週刊少年ジャンプ 2020年24号
約束のネバーランド 第177話 母親より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
177話では、イザベラが死亡。
ショッキングな出来事ではあるが、考察すべき謎はそこには特にない。
新しい謎が出てきたわけでもないので、未だ明らかになっていないことについて改めて考えていくことにする。
今回気になったのは、エマたちが向かおうとしている人間の世界だ。鬼の世界での問題は解決しつつあり、いよいよ約束の履行が近い。
にもかかわらず、情報がほとんどなかったため、思えば今までほとんど考察していない。
ピーターの言葉や回想などからある程度見えてきたため、それをふまえて人間の世界はどんな場所なのか?ということを考えていく。
そして、エマたちは丸腰のまま人間の世界へ行って、どうやって生活基盤を得るつもりなのか?ということについても、現状わかる範囲で考察する。
ヒントになりそうな情報
まずは、人間の世界や、それに関係するラートリー家の情報について、分かっていることを整理していく。
中でも重要そう、ヒントになりそうなのは以下の通り。
1.人間の世界では、ある程度人間同士が争っている
2.ラートリー家は調停役として丁重に扱われている(=約束のことは一部、あるいは全体に知れている)
3.1000年前の約束は廃止され、ラートリー家は調停役としての役割を終えた
4.エマたち食用児は、全員人間の世界へと向かい、その後世界の行き来は不可能になる。
5.コードSolid
それぞれ簡単に見ていく。
1.人間の世界では、ある程度人間同士が争っている

週刊少年ジャンプ 2020年18号
約束のネバーランド 第173話 prisoners より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
ピーターいわく、「人間の世界も変わらない」。
「鬼が食用児にしてきたことは、人間同士がはるか昔から繰り返している」、と。
つまり、争いのない平和な世界ではなく、ある程度の諍いは未だ解決せず続いている。
人間の世界へ行けば無条件で、苦労なく平和な生活を送れるというわけではないようだ。
2.ラートリー家は調停役として丁重に扱われている(=約束のことは一部、あるいは全体に知れている)

週刊少年ジャンプ 2020年18号
約束のネバーランド 第173話 prisoners より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そんな世界において、ラートリー家は丁重に扱われていた。
”世界を守る”という使命を担っていると教えられ、それを忠実にこなす当主。
そして、その当主に頭を下げる人間が各国にいることが示唆された。
これを見るに、少なくとも国の上層部は、鬼がいることや世界が2つに分かれていること、
そしてそれをラートリー家が管理していることは周知されていることになる。
上層部だけでなく、一般市民さえも知っている可能性があるだろう。
つまり、ラートリー家は調停役としての役割を果たしているから敬われていた可能性が高い。
平和を守っているという実績か、あるいは鬼の世界や農園運営で得た利益を還元することによって、ラートリー家は地位を確立したということになるだろう。しかし……。
3.1000年前の約束は廃止され、ラートリー家は調停役としての役割を終えた
しかし、ラートリー家の立場を保証していた、調停役という立場はなくなった。
鬼の世界では農園が廃止され、当主のピーター・ラートリーは死亡した。
更には、エマの結んだ約束によって2つの世界はまもなく行き来さえ不可能になってしまう。
つまり、ラートリー家はその立場を完全に失ったことになる。
そのことが知れれば、一族やラートリー家に付き従っていた人間の生活は確実に危うくなるだろう。
そして、この約束が機能しなくなったことは隠しづらい。
当主であるピーターが死んでしまったことはいずれ知れてしまうし、
もし鬼の世界で得た利益や資源を還元していたのだとすれば、その成果物を渡すこともできなくなるだろう。
4.エマたち食用児は、全員人間の世界へと向かい、その後世界の行き来は不可能になる。

週刊少年ジャンプ 2020年23号
約束のネバーランド 第176話 ただいま! より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、食用児たちはエマの結んだ約束を履行できる段階まで来ている。
全員が人間の世界へ行き、世界の行き来はそれを最後に不可能になるというものだ。
しかし、エマたちは人間の世界についての情報が一切ない。
支援者による情報はあったかもしれないが、描写がないため検証は不可能。
また、情報だけあったとしても、頼れる存在はいないだろう。支援者はピーターによって全員処分されているからだ。
要するに、エマたちは人間の世界へ行っても完全なる根無し草である。
長いこと鬼の世界で潜伏していた脱走児はともかく、
ずっと高級農園で幸せに暮らしてきた食用児にとっては、耐えられる生活ではない
(食べられるよりはマシなのは間違いないが、そもそも農園暮らしの食用児は食べられるということに現実感がないだろう)。
エマたちはそこをカバーし、生活基盤を作る必要があるだろう。
5.コードSolid

週刊少年ジャンプ 2020年18号
約束のネバーランド 第173話 prisoners より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
そして、最後にエマたちはピーターから「叔父に”コードSolid”と告げるといい」と言い残されている。
この意味に関してはピーターは一切語っていないため、これの意図を考える必要もあるだろう。
というのが、人間の世界とラートリー家、そして食用児たちの現状だ。
まだ具体的な情報はほとんどないため、
断片的な情報から人間の世界がどんな場所か、食用児の移動によってどうなる(特にラートリー家)のか?をまず考える必要がありそうだ。
それをふまえて、コードSolidの意味を推察、そして食用児たちはどうやって行動していくべきか?
という流れで考えていこうと思う。
人間の世界はどんな場所なのか?食用児の移動でどうなるのか?
さて、まずは明らかな情報から、人間の世界がどんな場所で、今後どうなるのか?ということから始めよう。
と言っても、具体的な情報はほとんどない。確定したところだけ見るならば、
・技術力は非常に高い(ペン、兵器など)
・人間同士の争いはそこそこある
・約束はある程度知られていて、それによってラートリー家は丁重に扱われている
というのが人間の世界だ。ここまではある程度想像のつく話だろう。
その上で、1000年前の約束は廃止され、食用児が人間の世界へやってくるとどうなるか?ということに進んでいく。
約束が廃止され、ラートリー家は調停役としての立場を失う。
そうなれば、少なくとも彼らは職を失い路頭に迷うことになる。
人間が人間を虐げるような世界であることが示唆されているため、少なくとも仲良しこよしの世界ではないからだ。
つまり、ラートリー家としては「約束が廃止された」ということを知られるわけにはいかないだろう。
人間世界とラートリー家の状態をふまえ、コードSolidを考察
さて。ラートリー家にとって、約束が廃止されるような事態は大きすぎる問題だ。
そうじゃなくても、この約束が守れず、鬼が人間の世界を攻めてきたときなど、リスクはそれなりにある立場と言っていいだろう。
では、そんな事態に何の対処も用意しないだろうか? さすがに否だ。
となると、コードSolidは非常事態を伝えるワード、あるいはその対処方法を指示するメッセージとは考えられないだろうか?
つまり、もはやラートリー家の立場が危うい。であれば、その立場を維持する動きをすべし、ということだ。
以前は「エマたちが伝えるかどうかわからないのに、そんな大事なことを彼らに任せるか?」と否定したが、
鬼の世界の革命により、農園にいたラートリー家の黒服たちは拘束されうるため、エマたちに伝えるほかなかった、と考えられる。
エマたちが伝えるかどうかわからないけど、そもそも彼女たちに伝えるしか方法がないから、そうしただけ、という話ではないかと。
現状、大きな矛盾はないだろう。
人間の世界で食用児はどうするべきか?
では、そんな中で身寄りのない食用児はどうするべきか?
結論から言えば、”ラートリー家と協力する”ことが、最もまともな生活を送れる可能性が高いと考えている。
どういうことか?
まず、ラートリー家は現状丁重に扱われていて、行動から見ても財力を持っていることは間違いない。
しかし現在、約束が消え去って、その立場が非常に危うくなっている。
では、ラートリー家は約束が消えたことを漏洩しなければ問題がないのではないか、と。
食用児を保護した上で、表向きは調停役を続けているように振る舞う。そうすれば問題はない。
問題は、エマたち食用児がラートリー家の立場を貶めたことになるため、彼らから報復を受ける可能性があること。
だが、それは食用児たちが約束の消失を暴露するリスクをはらんでいるため難しい。
更に、エマたちはラートリー家に保護してもらう代わりに、
知能を活かして業務や研究の協力をすることで還元すれば、互いにメリットのある関係を築くことができるだろう。
そして、そういった次善の策としてコードSolidというメッセージを叔父に送ったのだとすると、
エマたちに「コードSolidと伝えるといい」と、食用児たちにもメリットがあるような言い方をしたことにも説明がつきそうだ。
以下に結論をまとめた。
結論
人間の世界の状態と、ラートリー家の今後。そしてエマたちが人間の世界へ行ってどうするのか?などを考えてみた。
人間の世界の状態はほとんど分からないが、ラートリー家がこのままでは危ういことは確かだろう。
約束の調停役として立場を築いていたわけだが、それを失ってしまったからだ。
だが、ラートリー家が予め何も用意していないとは考えづらい。
イレギュラーな職種で、鬼がいつ反旗を翻したり、管理できなくなるかは分からないのだから。
そういった不慮の事態に対する通知、あるいはそれにあたっての指示が、ピーターが叔父に出した”コードSolid”なのではないかと。
エマたちに伝えたのは、彼女たちのほかに伝えられる人間がいないからと考えている。状況的にそこまで変ではないだろう。
では、身寄りのないエマたちはどうするべきか?
今立場が危うい、ラートリー家と協力していくのが実はいいのではないかと考えた。
保護して貰う代わりに、知能を活かしてラートリー家にメリットを与える。
そして、約束が消えたことも彼女たちが話さなければ、基本的には知られようもないだろうから、ラートリー側も庇う理由がある。
危うい立場になったことで報復も考えられるが――それはラートリー家にとってもリスクが高い。約束が消え、鬼の世界から来たことを暴露されれば、結局ラートリー家は立場を失ってしまうからだ。
おわりに
私事で申し訳ないが、本日の配信はお休み。もう徹夜とかできる年齢じゃないらしい。
こんにちは!久々にコメント投稿失礼します(o*。_。)oペコッ
物凄く久々にお邪魔させて頂きました。毎週ジャンプにて約ネバは読んでいたのですが、個人的な諸事情によりこちらのサイトを拝見出来ませんでした”(-“”-)”。今後も、時々になってしまうかと思いますが、管理人さんの考察や皆様方のコメントを楽しませていただきたいです(*^▽^*)。
今回の考察内容とはあまり関係なくて申し訳ないのですが、イザベラが亡くなってしまってショックを隠し切れません( ;∀;)。
エマがあの方と結んだ約束では、食用児全員大人を含めて人間世界に行くという約束を結びました。まだ約束は保留にしてあるというので履行したら、あの方の力でイザベラが生き返る・・・なんて、都合の良い展開は無いでしょうか(。´・ω・)?(欲を言えばユウゴとルーカスも・・・)
あの方の力ならそれ位訳ないのではと思いますが・・・。
その可能性は考えてなかったですゾ!ありかも。
配信無いのか。管理人さん、お体にはお気をつけてください
Progress.
There is a good possibity,too.
Ⅰ want Isabella to go to the human world with Emma.
Next episode 178 will finally arrive in the humanworld?
In the first place,how well is the promise of 1000 years ago known in the human world.But what about GF,GV,GR,and GB babies in high-end farms,and habies mass-produced farms?That problem is not solved.
Oh,Ⅰcan not wait for next week.Looking forward to episode 178.
「鬼は人間の鏡」
というのは、鬼は食べたものの形質を受け継ぐので、人型の鬼は人間の形質を受け継いだからということでしょうか?
正直、王家と五摂家の独裁政治は人間もそのようなことをやるから?となると人間は自分たちの事しか考えられない自分勝手な生き物という感じがします。
否定出来ない…。
今の人間世界も争いごとが絶えないし、約束のネバーランドの世界観は今の私達人間世界の実情を露わにしている感じで胸が痛いです。いつの時代も争いごとは無くならないし、人種・民族・宗教・言語・思想etc…
それらが違えば、争いが勃発し、多くの命が失われます。いや、失われています。
それこそピーターの言う通り鬼の方がまだかわいいのかもしれませんね。
この作品は今の世界の状況を私達読者に対して訴えかけている作品なのかもしれませんね。
-<悲報>ー
6月4日(木)発売予定の単行本19巻が新型コロナウイルス感染拡大に伴い、7月3日(金)に発売を延期。
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
確かアニメも放送延期らしいですよ。
残念ではありますが、事情が事情だけに致し方無いです。それまでは今までの単行本を読み漁りながら、ただひたすら待ちましょう。
楽しみは先に取っておくものだと割り切りましょう
こんにちは。
予想してたとは言え、イザベラは残念…。人間界での交渉役なんかで必要な人材だとも思っていたので。クリスや他のプラントの子供達はママの最期に立ち会えなかったのも残念。
まだ鬼界でやっておいた方がいい事(ラムダ発作・クリスの件)はありそうだし、レウウィスとの再会とか見たいのですが、このまま一気に人間界いっちゃいますかね。でも四賢者とかの見せ場が…。
・最後に描かれた人間界はいつ頃か→ピーターの年齢から推測です。まず2014年生まれのイザベラが「坊や」と言っていたので彼女より年下。当主になり、裏切者や兄を処刑した2031年では成長していますが、幼さも感じます。この時が15~6歳と仮定したら、2015~2016年生まれとなり整合性はとれます。
ジェイムズが各国要人に丁重に扱われてたあの時点でのピーターが5~10歳だとしたら、この時2020~2026年。つまり、はっきりと人間界の“外の世界”が描かれたのは、幅を持たせて2020~2026年頃が最後。その後人間界に変化はあったのでしょうか。
・食用児の味方→いるのか?人間界では異端であろう存在。例えば人権団体とか、ラートリーと対立する人物。ジェイムズが外の世界にも人脈を作ってる可能性も。
ピーターの叔父は、まぁ話は出来そうかなという印象。個人的にジェイムズが生きてたらなと今でも思います。スミーも同じく…。
・2015年問題→ハウスにある最新の本の発行が2015年。ジェイムズがいつ当主になったか不明ですが、2015年生まれ(暫定)のピーターが幼い頃には当主の座に着いていそう。という事は、後にミネルヴァと名乗りモールス付きの本をハウスに送るまでの数年間、ジェイムズは新たな発行年の本をハウスに送ってないと言う事?つまりジェイムズはわざわざ2015年より前の本にモールスを付けて送っていた…?
ここで思い出すのが、レイがママから貰った報酬が旧型の物だった事。ハウスに送れる物は数年以上昔の物と決まりでもあるのでしょうか。
例えば10年前の物しか送れない場合。ジェイムズが真実を知った年をピーターの大体の年齢から推察すると(おそらく10歳前後?)上記仮定の計算より2025年くらい。この時点でハウスに送れる10年前の物は2015年製。…何かいい感じにぴったり(笑)。しかし、ピーターが当主になっている2031年の直前までジェイムズが当主だったとしたら、ギリ2021年製の物まではハウスに送れそうですよね。シェルター作ったり仲間集めたりで忙しかったとしても、新しい本一冊くらい送れるはず。真実に気付いた時点でモールス本を一気にハウスに送って、後はGP建設とかに集中したのかな…。それともやっぱり2015年に何かがあったのかも。
全て仮定の話ですが(笑)13歳のノーマンがあれだけ大人っぽい事から考えると、ピーターも同じ年齢くらいの時に当主になってるとも考えられるので、そしたらまた計算がずれますね(^_^;)
公式が最終回間近と煽るので、レウウィスは無理でもせめてムジカとくらいもう一度会わせて…と思ってしまいます(;´Д⊂)ご褒美関係、ペンダント関係でまたムジカとは会えそうですが…。まさかあれでムジカの出番おしまいはないよなぁ。
毎週展開みるたびに、あとどれくらい続く?伏線回収できる?とハラハラしてます…。
Ⅰ was surprised.
Isabella really dying…
How long will THE PROMISED NEVERLAND last?Ⅰ do not want think about it.The promise was fulfilled,and we went to the whole human world for food.It is unexpected that the reward is nothing.
The place where Emma woke up was New York because there was something like statue of liberty?
Ⅰ watched the Musicians rush to GF and go to the human world.Ⅰ was impressed by the friendship that transcended the race walls.
みなさんいつもコメントありがとうございます。
◆◆生き返るか?◆◆
さすがに、死んだ食用児まで”全て”に含め始めると、これまで死んだ先祖さえも生き返らせることになります。
それはエマも望んでいないはず(人間世界のキャパがヤバイことになる)ので、死んだ人間まで含める、とは考えづらそうです。
◆◆鬼は人間の鑑◆◆
鬼の方がかわいい、というところに関して言えば、技術は人間の方が大きく進んでいることなどから考えて、
知性が発生した段階が、鬼のほうが遅いことが理由の一つかなと。
文明の発達に不可欠な積み重ねが浅いことから、技術や統治体制が発展途上、あるいは独裁などといった形になってしまう。
結果、直接的な支配になりがちだが、人間は技術や統治体制といったものが発展してるので、よりたちが悪い……みたいな話かなーとか予想してみたり。
◆◆食用児の味方◆◆
いる可能性はおっしゃるとおりあると思うんですが、エマたち側から接触しないといけないのが問題かなと。
向こうは食用児がやってきたことを知らないわけですから。
なので、エマたちから(いるとしたら)味方に声をかけなきゃいけないわけですけど、
・そもそも味方になってくれる存在がいるのかわからない
・どこにいるのかわからない
・わかったとして、行く方法がわからない(右も左も分からないのだから)
といったハードルがあって大変そうだなーと。
◆◆延期◆◆
まあ、しょうがないですよね。
個人的には、連載は続いているのであんまり退屈はしない印象です。