「コードSolid」の意味とは?ピーターの行動、ラートリー家の今後から考察

週刊少年ジャンプ 2020年18号
約束のネバーランド 第173話 prisoners より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか




173話では、ピーター・ラートリーとの戦いが決着。

ピーターは自らの死を選び、ひとまずエマたちの約束を遮る存在はいなくなった。

いよいよ人間の世界へ行く障害は消え去った。

更に、偶然とはいえレウウィスによって邪血の流通、統治体制の健全化も叶ったというのが現状(エマたちは知らないだろうから、何かしら連絡手段などが必要になりそうだが)だろう。



であれば、後考慮すべきは人間の世界で一体何が起きるのか。

これに関しては、正直な所情報が足りない。どんな場所なのか、どれだけ発展しているのか、情勢はどうなっているのか……。

ピーターたちの回想で間接的に描かれた程度なので、さすがに考慮のしようがない。

というわけで、基本的に人間の世界については手詰まり。


なので、残る謎としてピーターの言い残した”コードSolid”という叔父へのメッセージ、暗号について考えていく。

このコードSolidの意味、そして叔父に伝えることで一体何が起きるのか……ということについて、ラートリー家の状態や今わかっている情報などから検討していく。




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ヒントになりそうな情報


まずは、ラートリー家や人間の世界についてわかっている情報から、ヒントになりそうなものをまとめていく。

重要そうなのは以下の通り。


1.ラートリー家は調停役として二世界間の平和を守っていた

2.ジェイムズは1000年前の約束の真相を知り、食用児を助けるために動いた

3.ピーターは平和を乱そうとする兄を殺し、当主となった

4.ピーターは自害し、エマたちの約束の履行を認めた

5.ピーターはエマに「叔父に”コードSolid”と伝えるといい」と言い残した



それぞれ簡単に見ていく。



1.ラートリー家は調停役として二世界間の平和を守っていた


ラートリー家は1000年前から、鬼と人間が争わないように調停役を務めていた。

鬼との和平のため、あのお方に「世界を2つに分けてほしい」と願い、その”ごほうび”として二種族が争わないように制御する役割を担わされたのだ。


具体的な手段としては、人間の世界から人材や機材を運び込み、鬼の世界に農園を作り出した。

差し出した仲間とその子孫を食用児として育て、供給するシステムで鬼の食料を満たす。

そうすることで、お互いが”狩らない”という約束を遵守するようにしていた。


2.ジェイムズは1000年前の約束の真相を知り、食用児を助けるために動いた


ラートリー家のこの調停役の役割は、美談として語り継がれ、受け継がれてきた。

ラートリー家は、和平に反対した悪党を差し出すことで平和を作り出した……とされてきたのだ。


しかし、ジェイムズは初代ユリウス・ラートリーの手記を発見する。

そこに書かれた「仲間を裏切り約束を締結した」という真実を知ってしまったのだ。

これによって、ジェイムズは食用児が先祖の裏切りによって生み出された犠牲者と認識。

彼らを救うために、ウィリアム・ミネルヴァを名乗ったり、ペンを作って農園に忍ばせたり、シェルターを作ったり、GPを設立したりした。


3.ピーターは平和を乱そうとする兄を殺し、当主となった


だが、その行為を弟であるピーター・ラートリーは許せなかった。

世界を守るため、兄を裏切り者と断じて殺させた。

そのときから、兄の代わりとしてこの役割をまっとうすることを決意した。


4.ピーターは自害し、エマたちの約束の履行を認めた


ピーターは調停役として平和を守るために約束のシステムを維持しようとした。

五摂家の家臣団と五大農園をトップに据えたり、脱走したエマ達を殺すことによって、農園による支配を維持しようとしたのだ。


が、結果としては惨敗。

王家であるレウウィスが王都に現れたことによって、農園が権力を持つことができなくなった上、邪血の処刑に失敗。

更には「飲めば退化することはない」ということまで鬼に知られてしまい、農園が必須という状態では完全になくなってしまったのだ。

そして、ピーター自身も脱走児たちによって包囲され、彼らに敗北。

最終的に、「人間や人間の世界も、鬼と同じような行為をしている」ことを言い残し、自ら死んでいった。



直前まではエマを殺すことによって、

「全食用児を人間の世界へ移動。それを最後に二世界間の行き来を不可能にする」

という約束を不履行にしようとしていた。

しかし、最後にはそれを止めることはなかった。本気でまずいのなら死ぬ前になんとしても止めるはずだが、そうはしなかった。

つまり、エマたちの約束が履行され、人間の世界へ行くこと、行き来が不可能になることを彼は認めたと言っていいだろう。



5.ピーターはエマに「叔父に”コードSolid”と伝えるといい」と言い残した


また、最後にエマに、「僕の叔父に、”コードSolid”と告げるといい」と言い残した。

これの意味に関しては一切不明。

ただ、エマの約束の履行を防がなかったこと、ラートリー家内部の人間に伝えるように言ったこと、

そして、「あらかじめ”コードSolid”という単語で何かが伝わるようになっている」ことがヒントとなりうるだろう。


どういうことか?まだピンとこないだろうが、以下でいろいろ考えていく。





コードSolidとは何か?どんな意味・役割があるのか?


それでは、”コードSolid”とはどんなものなのか?ということについて考えていく。

とはいえ、現状単語が出てきただけで詳細は一切不明。これだけで何なのか考えろというのは無理がある。

ではどうするか?いくつかの視点から、”コードSolid”について掘り下げて、少しずつ考えていく。

考える取っ掛かりとなりそうな視点は以下の通り。


1.”コードSolid”は一般に伝わらないメッセージ

2.ピーターが”コードSolid”を叔父に告げるよう、エマに伝えた理由

3.”コードSolid”の意味



それぞれ考えていく。


1.”コードSolid”は一般に伝わらないメッセージ


まず、”コードSolid”というメッセージ・暗号が存在する、という事実から分かる事を見ていく。

前提として、”コードSolid”は、それだけでは一般人に意味が伝わらない固有名詞。

その上でそれだけを伝えるようにピーターが言ったということは、叔父にはそれだけで伝わる「あらかじめ準備されていた暗号・メッセージ」と推察できる。

つまり、ラートリー家内部(あるいはその中でも一部)にだけ伝わる暗号である可能性が高いだろう。


ラートリー家において予め用意されているということは、「約束絡みで、事前に何か起こりうることへの対策・対応・メッセージ」と考えられる。

つまり、「食用児が人間の世界へ渡った」、「ピーター・ラートリーは死んだ(自害した)」など。

そういった、「事前に考えられる事態が、実際に起きたことを伝える」ような意味合いである可能性が比較的高めだ。


2.ピーターが”コードSolid”を叔父に告げるよう、エマに伝えた理由


そして、この”コードSolid”という暗号を、ピーターはエマに伝えた。

ここから推察できることは以下の通り。


a.伝わらなければ困るものではない

まず、大前提ピーターとエマたちは仲間ではない。

ピーターが最終的には自害したが、基本的には敵対関係。間違っても味方ではない。

つまり、エマたちが叔父にこの暗号を伝えるかどうかは確実ではないのだ。

そこから考えると、ラートリー家が敗北した、行き来が不可能になった、といった致命的な情報(叔父に伝わらないと困るような情報)を叔父に伝える暗号である可能性は低いだろう。



b.その上でエマたちの道を認めたピーターが伝えた

もっと言うと、ピーターはエマたちの約束の履行を認めた。

未だ約束を認めず、両世界の行き来を維持したいのであれば、ピーターは決死でエマを殺そうとするはずなのだ。

もう約束は履行される土台ができてしまっているため、彼が最終防衛ラインだからだ。

そういった抵抗をしていない以上、約束の履行自体を彼は防ぐ気はない。

つまり、食用児が人間の世界へ行くこと。世界の行き来ができなくなることを、ピーターは認めた。

こうなった以上、ラートリー家はもはや調停役としての立場を失うのは確定である。


ここから、この先何か報復を促すようなメッセージである可能性はかなり低いと見ている。

何故か? エマたちが憎い、殺したい、報復したいのならば、エマ達を死にものぐるいで殺しに行くのが最善だからだ。

「ここでは殺せないけど、”コードSolid”によってより確実にエマ達を苦しめられる」という選択では、調停役という立場を失うことが確定してしまうのだ。

そのあたりを考えると、ラートリー家がエマたちに対して報復をするような暗号である可能性は低いと考えられる

(また、食用児にはナンバーがあるため、対峙するだけで報復対象となるため、このメッセージは必要はない)。



というわけで、ピーターが自害の直前に、エマに伝えたということから考えると、

・伝わらないと困る情報・メッセージではない(エマたちが伝えるとは限らないから)

・報復を促す、エマたちに抵抗するようなメッセージではない(調停役という立場を失う、約束が履行されるのは確定。そうしたくないならメッセージではなく殺しにいくべき)


このあたりの可能性が高いかなと。



3.”コードSolid”の意味


その上で、最後の視点として「ラートリー家が暗号を使うなら、どんな意味がありそうか」と考えていく。

考えられそうなのは以下の通り。


a.当主の引き継ぎ

ピーターが死んだことを伝え、当主を誰かに委任するという指示を意味する暗号である、というパターン。

無いとは言わないが、もはやほとんど意味をなしていない。

何故なら、エマたちが約束を履行するということは、ラートリー家は調停役の役割を果たせない。

当主を引き継がせようが、何の意味もないのだ。

ピーターの死を伝えるくらいしか意味がなく、それは部下が連絡することができるだろう。



b.世界の行き来が不可能になったことを伝える

世界の行き来が不可能になったことや、調停役としての役割が消えたことを伝える暗号という可能性。

これに関しては、「事前に想定しておく」ことが難しい。

かなりのイレギュラーで、それこそ誰も発見していなかった七つの壁を見つけなければ不可能なこと。

なので、これを伝えるような暗号を用意しておくことができないのではないか、と考えている。


c.食用児の脱走を伝える

食用児による反乱、脱走を伝えるメッセージである可能性。

このレベルであれば十分ありうるが、それをエマたちに伝えさせるというのが不可解。

エマたちはナンバーがあるため、このメッセージがなくても対峙した時点でそれが伝わってしまうからだ。



d.支援者側への救助要請

では逆に。ラートリー家に伝わるメッセージではなく、支援者側への暗号だとするとどうだろうか。

この場合、叔父が支援者側の内通者ということになる。


支援者を追っていたピーターであれば、敵陣営のメッセージ・暗号を把握している可能性はあるし、

これであれば「告げるといい」とエマにすすめるような伝え方であったこと、食用児を害するきっかけではなさそうであることなどの要素を満たしている。


……が、支援者は全滅している。

更に、最愛の兄さえも殺すようなピーターが、叔父が支援者側だと分かっていながら生かしておくとは考えづらい。

警備が頑丈で近づけなかったのだとすると、今度はエマたちが接触するような機会もほとんどないだろう。


ピーターの狙いとして、罠や敵対行為ではない可能性が高いことを考えるとdがしっくりくるのだが、現実問題支援者側が生き残っているとは考えづらい。

ので、現時点では”コードSolid”の意味、狙いをはっきりさせることは不可能だろう。



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結論


ピーターの残した”コードSolid”の意味を考えてみた。

敵対行為、罠である可能性は低い。そんなことをするくらいならここでエマを殺して約束の履行を止めるのが最善だからだ。

ここでそれを止めずに報復を促したところで、ラートリー家は滅びるしかない。立場を失えば、報復なんかをするより復興に力を注ぐべきだ。

その上で、予め用意されている暗号ということで、想定できる事態があって、それに備えた暗号である可能性が高い。


では、支援者側の暗号として、人間の世界へ渡った食用児を救助することを伝えるメッセージなのか?

文脈としては非常にありうるが、現実的ではない。ピーターは使命のために最愛の兄さえも殺している。

叔父が支援者側だとわかっていればスルーするはずがないからだ。


というわけで、現状この”コードSolid”の意味は特定できなかった。

今後の情報に期待。



おわりに













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