エマたちはピーター・ラートリーと接触してどうするのか?戦うのか、交渉・説得するのかを考察

週刊少年ジャンプ 2020年12号
約束のネバーランド 第167話 鬼さんこちら より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



167話では、GF農園に潜入したエマたちが内部の鬼を対処。

エマたち3人がピーター・ラートリーがいるという応接室へと向かった。



……しかし、彼に会って一体何をしようというのか? そこがいまひとつ見えてこない。

戦って彼らを駆逐し、GF農園を占拠するのか?

それとも、ラートリー家と何らかの交渉や説得を行い、味方に引き入れるのか?

あるいは、全く別のやり方で彼らの裏をかくのか?


どれもあり得る話なので、今回はエマたちがピーターと面会して何をしようとしているのかを考えていく。



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ヒントになりそうな情報


まずは、現状の確認から。

今分かっている情報と、そこからヒントになりそうな情報をまとめていく。


1.エマたちの目的

2.ピーター・ラートリーの目的

3.GF農園の警備状況



それぞれ簡単に見ていく。


1.エマたちの目的


エマたちの目的は、「食用児を全員救い、鬼も絶滅しない状況を作る」こと。

そのための行動として、

a.あのお方と約束を結び、食用児を全員人間の世界へと連れて行き、その後行き来を不可能にする

b.邪血を流通させ、食用児がいなくても鬼が知能を維持できるようにする


ということを計画した。



2.ピーター・ラートリーの目的


一方で、ピーター・ラートリーたちはかつての約束の調停役としての役割を担っている。

つまり、人間・鬼の両種族が「お互いを狩らない」という約束を破らないように監視するということ。

これは、あのお方によって指定された”ごほうび”として強制されているものである。

ピーター自身は「人間世界の安寧」のために動いている部分があることがモノローグから分かっている。


その上で、女王が死んだ状況を利用し、鬼の世界を自分たちの統轄下に置いて支配することも目論んでいる。

そのために、女王を殺したエマ達を討伐して鬼からの信頼を得ようとしているし、農園による支配を妨げる邪血を処刑している。


このように使命感と私欲の両方が彼からは観測されている。そこを考えると、説得は困難というのが現状だろう。


3.GF農園の警備状況


エマたちの侵入を予期したラートリーたちはGF農園内の警備を強化。

ただし、農園内部の鬼はオリバーたちによって一箇所に閉じ込められた。

ピーターのいる応接室には、せいぜいラートリー家の護衛、またイザベラがいる程度と考えられる。

とはいえ、ラートリー側にはGFの食用児たちというエマたちに対して有効な人質がいるため、そこを救い出す必要があるだろう。



ここまでが現状だ。

これだけ見ると説得の余地は当然ないし、心境などを考えなければ、人間の護衛であれば鬼よりも戦いやすいと言える。

とはいえ、単純に戦って倒しても解決できるかというと、それもまた難しい。

というわけで、ピーターたちに対して一体どうするのか?ということを深く考えていく。







エマたちはピーター・ラートリーに対してどうするのか?


それではいよいよ、エマたちがピーターと対面して何をするのか?ということについて。

考えられるパターンは大きく分けると、

1.戦ってラートリーを殺す

2.ラートリーを説得し、平和的に約束を履行する

3.その他


という3つになるだろう。それぞれ考えていこうと思う。


1.戦ってラートリーを殺す


まずは単純に、ピーターのいる応接室へと乗り込み、彼を殺すというパターン。

とりあえず、メイン戦力となる鬼は彼のもとには現状おらず、せいぜいが人間の護衛くらい。

であれば、数や武装に相当の差がなければ十分戦えるという見方ができるだろう。

何故なら、鬼のほうが本来強いはずで、そこと渡り合えるならば人間のほうがむしろ特定の部位を狙わなくて良い分楽に相手できるはずだからだ。



……しかし、事はそう単純ではないと考えている。

まず、単純に心境としてエマたちは人間を撃ちづらい。現にエマたちはアンドリューを撃てなかった。

ピーター・ラートリーを殺したとしても、それだけですべてが解決するとは限らない。

人間の世界のラートリー家の身内などに遺恨が残れば、人間の世界へ向かっても食用児が安全に暮らせる保証はない。

そして何より、農園にいる食用児がすべてエマたちに対する人質となる。

農園を管理するラートリーに手を出せば王兵たちも敵に回すため、容易に手出しはしづらいだろう。


2.ラートリーを説得し、平和的に約束を履行する


じゃあ対話によって何か解決することはできるのか?

これはこれで、彼らの目的が平行線に限りなく近いため難しい。

エマたちは人間の世界へ行く。そうなれば農園は成立しない。つまり、ラートリーたちによる支配は一切果たせない。

調停役としての仕事もなくなるため、もし人間の世界でこれによる地位を確立していたとすると、それも失ってしまうことになるだろう。


となると、交渉するならばラートリーに「鬼の世界の支配」以上の価値を与える事が必要になるだろう。

要するに、鬼の世界を支配するよりもいいことがあれば、そっちをとるはずだ、ということだ。

しかしそれは難しい。

鬼の世界を支配するということは、そこにある資源を手に入れることができるということ。鬼を労働力として使うこともできるだろう。

更には、ラムダのような人体実験施設にて、人間の世界ではできないような非合法の実験が可能となり、それを利用してすることも可能となる。

つまり、現状調停役という立場はかなり美味しいし、支配下におくことができれば更に利益を得ることができる。

それを失うということはよしとしないだろう。人質がいて立場が弱いことも含めると、平和的に解決するというわけには行かなそうだ。まだ戦う方がマシだろう。



交渉はおそらく論外。戦うにしても人質がいることに加え、王兵や鬼を敵に回すことになる。

では、どうするか?

考えてみたところ、望みがありそうなのは「ラートリー家の信用を落とす」ことではないかと考えている。


3.ラートリー家の信用を落として仲間割れを起こす、あるいはそれを利用し彼らを脅す


逆にラートリー家の信用を落とす方向で鬼や飼育監を味方につける、あるいはそれらを餌にラートリー家を脅すという方法があるのではないかと考えている。

つまり、鬼にとってラートリー家は害悪であり、彼らを信用してはいけない。

そういった弱みを暴露するという方向で鬼を味方につける、あるいはそれをチラつかせて交渉の材料にするということだ。


具体的な方法としてはいろいろありそうなので考えていく。

a.邪血を隠し、高級農園を廃止するなどのアコギなやり方を広める

まずは、ラートリーが鬼を利用しようとしている事実を広めるというやり方。

邪血が鬼にとって良いものであることを隠していたこと、そしてそれを処刑しようとしたことを暴露することをチラつかせる、あるいは王兵や農園の鬼に共有する。

そうすることで仲間割れを起こす、あるいはピーターの立場を弱くすることが可能。

ただし、それが真実だと証明するためには時間がかかるため、鬼に広める前に殺されうるというのが難点。


b.”ごほうび”を破っていたことをあのお方へと告げる

そして、3つのルールを利用した方法。

3つのルールによると、「約束を破ることはできない」し、「ごほうびは拒否できない」。

その上でラートリー家は、二世界が約束を守る調停役をすることになっている。

が、先代のジェイムズ・ラートリーは完全に約束を破っている。人間側が約束を破るように脱走を扶助し、GPやシェルターのような施設を作った。

更に、ピーターたちも脱走児がいることを知りながら、王都が襲われ人間が鬼を狩っているのを未然に防ぐことができなかったなど、調停役としての役割を果たせているとは言い難い。

そのあたりをあのお方へと突きつけることによって、何らかの罰則を与える……という方法もあるかなと。

とはいえ、どんな罰則があるのか判然としないうえ、ピーターのもとへ行く必要も現状ないため、考えづらそうだ。



c.約束を暴露し、飼育監たちを味方につける

別働隊を利用し、飼育監に「人間の世界へ行ける」という事実を伝えて反乱を起こす。

この場合、心臓のチップがあるためギリギリまでラートリーに隠す必要がある。

しかし成功すればかなり虚を突けるためかなりアリ。プラントにいる食用児たちをも救い出せる(飼育監を味方に引き入れるため)ことが魅力。



というわけで、交渉は無理だが、人質もいて戦いづらい。

そのあたりを解消する手段として、別働隊を利用し飼育監を約束によって味方に引き入れて戦いやすくする、というのがアリかなと考えている。

以下に結論をまとめた。




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結論


ピーター・ラートリーのいる部屋へと向かったエマたちがどうするのかということを考えてみた。

戦うのか、それとも交渉するのか。あるいは、他の方法でなんとかするのか。

基本的に、交渉は難しいだろう。何故なら、調停役という立場による利益がでかすぎる。これを手放すような条件は早々出せないだろう。


となると、戦うことになる。それ自体は実はそんなに悪くない。

人間が護衛を務めているくらいだろうから、そんなに強いわけではないと予想できる。

ただし、GF農園で育てられている家族が人質になってしまううえ、人間を殺すという心理的な苦しさもあるだろう。

となると、なんとかして彼らを抑え込むような方法を考えたい。


そこで彼らの信用を落とすという方法があるかなと。

あのお方に調停役としての仕事が不十分であることを告げる、王兵に不信感を抱かせるなどの方法があるが、一番やりやすいのは、もう1つの約束を利用し、飼育監を味方につけること。

”約束”という既にある武器を使えるし、飼育監を味方につけられればプラントの食用児の安全も確保される。

そのあたりを考えると、約束を利用して飼育監を味方につけてラートリーの不意を突く、というやり方がアリかなと考えている。



おわりに


167話の考察放送はこちら。

167話伏線・考察まとめ配信ログ(2020年2月17日放送)








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