考えられる。
これならば発見のリスクが少なく、解読が完全にできていないことにも説明がつく。
しかし一方で、発見のリスクが少ないということは、
気付く可能性も少ないということで、これはこれで有効とは言い難い。
そのため、本の内容などの情報がない以上、
現状では判断できないと言っていいだろう。
3.フクロウの意味はあるのか?
そして、蔵書票に書かれているフクロウ。
これが何を示すのかも考えてみる。
現在観測できる範囲ではどの本のフクロウも大きな変化はないため、
このフクロウによってメッセージを伝えているわけではないようだ。
このフクロウ自体に意味があるかを考えてみたが、
フクロウは知恵の象徴である、など一般的な意味合いがせいぜいで、
現状これ自体にミネルヴァによるメッセージや、何かしらの意味を見出すのは難しそうだ。
カバー下
図書室にて、フィルが”HARVES”という文字列と、W・ミネルヴァのフクロウの絵を描いている。
それに加え、何者かの左腕が”promised B06-3”と記しているイラスト。
それぞれの要素について考えていく。
1.W・ミネルヴァのフクロウ
フィルが蔵書票のフクロウのイラストを描いている。
周辺の円も描いていること、
そしてその円をもう1つ描いていることから、
この円自体がメッセージである可能性がある。
しかし、現状ではどのように伝えているのかは判断できない。
2.”HARVES”
そして、HARVESという文字列を書いている。
基本的には、HARVESという単語はないため、
”HARVEST”(収穫)であると考えられる。
農園の鬼も「収穫」という表現を使っているため、
ウィリアム・ミネルヴァが農園の実情を知っていて、
それを伝えている可能性が高いといえるだろう。
3.”promised B06-3”
何者かが書いている文字列。
今のところ、この文字列や、それに関連する事項は本編で登場していない。
現在分かる情報としては、文字を書いている人間は左利きで、スーツのような服を着ていること。
少なくともハウスの子供や飼育監の着ている服ではないため、
本部、あるいは農園外の人間である可能性が高い。
そして、もしこれがミネルヴァの伝えたメッセージだとすると、ある程度説明がつく。
すなわち、エマたちが「味方”かもしれない”」と曖昧な表現をしたのは、
この「promised B06-3」というものの意味が分からないからではないかと。
なので、現時点で考えられるのは、
このメッセージを書いているのは本部、あるいは農園外にいる人間である、
ウィリアム・ミネルヴァである可能性が高いこと。
そして、フクロウの周りの円によって、「収穫」や「promised B06-3」
というメッセージを伝えているのではないか、ということだ。
おまけ漫画・ページ
そして、本編外のおまけ漫画や付属の資料などについて考えられることをまとめていく。
6歳以下の子供リスト
本編にてメインで触れられていない19人の子どもたちのリスト。
名前や年齢、ナンバーや性格などがまとめられている。
ただし、この坊主頭の子供だけまとめられていない。

約束のネバーランド 2巻より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
何か意図があってのことかもしれないが、
現状目立った描写はなく、怪しい動きも見られない。
ノーマンの過去
子供時代のエピソードが描かれた4コマ漫画。
病弱だったとされているノーマンが風邪をひく。
風邪だけでこれだけ大きな騒動になるということは、
病弱と言っても(少なくともこの時点では)大病を患うといったような状態ではなかったようだ。
他の巻についてのまとめ
単行本1巻収録のストーリー・カバー下などの解説・伏線・謎・考察まとめ
単行本3巻収録のストーリー・カバー下などの解説・伏線・謎・考察まとめ