【約束のネバーランド】あのお方の目的・望みとは?エマに要求した”ごほうび”を考察





かなり久しぶりに約束のネバーランドがジャンプ本誌に掲載。

とはいえ、大きく考察出来る要素は増えなかった。

なので、残された大きな謎である、エマが要求されたごほうびについて、3度目の考察をしていく。


以前から増えた情報としては、「エマの思考や言動、行動」と、「あのお方の言動」。

特に、あのお方についてはこれまで見えていなかった行動原理のようなものが見えつつあるため、

あのお方の目的(あるいは望みと言ってもいい)と、そこから”ごほうびは一体何か?”ということを考えていく。



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ヒントになりそうな情報


まずは現在明らかな情報から、あのお方の目的や、彼の求めるごほうびについて、

ヒントになりそうな情報をまとめていく。


【あのお方】


1.七つの壁の先にいて、来た者と約束を結ぶ存在

2.エマに対して「あそぼ」と呼びかけている

3.死んだピーターに対して「おもったよりながく楽しめたよ」と語っている



【約束とごほうび】


1.あのお方に願いを叶えてもらう代わりに、対価として”ごほうび”を渡す必要がある

2.1000年前の約束について

3.”ごほうび”は大切なものがいい

4.3つのルールについての現状

5.エマの望みと願い

6.エマが要求されたのは、「きみの――」

7.エマは全食用児で人間の世界へ行くことに疑いを持っていない



このあたりが重要そうなポイント。

それぞれ簡単に見ていく。


【あのお方】

1.七つの壁の先にいて、来た者と約束を結ぶ存在


あのお方は、七つの壁の先にいる「すべての鬼の頂点に立つ存在」とされている。

ヴィダを使った儀式の後、扉を通ると七つの壁の迷路に入る。

そこで謎を解いた者だけが、あのお方と会って約束を結ぶことが出来る。

約束に関しては後述するが、「世界を2つに分ける」と言った超常的な願いすらも叶えている。


2.エマに対して「あそぼ」と呼びかけている


あのお方は、エマに対して「あそぼ」と語りかけている。

クヴィティダラで幻覚を見たシーン、そして七つの壁の迷路(これはエマの思考である可能性もあるが)にて聞いている。

どこまで本気かは分からないが、遊び相手を求めている、という可能性が考えられる。


3.死んだピーターに対して「おもったよりながく楽しめたよ」と語っている


新たに増えた情報としては、ピーター・ラートリーに対する発言。

死んでしまった彼に向け、「おもっていたよりながくたのしめたよ」と言った後、

「1000年間ご苦労様」と、ラートリー家に向けた発言を残している。

これが何を意味するのかは後ほど考えるが、ここからあのお方の行動原理が伺えそうだ。


【約束とごほうび】

1.あのお方に願いを叶えてもらう代わりに、対価として”ごほうび”を渡す必要がある


さて、あのお方との”約束”について。

これは、願いを何でも叶えてもらう代わりに、彼の求める”ごほうび”を対価として提供するというやり取りのことだ。

どんな超常的な願いでも叶うが、対価もそれなりに重い。

具体例としては、1000年前にイヴェルクとユリウス・ラートリーが結んだ約束がある。


2.1000年前の約束について


1000年前に、鬼と人間が「世界を棲み分け、互いを狩らない」という取り決めをした。

それを実現するため、鬼と人間は、あのお方と約束して物理的に世界を2つに分けた。

その代償――”ごほうび”として、イヴェルクとユリウスはそれぞれ以下のものを要求された。


イヴェルクは、その年に実った一番良い人間の肉を献上すること。

そしてユリウスは、彼の家系は代々2つの種族の調停役をすることを命じられた。

これがそれぞれにとって、どんな意味を持つのかは次の項目で解説していく。


3.”ごほうび”は大切なものがいい


”ごほうび”は大切なものがいい、とあのお方はエマに言っている。

欲望や渇望、野望。そういった相手が大切にしているものを彼は欲している。

では、1000年前の約束では、イヴェルクやラートリーの大切なものを奪っているのか?


イヴェルクの場合、約束によって農園ができる。その中で貴族だけが良い肉を独占する仕組みを作ろうとしていた。

が、その中で一番良い肉はあのお方に献上しなければならない。最も欲していた良い肉は手に入らないことになる。


そして、ラートリーの場合。

ユリウスは戦いに疲弊し、人間が死んでいくことを恐れていた。

自らが死んでも構わないと思っていた中、調停役としての役割をさせられる。

解放されるつもりが、農園で人間を殺す手伝いをし、鬼とずっと関わり続けることになったのだ。


つまり、願われた内容自体は叶うが、願いの先に求めた、欲していたものを奪う。

あのお方の望む”ごほうび”とはそういったものであることがわかる。



4.3つのルールについての現状


そして、もう1つ新たな情報としては、約束に関して、3つのルールというものがあった。

約束は破れず、上書きもできず、あのお方へのごほうびを拒否できないというものだ。

しかしこれは、「ラートリー家は調停役をする」「その年の最上の食用児を献上する」という1000年前の両方がなくなろうとしている。

前者に関しては、むしろ職務を全うし当主が絶えたラートリーに、いたわるような発言さえしている。

後者は農園の取り潰しという、鬼側の勝手な動き。だが、それを咎めるような言動はない。

そのあたりから、この3つのルールに関しては、あのお方は大きく重視していない可能性が高い。


5.エマの望みと願い


では、エマはどんな望みを持って、あのお方に何を願ったのか。

彼女は、「人間も鬼も、お互いに平和に暮らしていける世界」や「全食用児の解放」を望んだ。

つまり、みんなが笑っていけるようにしたい。望みの方向性としてはこういったものだ。


では、実際にあのお方に叶えてもらったのは、

「食用児全員で人間の世界へ行きたい。それを最後に二世界間の行き来を完全に不可能にして」

というもの。

世界の行き来という、自分たちではどうしようもない部分の解決を、あのお方に願った。


6.エマが要求されたのは、「きみの――」


そして、そのエマの望みを聞いたあのお方が、”ごほうび”として要求してきたもの。

これは、はっきりと何なのかはまだ明らかになっていないし、エマはレイにも隠していた。

分かっていることは、「きみの――」という言葉から始まる要求であること。

すなわち、エマの持つ何か、あるいはエマに関連する何かを要求している。

簡単に考えるなら、彼女の大切なものではあるが、果たして。


7.エマは全食用児で人間の世界へ行くことに疑いを持っていない


また、新たな情報として、農園の解体が発表された際のエマの反応。

(全農園の全食用児。子供も大人もみんなでやっと……!ついに……!人間の世界へ……!)

という思考をしている。


つまり、全食用児が人間の世界へ行けることは確実。

そこにごほうびによる影響はないと見ていいだろう。

何が言いたいのか?これは、「エマの家族の命」などが要求されていない、ということだ。

ごほうびによって、家族のその後に憂いがあるなら、彼女はここまで素直に喜べないはずだからだ。

エマの大切なものと言えば家族ではあるが、エマのこの思考によって、そこをごほうびとして要求された可能性は限りなく低くなった。


直接的なヒントこそ増えていないものの、意外と情報が増えている。

そのあたりから、まずはあのお方の目的を考え、じゃあごほうびとして欲しがるのは何なのか?という流れで考察していく。






あのお方の望み・目的とは?


さて、まずはあのお方の目的について。

彼の行動原理に関しては、正直ほとんどが謎に包まれていて、根拠もないため考えようがほとんどなかった。

せいぜいヒントになりうるのが、「あそぼ」という言葉と、現世にほとんど干渉していないことくらいか。


それらに加え、現在ではピーターへの言葉が明らかになった。

「おもったよりながくたのしめたよ」という発言だ。

これが何を意味するのか?2つあるので解説していく。


まず1つは、単純にあのお方は「楽しむ」ためにごほうびを要求したということ。

ラートリー家の行動、あるいはそれらに伴う感情を見ることで楽しんでいた。


そしてもう1つは、「おもったよりながく」というところが重要ポイント。

つまりあのお方にとって、このごほうびはすぐに楽しめなくなるはずだったのだ。

どういうことか?

ユリウス以外のラートリー当主にとって、これは嫌な仕事ではないからではないだろうか?

現実に、173話よりラートリー家の使命は何よりも誇らしい使命であるとされていた。

……つまり、ユリウスにとっては最悪の罰だったが、他のラートリー当主にとっては”そういう仕事”でしかないはずだった。

が、真実を知り絶望したジェイムズ、そして一族の使命に背いた最愛の兄を殺すことになったピーターが現れた。

……だから、「”おもったよりながく”たのしめた」。こう考えると文脈的に非常に納得がいく。


エマに対してあそぼ、と言っていたことや、これまでの約束がルールに背き壊されようとしていることにも寛容なことも加えて考えると……。

あのお方は、楽しむことが最大の目的。

そして、それの中心となるのは誰かの絶望や悪感情で、それさえ見ることができれば、調停役や肉の献上などの物理的な報奨はどうでもよい……というものではないだろうか。

願いを叶えることもふまえると、望みが叶うなどプラスの状態から、マイナスへと一気に転落するといったものである可能性が高そうだ。



エマが要求されたごほうびは何か?


さて、ではそんなあのお方がエマに求めるごほうびとは何か?

あのお方の目的が「マイナスの感情、あるいはそれを伴う行動をさせること」

そして、実際に要求されるのはエマの持つ、彼女に関係する何か。

全食用児が人間の世界へ行くという願いが叶った上で、エマを絶望させる、欲したものを奪うごほうびとなるだろう。

これらをふまえて、いくつか考えていく。


1.エマの家族の命


まずは、エマの家族の命。

彼女が最も大切にしている存在のため、やはり第一に考えたいところ。

だがこれは最初に否定したとおり、かなり考えづらい。


なぜなら、エマがそれを要求されていたのなら、もっと必死になるはずだ。

しかし、今回GFの鬼に家族が襲われることを一切警戒していなかった。

仲間の命が失われるかもしれないと知っているのなら、決して武器を下ろすことはしないはずだからだ。


2.エマと体を入れ替える


次に、エマと体を入れ替えるという提案である可能性。

全食用児は人間の世界へ行く。エマの体もそちらへ行くため、矛盾はしない。

エマは家族との交流ができないし、家族もエマに違和感を抱くだろう。

そしてあのお方は人間の世界へ行くという新たな体験ができうるため、楽しむことはできるだろう。


ただし、この場合あのお方はエマの感情を観測できない。

ラートリーの例のように、絶望などの悪感情を観測し楽しむのなら、ちょっとこれはなさそうだ。


3.エマの記憶を奪う


2と似ている。エマの体は人間の世界へ行く。

しかし、記憶を失っているため、彼女は家族が救われたことを喜べないし、家族と楽しく過ごすことが出来ない。

だが、少し難点なのが、エマの悪感情がないこと。記憶を失っているため、絶望のしようもないのだ。

こちらも少し考えづらそうだ。


4.エマの体を鬼にする


そして、以前も考えたエマの体を鬼にするという説。

こちらはけっこう未だ有力だと考えている。


2つの解釈があって、「一つは鬼だから人間の世界へ行けない」というもの。

こちらの場合、別れた家族とエマの悪感情、両方が楽しめる。

そして、「食用児だから鬼になっても人間の世界へ行く」というパターン。

こちらは人間の世界での迫害が予想され、家族からも嫌われ、狙われうる。


どちらのパターンにせよ、展開の予測が難しく、あのお方が楽しみやすい。

また、エマが鬼になるということは、人と比べ長寿になるということ。

長い間楽しめる、という観点から見ても、あのお方としては目的を果たしやすいと考えている。



以下に結論をまとめた。



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結論


あのお方の目的と、そこからエマに要求した”ごほうび”を考えた。

結論としては、あのお方は願った者の悪感情を楽しんでいる。

そのために、エマには彼女の体を鬼にすることを要求したのではないか、と。


どういうことか?

まずあのお方だが、ピーターに「おもったよりながくたのしめたよ」と語っている。

本来はそんなに長く楽しめるはずじゃなかったのだ。

何故か?これは、凄惨な鬼との戦いや、仲間を裏切った事を知るユリウス以外には罰になりえないのだ。

事実、ラートリーの使命は尊いものとして扱われてきた。

……が、真実を知り絶望、抵抗しようとしたジェイムズが現れ、最愛の兄に手をかけ奮戦したピーターがいた。

だから、「思ったより長く」、悪感情を楽しめた。そういう意味だとすると、非常に筋が通る。


じゃあ、エマに対してはどんな要求をしたのか?

いろいろあるが、彼女の家族の命ではない。もしそうなら、農園での襲撃をもっと警戒する。

その上で、彼女の悪感情をできるだけ長く楽しめるもの……。それは、彼女の体を鬼にすることだ。

そうすれば、人間の世界へ行くにしろ、鬼の世界に残るにしろ、家族との仲は相当厳しいものになる。

また、鬼になれば長寿だから、彼女の絶望も長く楽しめる、という寸法だ。

文脈としても、「きみの――(からだをおににする)」と無理なくつながる。それなりに有力だと考えている。



おわりに








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