シェルター男との取り引きで、エマたちがちらつかせた、
「お茶会ができなくなる」というワード。
57話での数少ない新ワードなので、
その「お茶会」について考えてみる。
分かっていること
エマの発言から、分かっていることを整理していく。

週刊少年ジャンプ 2017年44号
約束のネバーランド 57話 取り引き②より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
現在分かっているのは、以下の4点。
見ていく中で出てきた疑問は、
後で疑問点として、改めて考える。
1.シェルターを調べれば分かる
2.男にとって重要なことである
3.シェルターじゃなければいけない理由がある
4.「会」なので、他の人間が絡んでいる
それぞれ詳しく見ていく。
1.シェルターを調べれば分かる
まずは、「お茶会」をしていることを、
エマたちが知っているというのがヒント。
男から聞いたわけではないので、
シェルター内に、何らかの記録が残っていると考えられる。
どういうルートで知ったか、というのは、
あとで疑問点として考える。
2.男にとって重要なことである
エマが取り引きの材料に使ったことから、
男にとって重要である可能性が高い。
「シェルターがただの施設以上に大切」、
「壊したらお茶会もできなくなる」
などの発言からも、彼にとっての重要性が伺える。
3.シェルターじゃなければいけない理由がある
上と同じく、「壊したらもう お茶会もできなくなるよ?」
というエマの発言より。
このシェルターでなければいけない理由がなにかある。
4.「会」なので、他の人間が絡んでいる
言葉の意味として、
「会」というのは、人の集まり。
なので、他の人間が絡んでいる可能性が高い。
◆◆所感◆◆
お茶会というと、大したことではないように感じる。
が、どうやら男にとってはそうではないらしい。
今のところ、何かの隠語か、
あるいは普通にお茶を飲みながら話すか、
どちらかかなと。
隠語説は、実際何をやってるのか、
判断がつかない。
更に、シェルターにエマたちが初めて来たとき、
部屋に入る前に吹き出しがあるため、
シェルター男が何かを話している。

週刊少年ジャンプ 2017年39号
約束のネバーランド 52話 B06-32②より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
その後エア茶をしながら、クッキーを食べているため、
普通にお茶会をしている、という可能性が高そうかな。
カタ……カタ……という音も、
ティーカップをいじってる音と考えられるし。
まあ、男が錯乱したりするところを見るに、
精神安定のために、お茶を飲んで会話をしているというのが第一感。
疑問点
続いて、疑問点について考えてみる。
気になったのは以下の4点。
1.誰とのお茶会なのか?
2.何のために、何をしているのか?
3.何故シェルターじゃなければいけないのか?
4.どうしてエマたちは、お茶会を知ったのか?
それぞれ、筋の通った答えを探してみる。
1.誰とのお茶会なのか?
他の人間が絡んでる、とは言うものの、
それって誰だよと。
考えられるのは2パターン。
a.外部の人間と通信
まずは、モニタールームで、
誰かと通信して話しているという説。
外の状況を把握していたし、
十分考えられる。
ただし、謎や否定する要素もある。
1つは外部ってどこ?という疑問。
他のシェルターなのか、人間の本部なのか。
そして、通信ができるなら、
何故ミネルヴァ、それに準ずる誰か
と通信できるようになっていないのか?
特に、ミネルヴァと通信できないというのは、かなり大きな穴。
まず第一に通信できるようになってないといけない、
重要人物と通信できないのに、
他の人間と話せるようになっている、というのは
ちょっと考えづらい。
b.男の仲間の人格、あるいは幻覚と話している
こちらが本命。
外部の連絡という線がほぼないことと、
次の疑問でも書くが、
精神安定のため、という理由がけっこう納得がいくから。
2.何のために、何をしているのか?
まずは、仲間の人格や幻覚と、話をしている、
という前提で考えていく。
この場合、男の精神安定を図るため、
コミュニケーションをとっている、というのが有力。
元々、シェルター男は、農園という狭いコミュニティ出身。
生まれてから関わってきたほぼ全ての人間を失っている。
となると、精神的に限界、というのは自然かなと。
何故「お茶会」なのか、という疑問にも、
農園であった習慣、と考えれば、まあ説明がつくし。
一方で、外部と通信をしているとすると、
何のために何をしているのかが謎。
男の「ミネルヴァ探し……どの道面倒なら……」
という思考から、今ミネルヴァ探しをしていないのは、
おそらく本当。
となると、ミネルヴァ探しのための情報交換というわけではない。
見ず知らずの、他シェルターなどの人間と、
気休めのためのコミュニケーションというのはあるかもしれない。
が、それが男にとって、そこまで重要かと言われると微妙かなと。
というわけで、
男の仲間と、精神安定のために会話をしている、
というのが有力。
3.何故シェルターじゃなければいけないのか?
シェルターを壊されると、
お茶会ができなくなってしまうのは何故か。
これも、男の仲間と話していると仮定すると、
けっこう納得が行く答えが出る。
それは、仲間と一緒に過ごした空間だから、というもの。
彼らが行ったことのある場所って、
おそらく、農園と、このシェルターと、道中の森くらい。
となると、かなり思い入れのある場所、と見て良さそう。
みんなでいろいろ乗り越えて、
やっとたどり着いた安住の地だろうし。
4.どうしてエマたちは、お茶会を知ったのか?
そして最後に、どうやってエマたちは、
お茶会の情報を掴んだのか。
男の仲間と話している、という場合、
らくがきのある部屋などから、
日記などの記録を見つけた可能性が高い。

週刊少年ジャンプ 2017年44号
約束のネバーランド 57話 取り引き②より引用
(C)白井カイウ/出水ぽすか
こちらの部屋は、扉絵でエマとレイが、
いろいろと探索しているため、十分ありえる。
一方で、通信をしていた場合。
この場合は、モニタールームを調べることになる。
しかし、外部の状況を知る方法について、
レイは「おそらくあのモニター」と言っていて、確証がない。
ということは、あの部屋は十分に調べられていない可能性が高いため、
ここでも、外部との通信という可能性は低そうである。
結論
男の仲間の人格や幻覚と、
精神安定のために、
お茶を飲みながら(エア茶だけど)会話をしている。
これが今のところの結論。
まとめ
以上、お茶会について考えてみた。
結論としては、
孤独を紛らわせたり、精神を安定させるために、
かつての仲間と話している、というもの。
外部との通信というのは、
いくつかの理由から、ちょっと考えづらい。
特に、通信できるなら、
ミネルヴァとできないっていうのどういうことだ、
というのが大きいかな。
今日も22時から配信をしていた。
仲間が死んだ場所、シェルター男が強い理由、
緊急破壊装置などについて考えた。
毎週ジャンプ発売日の22時にやっているので、ぜひ見て欲しい。
聞きたいこと、気になること、考えたことなど、
言ってくれればその場でそれについて返答する。
またまたお邪魔します。一日になんどもすみません。
管理人さんの指摘を聞くまで「男が強いことに理由がある」とは考えていなかったので、気になりました。あの引き締まり方を見ると、外に出かけて自然と強くなったというより、シェルター内でも筋肉を衰えさせないように努力しているのかもしれませんね。少なくとも外から食料を調達し続けるには強さは必要ですし。
ところで管理人さんは、このシェルター男、何を目的に生きているのだと思いますか?
生きていれば死にたくないのは当然ですが、仲間を失って先の展望も見えず、ただただ年を取るためにだけ生きるというのもなかなかしんどいものだと思います。しかも今回のやり取りをみると、死ぬこと自体をそれほど恐れているようにも見えなかったので。
・自分が死ねば仲間の記憶もいっしょに死んでしまう。死んだ仲間たちのためにも自分は生きなければならない(仲間たちは人格として自分の中に生きている)
・「みんな死んだ」と言っていたが、だれかが生きている可能性を考えている。仲間が帰ってこられたときのためにシェルターを守り、自分を強化している。
・長期展望で大きな計画がある。密猟者たちに対する仲間のための復習かも知れないし、そもそも悲劇を作り出したこの世界への復讐かも知れない。矛先が鬼に向かっているのか、人間に向かっているのかもわからないけど、死ぬ前に大きなことをやり遂げるつもりでいる。そのために身体を鍛え知識を集め、計画を進めている。
と3つほど考えてみました。
ところでシェルター男はあの名前の読めないナントカ様の正体を知っていると思いますか?
過去の記事に書かれていたらすみません。
今回の話で男に対する興味が深まりました。男は仲間たちにとってはエマやレイのようなリーダー的な存在だったのかなと思います。家族には特別な思いを持っていそうですね。
長文失礼致しました。
>シナモンさん
たくさんのコメント、ありがとうございます。
◆◆男の生きる目的◆◆
言われてみると、ちょっと疑問ですね。
まだ深くは考えられていませんが、
その中では2択かなと思います。
1.仲間の人格も死んでしまう
ありそうです。
仲間とのお茶会が大事だとすると、
彼らを守るために生きている、というのは、
十分考えられそうですから。
2.誰かが生きていると信じている
ちょっと厳しいと思います。
というのも、密猟者から逃げていたとしても、
かなり長い期間、鬼の世界にいるはず。
そんな中で無事というのは、ちょっと現実的じゃありません。
3.長期計画がある
密猟者などへの復讐というのは、
受けた被害が動機として十分かなと。
ただし、1人だけで何かをするというのは難しそう。
少なくとも、けっこう大掛かりな準備はしているはず(例えば爆弾など)。
となると、シェルター内に痕跡が残っている可能性が高そうです。
今のところ、エマたちがそういったものを見つけた様子はなさそうなので、
ちょっと考えづらいかな、と思っています。
というわけで今のところ、
仲間の人格を守っているか、
長期計画の2択かなと考えています。
否定する要素がないので、今のところ、
仲間の人格を守っている、というのが有力に見えます。
考え甲斐がありそうなので、
今週深く考えて書くかもしれません。
ありがとうございます。
◆◆男は名前の読めないやつを知ってる?◆◆
資料に書かれているかどうか次第、
という印象です。
とりあえず、A08-63を目指す道中で、
そのナントカ様について知る機会はなさそうかなと。
で、資料に書かれているかどうか。
これは何かしら書かれている可能性が高いです。
農園システムにおいて重要なポジションっぽいですし、
古い資料でも、先代の同じポジションについてくらいは、
書かれているんじゃないかなと。
なので、資料には書かれていそう。
あとは古文書が読めたのか次第。
一応レイも「”鬼”や”約束”に触れていた本は……」と、
何が書かれているかは分かっていたため、
読めないってことはなさそうです。
もちろん、図などでおぼろげに理解した、
という可能性は捨てきれませんが、
13年もいれば多少は解読も進んでいそうかなと。
なので、資料を解読できたかどうか次第かなと。
で、どちらかというと知ってると思います。
お久しぶりです、まるきです。
「密猟者」についてですが、ミネルヴァ側の人が利益(お金←この場合は鬼に金という概念があることが前提ですが、鬼の世界での地位向上など)目的に男と逃げてきた仲間を売り、男は「(すでに見つけたが売ったやつを殺すだめ)ミネルヴァ探しはやめた」っていうのはいかがでしょう?
まとめると、男は一応ミネルヴァのとこへ行ったが、仲間を売られ、シェルターに戻り、復讐の機会を伺っている。
いくらなんでも…って感じですけどね…
>まるきさん
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
◆◆密猟者=ミネルヴァ側の人間◆◆
なるほど。
ミネルヴァ側の人間が密猟者ということですね。
ミネルヴァが密猟者のパターンは考えましたが、
彼の仲間が一枚岩ではないパターンは思いつきませんでした。
一瞬、それならミネルヴァの計画を、
リークした方が手っ取り早いのでは?と考えました。
が、これは人間が約束を破ったことになって、
自分も襲われかねない。
となると、逃げてきたのを捕まえた体で売るのは、
けっこう考えられそうかなと。
しかし、引っかかるところもあります。
その人間の傍に、ミネルヴァや計画の中心人物がいた場合は、
リスキーな選択肢となることです。
逃げてきた子供たちがいなくなったとなると、
ミネルヴァは、鬼側の内通者を疑うでしょうから。
そうじゃなくても、
男だけが逃げ切ったというのも、ちょっと引っかかります。
他の子供が、ミネルヴァ側の人間に売られたことを
男に知られていれば、売った人間は困るはず。
彼がいずれミネルヴァと出会ったとき、
売ったことがバレてしまうので。
なので、十分考えられそうではあるんですが、
実際に行動に移すとなると、難しいパターンなのかなと思います。
こんにちは
お茶会から話がそれてしまうのですが、『約ネバ』の世界について以前から疑問に感じていることがあります。管理人さんや他の方の意見を聞いてみたいのですが・・・
・鬼たちは千年前に人間たちとは別れたはずなのに、何故11世紀以降に確立されたアラビア数や英語を鬼の世界で使っているのか。鬼独自の文字や言葉もあるのに必要でしょうか。
・西暦が統一され一般化されたのも11世紀より少し後だった気がしますが、ソンジュはすらすらと「人間の暦で2046年」と言っていましたね。人間の世界と行き来がないなら知る必要もない気がします。速攻で出てきたのは何故でしょう。
・人間の世界と鬼の世界が時空で隔てられている(パラレルワールド・数千年単位の時間差などで隔てられている)わけではない場合、人間からは鬼の世界が見えてしまうと思うのですが、普通の人間たちから鬼の世界をどうやって隠しているのか?「人間の世界」がわれわれ読者の世界と違って、「鬼の世界」ありきで存在しているのでしょうか。
・人間の脳と鬼の脳は作りが違いますよね(でなければ共食いでもいいはず)。双方世界を同じように認識していると思いますか?言葉は通じるし、GF鬼の言動から怒り・プライドなどの感情も存在しそうですが、決定的に違う部分があるのではないかという気がします。人間が知覚しているものを鬼もすべて知覚していると思いますか?ムジカはちょっと特殊な気がするのでそれ以外の鬼たちについて。
・鬼の概念に「音楽」はあると思いますか?
質問ばかりですみません。
>シナモンさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。
◆◆11世紀以降の言語◆◆
たしかに不思議ですね。
英語は古英語などがありますが、
アラビア数字での数記法が一般的になったのは、
12世紀以降のようですし。
軽く考えてみると、
12世紀以降に、鬼の世界が人間の文化を取り入れた、
というのがシンプルです。
ただ、その頃急に言語などを取り入れた、
というのは、説得力に欠けますね。
約束を交わした時点で、
コミュニケーションは取れているわけですし。
なので、基本的にありえない。
うーん、これはちょっと考えただけでは、結論が出なさそうです。
今度時間をかけて考えてみますね。
また、言語ついては、若干趣旨は違いますが、
以前考えてみましたので、こちらもどうぞ。
◆◆人間の世界から鬼の世界は見えているのか?◆◆
基本的に、人間の世界では、
鬼の世界について知られている可能性が高い、
と考えています。
というのも、知らせておかないと、
一般人が約束を破ってしまう、ということがありえます。
これはかなりリスクが高いです。
知らずに鬼を狩ってしまったが最後、
人間の世界を襲われてしまいますから。
ただ、ムジカの言った「七つの壁」によって、
世界が区切られている可能性はありそうです。
これが、物理的に侵入が不可能な障壁だとするなら、
わざわざ教える必要もない、と隠している可能性はありそうです。
◆◆脳の違い◆◆
おっしゃるとおり、
人と鬼は、脳の構造は違うと考えられます。
ただ、どこが違うのかを断定できる描写が、
今のところ少ないんですよね。
僕が見つけた相違点らしきものは以下の3つ。
1.嗅覚
1話の鬼が、「何か臭う」と、
エマたちの臭いを感知したこと。
また、40話の鬼が臭いでエマたちを追ったことから、
嗅覚を強く認識できると考えられます。
2.視覚
また、視覚も違う可能性がありそうです。
というのも、野生の鬼を見るに、
目の数がかなり多そうです
(顔にある穴がすべて目なのかは不明ですが)。
となると、視野の広さなどは大きく違いそうです。
3.脳の発達の個体差
また、野生の鬼など、
知性を持たない鬼もいるこという、
脳の発達の個体差の激しさも気になります。
逆に今のところ、
このへん以外は人間と変わらないように見えます。
◆◆音楽◆◆
鬼が音楽を嗜むかは不明ですが、
理解はしていると考えます。
その理由は、農園に音楽室があること。
ハウスにある蓄音機やピアノなどは、
音楽を理解していないと、何のためのものか分からない。
何なのか分からないものを農園に入れるということは、
鬼側としてはリスクがあるので、しないはず。
なので、音楽に対する造詣がどの程度かは分かりませんが、
人間にそういう文化が存在する、
ということは理解しているはずです。
お返事ありがとうございました。
>人間の世界では鬼の世界について知られている可能性が高い
>知らせておかないと一般人が約束を破ってしまう、
なるほど・・・そうですね。スッキリしました。
そうすると、本当にいろんな分断の仕方がありえますね。
知覚に関しては、たしかに嗅覚が鋭いですね。目も複数あったり縦に並んでいると立体の見え方が違うかも。
ところで、色覚検査では人によって見える数字が違いますよね。L,M,S錐体の3つで見ている人にはもうひとつの数字が見えにくい。2つの錐体で見ている人は、ある色とある色が同様に見えるのでもうひとつの数字がすぐに見える、というような。
鬼の世界と人間の世界の間には物理的な壁の他に知覚的な障壁もあって、人間だけに感知できる道しるべがあってもおかしくないかな、と思います。
音楽に関しては、鬼が音の高低や長短、組み合わせもあることを理解していても、人間のように全部のまとまりで一つの音楽というように感じられなければ、秘密のメッセージを込めることができそうな気がします。
>シナモンさん
◆◆認識の違いによる障壁◆◆
なるほど、その発想はありませんでした。
人間だけにしか知覚できないルート、
というのはあるかもしれませんね。
◆◆音楽◆◆
メッセージを隠せるというのも、
1つのアイデアとして有力そうですね。
ただ、農園の子供たちに対して、
音楽でメッセージを送っても、気付きづらそうなのが難点かなと感じます。