鬼の世界の今後――ムジカが王になり、農園が解体された後どうなるのかを考察

週刊少年ジャンプ 2020年20号
約束のネバーランド 第175話 新しい世界② より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



175話にて、鬼の世界の抱えていた問題が解決。

レウウィスが鬼の世界の全国民に対して邪血の流通を通達し、人間が居なくなっても死者は出なくなった。

農園の解体も王都の鬼によって賛成され、食用児が襲われない、自由が約束された。

更にムジカが新王となり、指導者として世界を導いていくことになる。




鬼は自分たちで生きていくことができるし、信用できるムジカが王となったことで、エマたちは憂いなく人間の世界へ行ける。

……果たして、本当にそうだろうか?

あまりにトントン拍子で事が進んでいくため見逃しがちだが、レウウィスたちの主張に納得したのは王都の鬼だけである。

他の鬼たちは唐突に政治体制が大きく変化したことを告げられただけで、未だ混乱の中にいるだろう。

また、考慮した時間が十分とは言えない。まだ国民にも見えていない問題点があっても全然おかしくない。


というわけで、今回はムジカが国王となった後、鬼の世界は一体どうなるのか?

レウウィスによって宣言された新体制の問題点はどんなものがあるか、解決するにはどうするべきか?

そのあたりの、鬼の世界の今後や未来について考察していく。



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ヒントになりそうな情報



まずは、ヒントになりそうな情報をまとめていく。

今分かっている情報で重要そうなのは、以下の要素。


1.女王や五摂家、ラートリー家当主など旧体制の権力者は死んだ

2.レウウィスによって農園の解体が宣言された

3.多くの鬼を救ってきたムジカが新たな王となった




それぞれ簡単に見ていく。


1.女王や五摂家、ラートリー家当主など旧体制の権力者は死んだ


これまで鬼の世界を支配してきた女王や五摂家は死んだ。

ラートリー家はそれを好機と見て、脱走児や邪血の処分と新政権の樹立を目論んだ。

結果としては、当主であるピーター・ラートリーは死亡。

また、王都にレウウィスが現れて、邪血の正しい効果と農園によって民を支配していたということを暴露。

大罪人として処分されそうになっていたムジカとソンジュを助け出し、権力を得ようとしていた五摂家家臣団と五大農園の鬼を捕縛した。

これによって、これまでの支配体制は事実上崩壊したと言っていいだろう。

そしてその後、それを全国民へと通達した。


2.レウウィスによって農園の解体が宣言された




週刊少年ジャンプ 2020年20号
約束のネバーランド 第175話 新しい世界② より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



更に、レウウィスは王都の民に対し、全農園の解体を宣言した。

王都の民から反対の声があがるが、

邪血によって人間を食べなくてもよくなったことや、

農園があるから、それを利用して格差を生み出そうとするものがいることなどを理由に王都の鬼はそれを承諾した。


3.多くの鬼を救ってきたムジカが新たな王となった



週刊少年ジャンプ 2020年20号
約束のネバーランド 第175話 新しい世界② より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



王都に現れて民を説得したレウウィスだが、王になるつもりはないという。

そんな彼が新たに王として据えた存在が、ムジカだった。

これまで邪血で多くの鬼を救ってきた。大僧正たちも彼女を推薦し、王都の民によって新たな王と認められた。



というのが、ソンジュやムジカの処刑の場で起こった出来事。

端的に言えば、王族であるレウウィスがかつての政権の悪事を暴き、これまでの支配を全て壊した形。

新たな世の中として、人を食べずとも生きていける、そして農園による支配のない世界へと舵を切ったと言えるだろう。


邪血によって、人間を食べる必要はない。農園によって格差が生まれることもない。

新たな王は、民を救う心優しい鬼。王都の民も大絶賛。


一見隙がないように見える鬼の世界の新体制だが、本当にこのまま突っ切っても大丈夫なのか?まずいところはないか?

ということついて、ここから考えていく。



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鬼の世界の今後――起こりそうな問題と解決策


さて、農園による支配が終わった鬼の世界。

ムジカがトップとなり、邪血を流通させて人間を食べない新世界が始まろうとしている。

一見すると問題はなく、鬼たちも納得しているように見える。


……しかし、今回の決定と、それによって成立する新たな鬼の世界には大きな問題点がある。

それは「納得しない鬼による反乱」が大いに起こりうることだ。

理由がいくつかあるのでまとめていく。


反乱リスクが高い理由1:全ての鬼が納得したわけではない


まず1つは、今回の決定は「王都の鬼の意見だけ」によってなされたものである。

全国民の総意では一切ない。王都の鬼が全体の何割を占めるのかは一切不明だが、5割以上ということはないだろう。

つまり、全ての鬼が「農園の廃止」「新王ムジカ」に納得したというわけでは一切ないのだ。


王都以外の鬼にとっては、自分たちの意見は一切反映されていない上、完全な事後承諾である。

まず、「自分たちの意思を無視された」という事実が、新体制への反感を招く可能性がある。


反乱リスクが高い理由2:生活の中心だった人肉を奪われる


そしてもう1つは、王都でも反論があった「農園の廃止」について。

邪血の有用性がわかり、全国民にそれが供給される。つまり生命や知能の維持に関してはたしかに問題がない。



だが、嗜好品として好んでいた鬼は存在する。

更に言えば、農園に関わっていた鬼や、小売業として人肉を供給していた鬼は職を失うことになる。

彼らが黙っているかというと、さすがにそうはいかないだろう。

で、こういった鬼がいるにも関わらず、理由1のように事後承諾というのはかなりまずい。



反乱リスクが高い理由3:新たな王がムジカであること


そして最後に、ムジカが王になるということ。

彼女は事実として、邪血で数多くの鬼を救ってきたし、これからも救っていくことになる。

しかし、鬼にとってはそれは初耳。これまではお尋ね者だったわけで、素直に受け入れる鬼ばかりかと言えば、そうではないだろう。


また、数々の鬼を救ってきたからと言って、王にふさわしいのかというと、そうとは言い切れない。

政治においては全く能力がない可能性だってある。

あるかないか、ということはここではどうでもよく、「能力があるかないか、分からない」のに確かめることなく王に据えたことが問題だし、その軽率な判断を決定事項として通達したことがやはりまずいだろう。



というわけで、変化によって割を食う鬼だっているし、新たな王が受け入れられるかもよくわからない。

そんな状態なのに、王都の鬼だけで全てを決めて、全国民にそれを押し付けた。この姿勢がけっこう大きな問題になるのではないかな、と。

レウウィスや大僧正の主張としては、「支配されるだけはもうやめよう」ということなのに、全てを一部の鬼だけで決めてしまった。

この矛盾が反感を招き、反乱を引き起こす可能性が高いと考えている。



鬼の世界の今後――反乱を対策するには?


じゃあ、どうすればいいのか?ということについて。

もう決定事項として通達している以上、撤回することは難しい。

であれば、今後の政治の体制を民主的にするのが結局のところ最も自然かつ安全かなと。


つまり、民の意見が政治に反映されるような体制を作る、ということ。

トップはムジカだが、彼女の独断ではなく、一定数の民の理解を得られたときにのみ権力を行使する。

多数の意見を戦わせた上で、より昇華された意見を採用し、政策を考える。

約束によって生活を失った鬼に対しても、彼らの声を聞いて補填する。

そうすれば大僧正たちの言う「民も考え動く」という新しい世界にもある程度納得がいくだろう。


以下に結論をまとめた。




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結論


レウウィスによってこれまでの農園社会は完全に崩壊した。

邪血が流通し、全ての民は退化しないし、農園は全て解体。

新たな王であるムジカは王都の民に歓迎され、新たな世界へと一歩を踏み出そうとしている。


だが、今回の判断はレウウィスによって主導され、王都の民によって賛成多数となっただけである。

王都の鬼以外はなんのことだかわからないまま、この決定を押し付けられたことになる。

農園が消えて職を失う鬼がいるだろうし、ムジカが王になることに納得のいかない鬼だっているだろう。

そして、そういった鬼の声は一切反映されず、全てが決まってしまったという事実がまずい。

言っていることは立派だが、このままでは「支配からの脱出」とは言い難い。どんなに良いことだろうと押し付けては支配と変わらないからだ。


じゃあどうするのか?簡単だ。

ムジカを王として据えた上で、政治は民主主義的なシステムを採用する。

農園が消えて困る鬼には彼らの声を聞いた上で補填する。意思決定は国民全ての意思をなるべく反映する。

そういった仕組みを採用することは、ムジカや大僧正たちの望む世界に不可欠になってくるのではないかと考えている。



おわりに


これから配信予定。










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