週刊少年ジャンプ 2019年31号
約束のネバーランド 第140話 来たよ! より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
140話でついに、エマだけが昼と夜へ到達し、 と対面した。
いよいよ当初の目的だった新たな約束を結び直す段階まできた。
が、まだ「もう1つの約束」の詳細、そして約束結びなおすための条件、どんな約束を締結できるのか、といったことなどについては一切明らかになっていない。
とはいえ、七つの壁やその先、昼と夜の概要など明らかになってきている情報はあるため、そこからもう1つの約束や、結び直す約束についてもヒントが増えてきている。
なので改めて約束の再締結について考えていこうと思う。
その過程で、鬼のボスの力や昼と夜の特性などについても掘り下げていくので、結果的に鬼のボスの秘密についても掘り下げることとなったので、そこもぜひ期待してほしい。
ヒントになりそうな情報
まずは、もう1つの約束や約束の再締結について、分かっていることをまとめていく。
ヒントになりそうな情報は以下の通り。
【事前情報・七つの壁を目指すと何があるのか?】
まず、七つの壁へ行くきっかけとなった情報について精査していく。
1.七つの壁を目指すと、エマの望む未来が叶う
2.約束を結び直す根拠、ヒントとなるのが「もう1つの約束」
【実際の七つの壁・昼と夜・鬼のボス】
そして、実際に七つの壁を超えた結果、一体何が見えてきたのか? ということをまとめていく。
3.七つの壁へ向かう扉は、向かう者を強制する記述はない
4.七つの壁・時空は意志によって時空を操れる空間
5.レイを現実世界へと戻した
6.鬼のボスは、エマに目的を尋ねた
それぞれ簡単に説明していく。
1.七つの壁を目指すと、エマの望む未来が叶う
まずは、七つの壁を目指すきっかけとなったいくつかの情報をまとめていく。
大まかな情報源としては、ジェイムズとの電話、ペンのチップによる情報、そしてムジカ。
それぞれ、どんなことを言っていたかをまとめていく。
a.ジェイムズ→少人数で逃げる、鬼との戦争を起こす。望む未来がどちらでもなければ七つの壁を探しなさい
b.ペンのチップ→鬼のボスに会って約束を結び直せば、鬼のいない世界へ安全に逃げられる
c.ムジカ→七つの壁を探しなさい、あなた達の望む未来はその先にある
この3つの情報をもとに、エマは七つの壁を目指すこととなった。
これだけでは、エマの望む未来に合致しているかというと、実はちょっと難しい。
この時点での情報では「鬼のいない世界へ安全に逃げられる」というだけで、「全食用児の解放」というエマの望みまで叶うかは分からないからだ。
それでも、全ての食用児を解放できる(あるいはその望みがある)と判断してエマが行動しているのなら、約束の詳細として、「全ての食用児を救う」ようなものがあるのかもしれない。
2.約束を結び直す根拠、ヒントとなるのが「もう1つの約束」
そして、ペンの情報を見た際に、ナットが疑問を呈している。
「約束を結び直すなんてそんな大それたことができるのか。鬼だって人間を食べたいはず」と。
それに対して、交わされたもう1つの約束がヒントになると答えている。
すなわち、「もう1つの約束」は、「約束を結び直すための約束」である可能性が高い。
3.七つの壁へ向かう扉は、向かう者を強制する記述はない
では、実際に七つの壁へと向かって何があったのか、ということについて。
まず、入り口である扉には、ここから先は戻れない。戻りたければ引き返せという文章が書かれている。
ここから分かることとして、鬼のボスは一切扉の先へ向かうことを強制していないし、罠のようにハメるつもりもないということがある。
つまり、この扉の先、七つの壁は行こうとする鬼・人間が自発的に行く、目指す場所であると考えられる。
ということは、この先にたどり着くことで何らかのメリットがあるということが推測できるだろう。
4.七つの壁・昼と夜は意志によって時空を操れる空間
そして、実際に七つの壁を超えるには、意志によって時間を巻き戻すことが条件となる。
そういった空間の中で、意志が介入できることに気づくことができたもののみが、昼と夜へ到達し鬼のボスと対面できる。
エマが到達した昼と夜では、鬼のボスが姿を小さく変化させていた。
つまり、この空間においても意志によって時空を自在に操れるものと考えていいだろう。
それに、「ここにはなにもないけどなんでもある」というものも、記憶・意志によって空間を操れるということの根拠となる。
5.レイを現実世界へと戻した
その上で、レイは穴を通過した後アジトへと戻されている。
鬼のボスが「かぞくのもとへかえったよ」と観測していることから、彼の力によって飛ばされた可能性が高いだろう。
つまり、鬼のボスは現実世界への干渉もできるということが考えられる。
6.鬼のボスは、エマに目的を尋ねた
エマが昼と夜へ到達した際、鬼のボスは「きみはここになにしにきたの?」と尋ねている。
これはけっこう重要だと思っていて、
鬼のボスにとっては「人間が昼と夜へ来る=約束を結び直すことが目的」ではない
ということなのではないかと。
もう少し詳しく説明する。
もし、人間が昼と夜へ来る理由が、「約束を結び直す」ということだけであればこの質問はしないだろう。
すぐに、約束を結び直そうという話になるはずだ。
そうじゃなく、目的を尋ねたということは、鬼や人間が昼と夜へ来る目的が「約束を結び直す」ことだけではないということを意味するのではないかと。
というわけで、もう1つの約束や昼と夜は、「約束の結び直し」以外にももっと広い役割を持っているのではないか?
という仮説が浮かんだので、そのあたりについて考えていく。
もう1つの約束や、昼と夜・鬼のボスの役割とは?
それでは、もう1つの約束や七つの壁で達成できることについて考えていく。
これまでの通説では、やはり「大人数で鬼の世界から逃げられる」というものだった。
だが、情報を整理しているうちに、これが一側面でしかない可能性が出てきた。
つまり、もっと広い意味で「願いが叶う」システムなのではないかと。
根拠としては以下の通り。
1.なにしにきたの?
まずもっとも大きいのは、やはり鬼のボスよるこの質問。
もし、七つの壁を超えた先にできることが「約束の結び直し」であれば、この質問はしないはずだ。
それしかできないのであれば、人間が七つの壁を目指す理由などそれしかないわけで、すぐに約束を結び直すという会話になるのだから。
2.本来鬼が目指す場所である
そして、寺の天井絵を見るに、本来七つの壁を目指すのは鬼である。
ということは、鬼がたどり着いてメリットのある空間のはずなのだ。
約束の結び直しを望む鬼は基本いないだろうし、別のメリットがある空間であることは間違いない。
その上で、一体どんな場所なのか?
鬼のボスや竜の目、昼と夜の特性を考えると以下の通り。
a.鬼のボス→意志によって時空を操る。現実世界にも干渉しうる。
b.竜の目→望む未来を見る。
c.昼と夜→意志によって操られる。過去の光景を見ることが可能。
(エマが当時望んだ、七つの壁へのヒントを見せた可能性もあり)
というこれらの特性を考えると、およそ不可能なことがない。
つまり、昼と夜へと到達したものは、「願いを叶える」、あるいは「その力を行使できる」というものではないかと。
そして、もう1つの約束はそれを保証する約束で、「七つの壁を訪れたものは、鬼のボスと対等になる」といったものではないかと考えられる。
以下に結論をまとめた。
結論
昼と夜で約束を結び直せるのか、そしてもう1つの約束とはなにか?ということについて、鬼のボスなどの情報をふまえた上で考えた。
今までは「鬼の世界から食用児が逃げ出せる」という行動を保証するものと考えていたが、鬼のボスがエマに目的を聞いたことから違和感を抱いた。
なぜなら、人間が昼と夜へと到達=約束の結び直しという構図があるのであれば、目的を聞く必要はないはずだ。
ということは、昼と夜へ到達するともっと大きな、多様なことが可能になるのではないかと考えた。
その場合、鬼のボスや昼と夜の特性を考えると、時空を意のままに操り、望むものを見て、現実世界にも干渉しうる。
そういったことが可能になるのであれば、「願いをかなえる」「鬼のボスの力を行使する」といったことが到達の報酬なのではないかと。
そして、もう1つの約束は人間のそういった行動を保証する、ということなら説明が付きそうだと考えている。
おわりに
本日22時より配信予定。
140話について考えたこと(ギーランや五摂家など)を話すのでぜひ。