週刊少年ジャンプ 2020年3号
約束のネバーランド 第161話 Never Be Alone より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
161話にて、ピーターがアジトの食用児たちをGF農園に移送したことが判明。
エマたちはそれに対応し、GFに向かってみんなを助けることを選択した。
しかし、相手はピーターと2000の王兵。
対してエマたちの戦力は乏しく、負傷した戦闘員を含めて10数人。
彼らだけでアジトにいた数百の食用児と、GFの食用児たちを救出するというのは至難の業。
なので今回は、エマたちがGF農園にいる食用児たちを、ピーターから助ける方法について考えていく。
ヒントになりそうな情報
まずは、現在分かっている情報から、ヒントになりそうなものをまとめていく。
重要なのは以下の点。
1.ピーターは調停役として、女王に食用児を献上しようとしている
2.2000の王兵を使い、数百の食用児を連れ去ってGF農園で食用処理するのを狙っている
3.女王・五摂家は既に死亡している
4.エマたちの戦力は乏しい
5.GFへつながる道は本部の橋のみ。周囲は崖になっている
それぞれ簡単に見ていく。
1.ピーターは調停役として、女王に食用児を献上しようとしている
アジトの食用児を連れ去ったのは、ピーター・ラートリー。
彼はモノローグより、「二世界間の調停役」として、「2つの世界の秩序」「人間世界の安寧」を維持しようとしている。
そのために、約束を破る要因となる、脱走し反逆した食用児を秘密裏に処分しようと動いている。
具体的な手段として、彼は女王にだけGPやラートリーの失態を明かす。
レグラヴァリマにだけ、フルスコアたちを献上することを約束し、他の貴族に失態が漏れないようにすることで、人間側が約束を破ったことを広めないようにする、というものだ。
そして実際に、アジトを襲撃しそこにいた数百の食用児を連れ去ることに成功した。
2.2000の王兵を使い、数百の食用児を連れ去って、GF農園で食用処理するのを狙っている
ピーター・ラートリーは、2000体の鬼を使いアジトを襲撃。
連れ去った脱走食用児たちを連れ、GF農園に向かっている。
女王に近しいイヴェルクの管轄農園のため、騒ぎを大きくしないまま、食糧として献上する準備が可能だからだ。
3.女王・五摂家は既に死亡している
ただし、鬼社会を牛耳る存在であったレグラヴァリマや五摂家たちは、残らず死亡している。
これを把握していれば食用処理を行う必要性も薄い。そもそも、献上する相手がいないのだから。
その上で、ラートリーたちはGFへ向かった。
それはつまり、彼らは未だに女王の死亡を知らない、確認できていない、信じていない。このいずれかであるということ。
女王や五摂家の死亡を知った場合、行動が変わる可能性がある。
4.エマたちの戦力は乏しい
ラートリーや王兵に捕まらず、今行動できるのはエマたち王都組の10数人。
ラムダの戦闘員たちも負傷しているため、実質行動できる人数はかなり少ない。
が、エマの方針としてすべての食用児を助けることが大前提。
なので、GFに向かい、みんなを助けることを決断している。
武装として銃や弓矢はあるようだが、2000という王兵の前では無力だろう。
そのため、彼らは正面から向かわず、GFに潜入するという方向で考えているようだ。
5.GFへつながる道は本部の橋のみ。周囲は崖になっている
潜入するにあたって、GFへ入るルートは一つ。
本部と周囲の森を結ぶ、一本の橋だ。それ以外のルートはなく、周囲は断崖絶壁でつながっていない。
エマたちが脱走した時のような崖側を糸で結び、すべりおりるようなことも、今回は高低の位置関係が逆なため難しい。
その上で、エマたちはミネルヴァからの情報によってGFの設計図を得ている。
薬を盗むために潜入した農園のように、水道のような隠しルートがあれば、そこから潜入する事が可能だろう。
(あるかどうか、に関しては現状一切不明)
というのが現状だ。
助け出すと言っても、まだ分からない事が多い。
ピーターはGFへ行ってどう立ち回るのか(2000の王兵の采配)、対面した際どんなスタンスをとるのか。
そして、エマたちはそれに対応する形になると思うので、
それぞれの目的をはっきりさせて、それを元に「どんな行動をしそうか」をまず考えていく。
それぞれの目的・予想される行動
まずは、ピーター、エマの両陣営の目的と、それを叶えるためにどんな行動をするのか、を考えていく。
「何を考えているのか」→「何が起きそうか」という流れを、おおまかに想像して行こうと思う。
ピーター・ラートリーの目的・行動
まず、ピーター・ラートリー側の動きについて。
目的はやはり、「2つの世界の調和を維持する」ことによって、「人間の世界の安寧を守る」こと。
これは要するに約束を破らないように、破られたとするならそれが広まらないようにする、ということになるだろう。
だからこそ、ピーターは脱走児を処分するために動いている。
脱走児は人間が約束を破った(ジェイムズの裏切り・手引・GPの作成など)ことの証拠である。彼らの存在を広まる前に抹消することが必要だからだ。
そして、今回の場合広まらないようにするために女王だけに秘密を明かした。
彼女に秘密を守ってもらうために脱走児をすべて献上する必要があった……というのが、目的と今回までの行動の理由だ。
その上で、GFではどのように立ち回るのか?
a.エマたちの情報を手に入れる
ピーターは全ての食用児を献上しなければならない。
そのため、エマやノーマンといったアジトにいなかった食用児も確保する必要がある。
実際、アジトにも待ち伏せの鬼がいたため、別働隊の存在も考慮しているだろう。
なので、その場にいない食用児の行動をどうにかして把握することになるだろう。
そのために、食用児を拷問するなどして情報・行動を聞き出すということをしているだろうし、王兵の一部をアジトや農園周辺に配置し、エマたちを探すということになるだろう。
つまり、戦力はある程度分散することが予測される。
b.襲撃を想定はするが、目立たないように立ち回る
逆に、待ち伏せ鬼から情報を引き出され、エマたちがGFにやってくるということも想定しているだろう。
なので、入り口の警戒はもちろん、脱走したときのようにそれを逆手にとられないよう、周囲の森にもある程度警備を出すだろう。
しかし、それでも目立つ戦闘行為などは避けたいはずだ。
というのも、GFで処理することを選んだことから他貴族の目を気にしている。
実際、今回の件が万一バレてしまえばすべてが終わり。二世界は戦争となりラートリーは役目を果たせないからだ。
なので、警備はあるだろうが、大規模な戦闘はできないだろう。
このあたりを踏まえてみると、”2000の王兵”というのはあれど、それがすべて立ちはだかるわけではなさそうだ。
農園内に入りきる数ではないだろうし、あまり目立っても農園職員に怪しまれる。
なので、戦力は分散するだろうし、周辺の警戒も派手に行うことはできないだろう。付け入るとすればそのあたりだろうか。
エマたちの目的と行動
それでは、エマたちは何のために動いているのか?
やはりこれは「すべての食用児を救出し、両種族が安心して暮らせる世界を作る」こと。
そのために、あのお方と「全食用児を人間の世界へ。その後、世界間の行き来を不可能にする」という約束を結んだ。
だから、今まさに連れ去られた全食用児は救い出す。
そして、GFハウスに行くとなったら、そこにいるかつての家族をも救い出す……ということが考えられる。
つまり、アジトの数百の食用児に加え、GFの200人規模の食用児も助け出す……というケースもありうるという状態だ。
その上で、ラートリーたちに対応してどう救い出すのか?ここを考えていく。
GF農園で、どうやって食用児を助け出すのか?
それでは、一体どうやって助け出すのか?ということを考えていく。
1.毒を使う
まずは、ヴィンセントが作り出した、退化を促す毒。
これを使うことができれば王兵、および職員の戦力は下がり、知性を失うため防衛の突破が叶う可能性が上がる。
戦うのであれば最も有効で、現実的だろう。
……しかし、エマたちはそもそもこの毒を由とせず、退化した鬼を救うために動いている。
ので、ここで使うとは考えづらい。
また、使ったとしても退化した鬼が暴れることは明らか。
危険なことに変わりはないし、周囲や内部に騒ぎが知れると潜入の成功率は結果的に下がってしまうだろう。
潜入後使うと、内部の食用児を逃がす際に危険も伴う。考えづらそうだ。
2.説得する
女王が死んだこと、邪血が生存しているため、それを使えば争う意味がないということを、ラートリー、あるいは鬼に広めることで味方につける、というパターン。
が、これも考えづらい。
鬼側としてはこれは人間を襲う口実になるし、ラートリーとしてはいよいよ食用児を処分するほかなくなる。
知った上で放置すれば3つのルールの違反となるだろうし、王兵などの前で女王殺しを許容したとなると、自分たちの身すら危ないからだ。
3.潜入し、警備の薄いところを突っ切る
対面して戦うということは基本無理で、かといって説得も不可能。
であれば、気づかれないように潜入し、意表をついて食用児を奪還。
警備が薄いところを、数百人の食用児で押し通る、ということになるだろう。
潜入の具体的な方策は、正直現状では検討不可能。
エマたちの持つ、GFの設計図(入り口、隠しルートの有無、周辺の森の状況)次第だからだ。
周辺で野良鬼をおびき寄せる、GF内部の食用児に脱走騒ぎを起こさせるなどの方法によって、警備をそちらに割かせる……といった作戦は実行できうるため、警備の薄い箇所を作り、その上で侵入するというのが妥当だろう。
以下に結論をまとめた。
結論
GFで食用児を処分しようとしているピーターから、どうやってみんなを助け出すか、を考えてみた。
結論としては、具体的にはわからんけど「潜入して警備の薄いところから抜け出す」というざっくりとしたところまで。
というのも、戦闘行為は戦力差があるためほぼ不可能。毒も使いづらいだろう。
説得も、ラートリーの目的や鬼の視点からみるとできるわけがなかった。
そうなると、潜入するほかない。
幸い、2000の王兵すべてが立ちはだかるわけではない。
農園自体には入り切らないことや、他貴族にバレないようにすること、エマたちの捜索などの要因から、実際にはかなり分散するはずだ。
であれば、野良鬼を使ったり、内部で食用児を蜂起したり、潜入班から囮を用意したりすることで、警備を突破することはできるだろう。
あとは、エマたちが持つというGFをの設計図次第。入り口が他にあるならそこを狙えばいいし、橋しかないなら橋の警備をどうにかする、といった感じだろう。
おわりに
配信します。
こんにちは。
アジト襲撃は儀祭前と言う前提で、エマとピーターの動向を改めて考えました。
○ピーターの動向
・王都襲撃を知ったら→ギーランの事を知らないし、エマが止めに行った事まで聞いてるかもしれないので、基本鬼側が倒される事はないと思ってそう。でも万一五摂家にばれるといけないので、一部兵を王都に戻らせてそう。兵からの連絡か女王と連絡が取れない事で女王の死を悟る、アジトに脱走児が戻らない、と言う状況になってエマ達がGFに向かう事に気付くのでは。ならばピーターが情報を掴む前なら隙をつけそう。女王の死が知られれば鬼兵が脱走児を喰う危険もあり、それも心配。
・女王の死に気付いてるか→儀祭までに片をつける約束なので襲撃後すぐに女王に連絡を入れそうですが、女王生存中に連絡してたらノーマンの件を教えるはず。と言う事はまだ連絡を取ってない(直接出向くしかないのかも)しかし、女王死亡が鬼兵に知れたら自分も危ないので、既に知ってて黙ってるパターンもありそう。
○エマのピーターへの対処→逆算を…。最終的にエマは人間界に行きたい。その為にはピーターを倒さなくてはいけない。ただ、殺しはしないと思います(大人か鬼に殺される可能性はあり)作品的になさそうなのと、ピーターを殺しても人間界に行けば腹心が邪魔をする可能性があるので、殺さずこれからの事を交渉する展開もあり得ると思います。そのためには約束に抵触しない=二世界間の平和を維持する方法を提示する必要があります。全鬼を邪血化した上で世界を閉じるのがその方法かと思いますが、邪血化には新王やピーターの協力も必要なので簡単ではありません。これは邪血の存在を知ってピーターの考えに変化がある可能性に賭けたい所。王都の鬼の邪血化を知るか脱走児の証言で、近いうちに邪血を知る事になると思います。今までは鬼の体質のため食用児は必要な存在で、食用児が人間界に=鬼が追いかけてくる=人間界の安寧が守れない、だったと思いますが、邪血とエマの約束により解決出来そうです。それでもピーターは身内を殺してここまできてるので、うまく鬼と縁が切れる方法があっても簡単には納得せず、新王を立て意地でも農園を継続させる可能性の方が高いと思います。ピーターの心を救う事が鍵になるのかも。もしかしたら、困った時のエマ節であっさり解決するかもしれないですね。
>くどうさん
いつもコメントありがとうございます。
◆◆ピーター◆◆
基本的には女王の死に関しては知らないでしょうね。
連絡するのであればアジトで確保した段階で一報は入れそうです
(儀祭中だからしないというのはありそうですが、それならそれで知り得ないでしょうし)。
GF農園へ移送したということは、まだ存命想定の動きでしょう。
知っていて黙るパターンもあるかもしれませんが、
◆◆エマの対応◆◆
邪血で理屈上では一応問題はないはずなんですが、調停役としての責務が問題なんですよね。
結局鬼に反逆した(=秩序を既に乱した)のは事実なわけで、裁かなければルールに抵触する……というのが解釈として正しいと思うので。
そうなると結局エマたちを殺す→エマたちが抵抗、あるいはさらなる譲歩、対処をする……って形になりそうです。
現状、ちょっと切れるカードはなさそう。ピーターの対応を見なければ考えようもないところかなと。