36話で、ついにエマたちが農園外からの脱獄に成功しましたね。
こうなることは、農園側は想定していなかったはず。
鬼たちがこの不測の事態に、どう対処するのか気になったので、
農園側の行動について、筋道立てて考えてみます!
いろいろ案を出していって、それぞれ論理的に検討し、
ありえそうなもの、全くありえないものと、分けて紹介していきますね。
目的・状況の確認
まずは、農園の職員側から見た、目的や、現在の状況を整理して、
考えるべきところを明確にしていきます。
目的
1.エマとレイの、フルスコア2人を生きたまま確保する
2.他の子供たちの頭部、脳も傷つけず確保する
農園側の目的としては、逃げ出した商品を、再び確保すること。
中でも最優先はやはり1のフルスコア2人。
「特上以外は殺しても構わん」、という鬼の台詞から、
エマとレイの2人に関しては生け捕りである必要があります。
ここから分かる、今後の彼らの行動に関わりそうなことは、
農園側は、「とにかく子供たちを皆殺しにする」という策は取れない
ということ。
その理由としては、
レイは3巻のオフショットで、「カメラを見たことがなかった」と語っていますから、
鬼側は、子供たちの写真をもっていません。
なので、ナンバーを見なければ子供を判別できないため、
それを隠されてしまうと、一気に手出しができなくなります。
そうでなくとも、例えば遠くから銃を打ちまくって動きを止めるなど、
無差別に殺してしまうような行動をしていては、
エマたちを巻き込んでしまう可能性がありますから、そういった行動は取りづらいですね。
ここで得られたヒント:子供たちを皆殺しにするような作戦はできない
状況
1.時刻は深夜。
2.子供たちがロープを使って崖を渡りきり、周囲の森へ逃げたことを、
イザベラが観測した。
3.発信機は壊されたり、耳を切除されたりで、機能していない。
ノーマンの策が実り、農園側にとってはかなりピンチな状況といえます。
そんな中で、農園側の希望となるのは2つ。
a.イザベラが逃げたところを目撃したこと
b.周囲の森にまだいること
この2つが、農園側の行動の鍵となります。
それぞれ、どういった行動が予想されるかを検討していきます。
a.イザベラが逃げた場所を目撃したこと
これは単純に、エマたちがどこにいるのかをある程度特定できる、ということになります。
逆に言えば、彼女が報告しなければ、鬼たちは橋を警備し続け、まんまと逃げられます。
ですが、イザベラが報告をすれば、彼女の命もまだ助かる見込みが生まれますから、
報告しない、という可能性は低いといえそうです。
ここで得られたヒント:子供たちの大まかな位置は、イザベラを通して把握できる
b.周囲の森にまだいること
周囲の森は子供たちにとって未知の世界である、という地の利。
整備されているハウスの森とは違い、
危険な動物がいてもおかしくありませんし、道に迷う可能性もあります。
速やかに脱出することは困難ですから、鬼を送り込んで間に合う可能性は十分にあります。
また、鬼側は森の構造を知っていそうです。
少なくとも、農園を設計するときに、周囲の森を見て、どこが橋に適しているかを確認しているはずです。
ここもまだ農園のテリトリーといえるでしょう。
ここで得られたヒント:周囲の森は、子供たちにとって未知の領域。
地の利は農園側にあるため、森を利用した作戦が可能。
実際にどう動くのか?
それではいよいよ、鬼たちが子供をどう捕まえるのかを考察していきます。
考えられる可能性を挙げていって、1つずつ有効かどうかを検討する、
というスタイルで紹介していきます。
僕が考えた策は、以下の通り。
1.鬼を森へ行かせ、子供たちの動きを捕らえる
2.外の人間に、捕らえることを依頼する
3.罠などで行動不能にする
4.森に危険な虫などが放ってある
1つずつ見ていきますね。
1.鬼を森へ行かせ、子供たちを捕らえる
まずは素直に、鬼が森へ向かって、子供を捕らえるという策。
単純ですが有効かなと思います。
鬼が持っている剣や鎌で足を攻撃すれば、
逃げられませんし、命を奪う心配もありません。
イザベラの報告によって場所の特定はある程度できますし、
森の中へ入っていく班と、外で待ち構えている班がいれば、取り逃す可能性も低いです。
本部から森までの距離も、車で移動すれば問題ないでしょう。
また、鬼のビジュアルも武器になるかなと思います。
今のところ鬼を目撃したのは、エマとレイのみ。
話で聞いているのと、実際に見るのとでは衝撃が違うでしょうから、
特に小さい子は気圧されて、動けなくなる可能性が高いです。
反論・弱点
気になるのは、この方法では、エマたちが身体を使った脅しを使えてしまいます。
「子供たちを話さなければ、メスで自分の脳を傷つける」のような一言で、無効化されてしまいます。
目的達成をしづらくなる可能性があるという点がネックで、
フルスコア2人を真っ先に確保する策がなければ、行いづらいです。
彼らが鬼ごっこで随一であることを考えると、現実的ではない、というのが僕の見解です。
1についての結論:
有効だが、フルスコア2人を最初に無力化する必要があるため、現実的ではない。
2.外の人間に、捕らえることを依頼する
農園側はあえて動かず、外の人間にエマたちを騙して捕らえるように、
と依頼するという策。
森を出たところで、
「なぜこんなところに子供が?逃げてるなら匿ってあげよう」など、
一般人を装えばできそうです。
脱獄が成功して、精神的に緩んでいるところを突けます。
また、生活基盤などには不安があるでしょうから、その問題を解消できる、と錯覚させれば、
捕らえることは可能かなと。
反論・弱点
まず、時刻が深夜のため、連絡がつく外の人間は少ないと考えられます。
かと言って人間の職員は、チップによって外へ出られないため不可能。
もし実現可能な人間がいたとしても、
外での行動は、エマとレイは慎重でしょうし、彼らの信用を勝ち取るのは至難の業かと思います。
2の結論:
時刻が深夜のため、やれる人間が少ないはず。
それでなくとも、エマやレイを信用させるのは難しいため、これはほぼありえない。
3.罠などで行動不能にする
例えば、頭を怪我しないような落とし穴や、催眠ガスをまくなど、
上手く行動不能に陥れるという戦略。
特に催眠ガスは、全員を簡単に無力化できるため、かなり有効かなと思います。
反論・弱点
あらかじめ罠を張っている場合、周囲の森全域にある必要があるわけで、
それはかなりの量で、現実的ではないでしょう。
実際に行ってから罠を張るのであれば、時間が足りないでしょうから、
素直に捕まえに行った方がいいはずです。
催眠ガスは有効ですが、そもそも用意されている可能性が低いです。
用途が今回のように、崖を超えられたケースのみですからね。
橋を守る際も、人や鬼を配置せず、催眠ガス使うこともできたはずですが、
そうはしなかったので、ないと考えるのが自然かなと思います。
3の結論:
罠は時間的に無理がある。
催眠ガスも、ハウスには用意されていないと考えられるため、ほぼありえない。
4.森に危険な虫などが放ってある
毒を持った虫や蛇などを放ってある、という説。
これも3と同様、子供たちが身動きを取れないようにする策です。
子供たちは見たことないでしょうから、姿を見せるだけでも怯えさせ、
足止めが期待できそうです。
反論・弱点
決定的なのは、エマたちを襲うかどうかが不確定なところ。
森は広いため、出会うかどうかも不安がありますし、
襲うかどうかとなると、更に確率は低くなります。
それに、1人2人くらいなら全然問題なく、
背負って逃げることも可能かなと思います。
もしやっていたとしても、これだけに頼り切りというわけにはいかないので、
他の策と組み合わせて使うことが前提となるでしょう。
4の結論:
運の要素が大きいわりに、効果も小さい。
そのため、他の策との併用が必須。
まとめ
結論としては、
・外の人間を利用する
・森の罠
・毒を持った虫や蛇
この3つがほぼ不可能、あるいは効果が少ないと判断できます。
一方で有効な戦術は、
鬼が直接捕まえに行くことのみで、
それも脅しという一手でダメになります。
ということで、「鬼はもう詰んでいる」というのが僕の結論です!
脅しを思いつかないという一点に賭けて、鬼が森に行くしかないと思います。
対する子供たちの行動についても考えてみました。
→エマたちの外へ出てからの行動を検討・考察してみた!