エマは家族と再会することができるのか?記憶を取り戻す方法について考察

週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



180話では、約束を履行した後のエマの行方と様子が明らかになった。

前回考えた、あのお方による行動で、人間の世界に飛ばされている、というところまでは想定通り。

しかし、”ごほうび”によって、エマは記憶と、家族とのこれから先のつながりさえも奪われていた。



週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


さて、そんな状態の彼女を家族たちは探しているわけだが、果たしてエマはみんなと再会できるのか?

そして、失われた記憶を取り戻す方法はあるのか?

そこについて今回は考えていこうと思う。



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ヒントになりそうな情報


まずは、今分かっている情報から「ごほうび」やエマの記憶・状態について見ていく。

重要そうな要素を整理すると、以下の通り。


あのお方との約束と「ごほうび」について

エマが要求された「ごほうび」

人間世界へやってきたエマの状態



それぞれ簡単に見ていく。


あのお方との約束と「ごほうび」について


七つの壁を越え、あのお方のいる昼と夜に辿り着いた者は、「約束」によって願いを叶えてもらうことができる。

例えば1000年前、ユリウス・ラートリーとイヴェルクは、「世界を2つに分ける」ということを願った。

あのお方は、そういった現実離れした願いさえも叶えることができる存在だ。


しかし、願いを叶えるには代償が必要となる。


週刊少年ジャンプ 2019年33号
約束のネバーランド 第142話 1000年前の”約束”② より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


それは、願った者が最も大切にしているもの。それを「ごほうび」として要求する。



1000年前の約束の場合。

戦いや鬼と関わらないために約束を結んだユリウスは、調停役としてずっと鬼と関わることを強制された。

農園を作り、良い肉を独占しようとしたイヴェルクは、毎年実った一番良い肉を、あのお方に献上させられることになった。

約束を結んだ先で叶えようとした望みや、満たそうとした欲望を奪う。

そういった「ごほうび」が願いを叶えてもらう対価となっている。



エマが要求された「ごほうび」



週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


さて、そんな中、エマが要求された「ごほうび」は、「きみのかぞく」。

全員が人間世界へ行く、という願いを叶えた上で、エマだけは家族に会うことができないし、これまでの思い出も全て忘れてしまう。

それこそが、あのお方がエマに要求した「ごほうび」だった。


人間世界へやってきたエマの状態



週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか



約束が履行されると、たしかにエマは人間の世界へと到着していた。

……しかし、そこには彼女の家族の姿は当然無い。

彼女だけは、世界大戦の末に見捨てられた村に放置されていた。



人間世界へやってきたエマは、完全に記憶を失っていた。

家族のことも、鬼の世界から来たことも分からない。

首元の数字も消え、食用児であったことさえも分からないようになっていた。

持ち物も、エマしか写っていない写真と銃、そしてムジカから”お守り”としてもらったペンダントのみ。


週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


家族の夢を見ることもあったが、顔は一切分からないし、もうその夢を見ることもなくなった。


その上で、どうやら家族と別の時間軸に飛ばされた、ということではないようだ。


週刊少年ジャンプ 2020年27号
約束のネバーランド 第180話 きみのすべて より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


彼女を探すレイたちとすれ違っているため、物理的に会うこと自体は叶わないわけではないだろう。



さて、これが現状である。

正直、エマが記憶を失っていることに関しては、かなり考察が難しい所だ。

原因が「あのお方」や「ごほうび」に類するもので、原理や目的、解決策など、分からない要素があまりに多い。

しかし、これまでの情報から少し引っかかるところがあるので、エマのケースを解消できる可能性について考えていく。





エマは家族と会うことができるのか?記憶は戻らないのか?


さて、まずはエマは家族と再会したり、記憶を取り戻すことができるのか?

つまり、「ごほうび」による問題を解消できるかどうか、という可能性についてから考えていく。


まず結論から言ってしまえば、エマが家族と再会することは十分可能だと考えている。

これはきっとハッピーエンドになるはずだから、という希望的観測に基づいた話ではない。

そう判断した理由は、1000年前の約束とごほうびの例から考えた結果だ。

具体的にどういうことか、ここから解説していこう。


「ごほうび」に強制力はない


さて、何故エマは家族と再会したり、記憶を取り戻す可能性があるのか。

これは、「ごほうび」に強制力が現時点で見られないからだ。


1.ラートリー家の場合

例えば、ラートリー家は、「鬼と人間がお互いに狩らないように。そして、世界を行き来しないように見張る門番」としての役割を押し付けられた。

さて、初代ユリウス・ラートリーはおそらくその役割を全うしたが、その子孫はどうだろうか?

ジェイムズ・ラートリーは調停役としての仕事をしながら、その裏ではシェルターやゴールディ・ポンドを作った。

どちらも武器が用意されていて、食用児が鬼を狩ることを推奨した。

GPにはエレベーターも用意されていて、人間の世界への道を作り出した。

つまり、ジェイムズは調停役としての役割を放棄し、食用児に肩入れした。

が、彼が死んだのはピーターの手先からの被害によるもの。そして最終的に、食用児は彼のおかげで人間の世界へ行くまで至った。


何が言いたいのかと言えば、ジェイムズはごほうびに反する行動をし、食用児の解放を手助けしたし、それが実っている。

ごほうびに反することが不可能ならば、そもそもジェイムズはシェルターやGPを完成させることはできなかっただろう。

反することをした結果罰則があるのなら、当主代理のマイク・ラートリーさえも何かしらの罰則を受けているはずだが、その様子もない。

なので、ごほうびに反すること自体は十分可能だし、特に罰則もないと見受けられる。

ただ、これだけではまだ分からないため、他のケースもみていく。


2.イヴェルクの場合


続いて、イヴェルクの場合。彼はその年に実った最上物をあのお方に捧げることがごほうび・代償だった。

儀祭がそれを捧げるためのイベントだということが推測できる。


さて、では実際それは行われているのか?

儀祭は現状、描写されている範囲では毎年行われている。

……だが、エマたちが脱獄した年はどうだろう?

脱走した最上物であるエマやレイの代わりに、グランマ・サラが儀祭の供物として提供されている


ここが大きな疑問で、グランマ・サラは「その年に実った」「いちばんいいにく」と言えるだろうか?

まず、グランマ・サラはその年に加工された肉である。そこは違いない。が、農園によって育てられたわけではない。”実った”と言っていいのか。

そして、質としても、グランマになるくらいだから質がいいのは間違いない。

だが、かなり年をとっているため劣化している。

その上、農園始まって以来の天才であるノーマンを手元に置いているにもかかわらず、それを出さなかった。

これらを総合すると、イヴェルクもごほうびに背く行為をしている可能性が十分にある。


3.「3つのルール」


そして、約束やごほうびの不可解な部分として、3つのルールがある。


約束のネバーランド 16巻 より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか


a.あのお方との約束は上書きできない
b.あのお方との約束は破ることができない
c.”ごほうび”は絶対に断ることができない


さて、これに従うのなら、ごほうびは拒否できないことになる。

が、上述したようにジェイムズやイヴェルクはごほうびに反した行動をしている。


その上、aの上書きが不可能というところにも疑問が残る。

なぜなら、エマの「全食用児を人間の世界に移動させ、行き来を不可能にする」という約束は、1000年前の約束を上書きしていることに等しい。

イヴェルクの「いちばんいいにくを献上する」というごほうびは果たせなくなるし、ラートリー家の「調停役」という立場も事実上機能しなくなる。

にもかかわらず、あのお方は即答で「いいよ」と答えている。


つまり、この3つのルールは事実上意味をなしていない。

ということはつまり、cに示されているような「ごほうびを拒否できない」というルールも、絶対のものではないと言える。



以上の3つの例から考えて、ごほうびは拒否したり、あらがったりすることが可能だと見ている。

現に、今回のエマの場合もレイたちとニアミスしているのだ。少なくとも、物理的な接触は可能だと言える。

では次は、記憶を取り戻す方法はなにかあるのか? ここについて考えてみよう。



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エマが記憶を取り戻すには?


エマと家族が物理的に会うことはおそらく可能。

その上で、記憶が戻らなければ本当の意味では再会ではない。

記憶を取り戻す方法は何かないのか? それについて考えてみる。


……が、正直な所何が原因で記憶を失っているのか分からない以上、対策の打ちようもない。

あのお方の力によるものだったり、単純な脳への損傷だったりすると、基本的にはどうしようもないだろう。

その上で、現状望みがあるとすれば、以下の2つかなと考えている。


1.あのお方と対面し、約束する、あるいは約束を放棄する


まずは、約束によって引き起こされている記憶喪失ならば、約束を放棄するなり、エマと再び暮らせるような約束をする。

そうすれば、エマと家族はともに暮らすことができるだろう。


ただし、いろいろ問題点はある。

素直に、約束を放棄することが不可能だったり、もしできても鬼の世界で暮らさなければいけないこと。

また、新たな約束を結ぶ場合は、結局犠牲はついてくること。

そして、ヴィダや金の水といった、七つの壁へアクセスするためのものが人間の世界にあるかわからないことだ。


2.ムジカによる”お守り”


そしてもう1つは、ムジカのペンダントの効果に期待することだ。

ムジカはこのペンダントを”お守り”として、七つの壁を目指すエマに渡した。

が、今のところ、クヴィティダラの遺跡にて幻覚を見せた……とエマが考えていたのみで、はっきりと効果は見られていない。


これがもし、ムジカが言う通り「お守り」で、七つの壁に行った際のリスクを回避するために渡したのだとすれば……。

今回の”ごほうび”に対して、何かしらの対抗手段となりうるだろう。

が、普通にクヴィティダラから七つの壁を探すためのもので、そのためのヒントとして渡しただけの可能性もあるため、凄く有力というわけではない。


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結論


エマが家族と再会したり、記憶を取り戻す可能性や方法について考えてみた。


まず、エマが再会できるのか、という可能性の問題から考えるならば、これは十分可能だと考えている。

なぜなら、1000年前に要求されたごほうびは、反する行動をしても罰せられていないからだ。

ラートリー家はごほうびとして調停役をやらされたが、ジェイムズはそれに反抗してGPを作った。

イヴェルクは儀祭でその年に実った一番いい肉を捧げなければいけなかったが、脱獄が出た年はグランマ・サラを献上した。これは、その年に実ったものか、一番いい肉かというと疑問が残る。ノーマンを手元においていたのなら、彼を出すべきだからだ。

そして、3つのルールを破るエマの約束も簡単に叶え、罰則もなかった。


そのあたりを考えると、ごほうびや3つのルールに大きな強制力というものは見られない。

実際、エマはレイたちと人間の世界においてニアミスしている。物理的な接触はできるだろう。



では、記憶を取り戻すには?

ここは正直、考える材料が少ない。

考えられるのは、約束を放棄するか、もう1度エマと暮らせるように約束すること。

これは何かしらの犠牲が出るし、実現も難しいが、順当といえば順当だ。


あるいは、ムジカが”お守り”として渡したペンダントに期待するか。

現状お守りとしての効力は発揮していないため、可能性はある。

が、本当にお守りなのかも不明なため、望みは薄いだろう。



配信では180話までで解決していない謎について改めて考えてみた。こちらも読んでみてほしい。

180話伏線・考察まとめ配信ログ(2020年6月8日放送)






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